第16号 2012年3月9日
賃上げで景気回復を
国民春闘勝利3・8中央行動 こだまする3000人の唱和
「賃上げで景気を回復しよう」「消費税の増税はゆるさないぞ」―。集中回答日を1週間後に控えた8日、全労連・国民春闘共闘は、東京春闘共闘との共同で「国民春闘勝利3・8中央行動」にとりくみ、単産・首都圏を中心に約3000人が参加しました。昼の厚労省・人事院前要求行動(コア行動)を前後して、国会前座り込み、省庁交渉、国会議員要請、パレードなど、寒さがぶり返すなか、終日行動を展開しました。
厚労省前 労働者・国民いじめのオンパレードを食いとめよう
正午から厚労省・人事院前で開催された要求行動には、省庁前の道路をはさんで両側にのぼりや横断幕が林立。プラカードを掲げた約2000人の仲間が歩道を埋めました。
国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)は主催者あいさつで、大企業は円高を口実に生産拠点を海外に移転させ、正社員の解雇、下請単価の買いたたきなど横暴を極めていると批判。大企業が抱える266兆円もの内部留保を賃上げにまわし、国内産業を守れ、の声を集中しようと訴えました。
小田川義和・国民春闘共闘事務局長(全労連事務局長)が情勢報告。(1)「春闘再生」の原点に立ち返り、ねばり強い職場闘争と統一闘争の強化で、経団連・連合大手労組によるベアゼロ・自粛春闘づくりをゆるさない、(2)派遣法の骨抜き修正案の強行採決など、政府の反動的な動きに機敏に対応し、運動の手を緩めず態勢を整えること、(3)消費税増税、TPP参加、原発再稼働など焦点となっている政治的課題へのとりくみを強化し、宣伝・署名に大きく打って出ようと呼びかけました。東京・大田区の蒲田民商から、萩島実会長がかけつけ連帯あいさつ。大田区内の中小業者は、消費税増税やリーマン・ショックを背景に、過去25年の間に半減したと告発。これに比例して雇用も減少しており、政府のねらう消費税大増税は絶対に認められないと力を込めました。
集会では、厚労省前の全労連カーに民間単産の代表3人、人事院前の全教カーに公務単産の代表3人が登壇し、それぞれ交互に決意表明をおこないました。日本医労連の中野千香子副委員長は「国民のいのちと健康を守るために看護師の増員を」と訴え。自交総連の園田公作副委員長は「タクシー労働者の賃上げ・待遇改善は、職場のたたかいだけでは解決しない。多くの国民との共同が必要だ」と強調。建交労の佐藤友哉・全国青年部部長は、昨日の首都圏運輸集団交渉で全13社から有額回答を獲得したと報告。「最賃引上げ、災害対策マニュアル作成など制度要求をかちとる」と決意を語りました。公務からは、「公務員賃下げ法の成立に満身の怒りをもって抗議する」(盛永雅則・国公労連副委員長)、「市町村で保育施設の義務付けがなくなれば子どもがいなくなる」「現行の事業の充実を求め、健やかに育つよりよい社会をめざす」(山崎朋哉・高知自治労連保育部副部長)、「大阪維新の会による『教育基本条例』『職員基本条例』制定をゆるさず、50を超える団体の共同ではね返す」(藤川真人・大教組書記次長)との力強い発言が続きました。
つづいて、厚労省・人事院の建物に向かい、参加者全員でシュプレヒコール。「賃上げで景気を回復しよう」「消費税増税ハンタイ」「派遣法を抜本的に改正しろ」「憲法違反の公務員賃下げはゆるさないぞ」の声が響き渡りました。国民春闘共闘の国分博文代表幹事(全農協労連委員長)が閉会あいさつし、「団結ガンバロー」で集会を締めくくりました。
総務省前 公務員賃下げ法は憲法違反、労働基本権をかえせ
午後、総務省前では、公務員賃下げ法の成立に抗議し、労働基本権の全面回復を求めて、公務単産を中心に1200人が座り込み行動を展開しました。主催者あいさつに立った全労連公務部会の野村幸裕代表委員(自治労連委員長)は、「不当な賃金引き下げが国会で議決されたことについて参加者全員で強い抗議を表明したい」と力強く切り出し、「震災から1年が経とうとしているが、いまだ復興が進んでいない。公務労働者が住民と一緒になって復興を進める必要があるが、政府は賃金を減らし、さらに退職金を減らそうとしている」「これはまさに財界の意向に沿った公務員の総人件費削減、労働者全体の賃金抑制に加担するものだ。非正規関連労働者を含めすべての労働者の賃上げを求めて、たたかいをすすめよう」と呼びかけました。民間労組を代表して、生協労連の桑田富夫委員長が駆けつけ、公務員賃下げへの怒りと、民間労働者も共同してたたかう決意をのべ、参加者を激励しました。黒田健司事務局長が情勢報告と行動提起。公務員賃下げ法が議員立法によってわずか5時間の審議で強行採決された問題や、定年延長をめぐる情勢、民間調査をふまえた退職手当の大幅削減について触れ、「来週には3・15全国統一行動がある。職場集会や地域での合同集会、デモ、団体要請など、職場・地域から要求実現のために総決起しよう」と呼びかけました。座り込み行動後、参加者は日比谷公園霞門に集合し、国会に向けて請願デモに出発。公務・公共サービス拡充などを求めて力強いシュプレヒコールを響かせました。
この日は午前中から、日本医労連が国会前で「白衣の座り込み行動」をおこなったほか、自交総連が国土交通省個人請願・銀座デモに繰り出すなど、各単産を中心に、終日多彩な行動を繰り広げました。(おわり)