第12号 2012年2月13日
賃上げ実現、増税ストップ
2・10中央総行動 全国から のべ7000人
「賃上げで景気回復を」「消費税増税をゆるすな」―。全労連・国民春闘共闘委員会は2月10日、農民、商工業者、建設職人・業者などの諸団体と共同で「国民のいのち・暮らしを守る中央総行動」にとりくみ、全国からのべ7000人が参加しました。野田内閣が消費税増税・社会保障大改悪、TPP(環太平洋連携協定)参加へと暴走するなか、国民連帯の力で悪政をストップさせようと、終日行動を繰り広げました。
正午から日比谷野外音楽堂で開催された中央総決起集会(第1波集会)には、2500人以上が参加しました。主催者を代表してあいさつした国民春闘共闘の大黒代表幹事(全労連議長)は、被災地復興を置き去りにしてTPP参加や消費税増税に血道を上げる野田政権を厳しく批判。労働者の懐を温め、内需主導の日本経済を実現してこそ景気も回復し、財政も立ち直るとのべました。政府は社会保障と税の大改悪をすすめる露払いとして国家公務員賃下げと衆院比例定数削減を強行しようとしていると指摘。「消費税増税・TPP参加反対、原発ゼロをめざすたたかいに合流し、2012春闘を大きく発展させよう」と呼びかけました。
リレートークでは、宮城県労連の小玉常任幹事が発言。震災後、石巻市のボランティアセンターに泊まり込んで復興支援、生活・労働相談活動に奔走してきた体験を振り返りつつ、被災地の雇用を守るために全力をつくす決意を語りました。同じ会場で第2波集会(3500人参加)を開催した建設首都圏共闘から、宮田議長が参加し連帯あいさつ。「日本がTPPに参加すれば、小さい工事にも外国資本が参入してきて、建設業界全体が痛手をこうむる」「公契約条例をどんどんつくる運動をすすめたい」とのべました。集会ではこのほか、公務、非正規、農民、女性、年金者・生存権裁判全国連絡会の代表らが決意表明しました。シュプレヒコールのリード役は、全労連青年部の矢澤常任委員。「賃上げで景気を回復しよう」「消費税増税反対」「原発なくせ」など、4色にわかれたプラカードを掲げ、会場の外にまで大きな声を響かせました。国公労連の廣瀬中執が「集会アピール」を読み上げて提案し、満場の拍手で採択。全商連・国分会長の閉会あいさつ・団結ガンバローで集会を締めくくりました。集会には、日本共産党の市田書記局長・参議院議員が参加し、連帯あいさつしました。
中央集会後、参加者は各省前行動に移り、ふたたび日比谷公園に集結。色とりどりのプラカードやのぼり、横断幕を掲げて銀座パレードに出発しました。途中、東京電力本社前を通過する際には「東電は原発事故の責任をとれ」「ただちに全面賠償しろ」「国民に責任を転嫁するな」など、怒りの唱和がビル街にこだましました。パレード後、参加者は、2012年版「経労委報告」でベア「論外」、定昇実施の見送りにまで言及した日本経団連を幾重にも包囲しました。
“内部留保は労働者の血肉だ”
国民春闘共闘の国分代表幹事(全農協労連委員長)は主催者あいさつで、労働者の賃金がこの10年間で55万円も下がったと指摘し、「大企業は内部留保を還元すべきです」と力説。TPPへの参加で、くらしも地域も、日本経済全体がダメになってしまうとのべ、「私たちの未来をつなぐたたかい。人間らしい雇用とくらしを求めて声を上げよう」と訴えました。“日本経団連にもの申す! 仕事よこせ! 怒りの発言”と題し、4人が決意を表明。3月末の判決を控えるJAL不当解雇撤回裁判原告団の山口団長は「1800億円もの巨額の利益を上げながら解雇するのは許せない」「安全な空を取り戻すため、ねばり強くたたかっていく」とのべ、大きな拍手を受けました。JMIU・日本IBM支部の大岡委員長は、成果主義で労働者が次々と降格・減給、解雇されている実態を告発。「裁判所は個別の退職強要を『説得活動』とよび、強要の『証拠がない』として原告敗訴の判決を出した。成果主義を粉砕するため、高裁でもたたかっていく」と語りました。全労連全国一般・資生堂アンフィニ分会の池田分会長は、仲間が働いていた鎌倉工場で、身体を壊して労災の相談に来たパートの女性が組合に加入したことを紹介。「労働者を簡単に使い捨てる会社はゆるせない。解雇撤回までたたかい続ける」とのべました。「非正規社員も同じ人間。もう黙ってはいない」「大企業の内部留保は、身を粉にして働いてきた私たちの血であり肉だ」(ソニー労組仙台支部・小副委員長)との発言が続きました。夕闇が迫り、寒さが厳しさをますなか、「労働者を使い捨てにするな」「争議を解決しろ」との熱いシュプレヒコールを経団連にぶつけました。
派遣法、契約法、パート法… 雇用守る抜本改正を
この日は全労連女性部、生協労連などが早朝から各駅頭で宣伝行動を実施したほか、厚労省、農水省、総務省前の各要求行動、国会議員要請行動など、終日行動を展開。厚労省前行動では、「(有期労働を5年とし、事実上更新も可とする)政府の改定案では、雇い止めがかえって増えてしまう」「働き方は有期でも、生活は生きている限り続く。企業の都合だけ考える法改定は許せない」(全国一般・青池書記次長)、「『親も派遣、子も派遣』『親子で解雇』では生活できない」「安心して仕事をして暮らせる社会をつくりたい」(いすゞ自動車非正規切り事件争議団原告・五戸さん)など、「改正」と称して労働法制を骨抜きにする政府の姿勢を厳しく批判する発言が相次ぎました。全労連・国民春闘共闘は、3月14日の第1次集中回答日、3月13日〜15日に設定した「『99%』のための安心社会めざす総行動」に向けて、地域から春闘を盛り上げるため、全国で奮闘しています。