2011国民春闘共闘情報
全労連HP

1.17春闘闘争宣言行動

大黒作治代表幹事の主催者あいさつ(経団連前)

 24日にも出されようとしている経団連の「経労委報告」は、円高とEU諸国の金融危機などによる「危機の中の危機」とあおり立て、大震災からの「迅速な復興」を口実に、さらなる国際競争力の強化と、大企業を中心とした、物事を効率第一に考え、利益優先社会を一層追求するために、ベア要求を拒否し、企業負担を軽減するために賃金の個別化と自己責任を推し進め、定期昇給制度の見直しにまで踏み込んでいます。しかし、あの東日本大震災から日本国民が改めて会得したのは、自己責任ではなく、人々の連帯であり絆の深まりでした。どこまでも身勝手な財界の主張を覆して、賃金の底上げ、最低賃金の時間額を1000円以上、労働者派遣法の抜本改正や公契約適正化を前進させて雇用を改善し、暮らしを守るための春闘を発展させようではありませんか。

 みなさん。大企業が横暴を極め、資本金10億円以上の大企業は、この1年間で内部留保を257兆円から266兆円に増やし、手持ち資金も60兆円と「カネあまり」現象が続いている一方で、中小企業の70%近くは赤字決算を出しているという異常さを正すことが必要です。

 この間の財界の主張は、企業の繁栄こそが雇用を生み、利益第一主義や自己責任論の何が悪いと言わんばかりであり、その後ろ盾には、民・自・公、連合やメディアが財界には歯向かわないというおごりがあるからだと思います。財界・大企業の横暴を許さず、内部留保を国内で環流させるために賃上げや下請単価の改善、安定した雇用に回せ、賃上げこそ内需拡大と景気回復につながることを国民世論として大きく発展させようではありませんか。

 野田首相は、税と社会保障の大改悪や基地問題で暴走を始めています。年末には、米軍普天間飛行場の辺野古への移設にかかわってアセスメントの提出を強行するため、午前4時に沖縄県に届けるという姑息なやり方に対し、県民の新たな怒りが沸き起こっています。野田首相は、24日から始まる通常国会で「公務員の賃下げと国会議員の定数削減、消費税の引き上げ」を3点セットで押し付けようとしています。しかし、政府による公務員の賃下げは、春闘にも計り知れない影響を及ぼします。地方交付税や教員の人件費は言うに及ばず、民間の福祉施設や保育園などその影響は650万人以上に波及し、中小企業に働く労働者への賃下げ、地域経済の疲弊と内需主導の経済への立て直しに逆行します。消費税はメディアの引き上げ大合唱が続く中でも、1月の世論調査では反対が55%を超え、賛成は30%台でしかありません。復興税では今後25年間所得税と住民税に上乗せして8.1兆円の新たな国民負担が強いられます。法人税は30%から25.5%へと下げられ、向こう25年間では差し引き28兆円の減税となり、「財源がないから消費税の増税」というごまかしに大義はありません。大企業減税や金持ち優遇税制を改め、無駄な軍事費や大型公共事業の見直しこそ必要だという国民世論として高めましょう。JA全中や日本医師会は、TPP参加反対の運動で中央でも地方でも共同が大きく広がっています。また、消費税増税反対に「生団連」なども立ち上がろうとしています。

 経団連の自分勝手な言い分を許さず、賃金の底上げと最賃の大幅な引き上げを勝ち取り、不安定雇用を改善させ、暮らしを守るために春闘を発展させることを訴えます。

(以上)

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