第22号 2012年3月30日
2012年春闘・第2回賃上げ集計
単純平均で5,394円 回答引出し、上積み獲得増加
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は29日、2012春闘における第2回目の賃金改定集計を行いました。加重平均額で前年同期の水準を上回っています。
第2回集計のおもな数値は以下のとおりです。
<回答状況>
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2012年 |
2011年 |
2010年 |
登録組合数 |
801
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810
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791
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回答組合数 |
209(26.1%)
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147(18.2%)
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202(25.5%)
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うち上積み獲得 |
32(15.3%)
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19(12.9%)
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25(12.4%)
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うち前年実績以上 |
97(46.4%)
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81(55.1%)
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88(43.6%)
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うち妥結組合数 |
41(19.6%)
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18(12.2%)
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20(9.9%)
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<回答内容>
集計方法&対象 |
2012年 |
2011年 |
(前年比) |
2010年 |
単純平均 |
額(円) |
5,394 |
5,446 |
−52 |
5,252 |
率(%) |
1.80 |
1.74 |
+0.06 |
1.66 |
加重平均 |
額(円) |
5,285 |
5,110 |
+175 |
5,699 |
率(%) |
1.80 |
1.67 |
+0.13 |
1.83 |
組合員数(人) |
57,391 |
36,201 |
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57,563 |
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
<集計結果の概要>
第2回集計には、別表の16単産部会から報告が寄せられました。これまでに有額回答を引き出したのは、209組合で、うち41組合が妥結しました。回答引出し率は26.1%で昨年同期(147組合、18.2%)、一昨年同期(202組合、25.5%)を上回っています。
第1回集計(3月15日)以降に回答を引き出したのは80組合で、今回新たに報告が寄せられたのは化学一般労連、全倉運、映演労連の3単産部会です。
粘り強い交渉で上積み回答引出す
賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は5,394円(1.80%)で、第1回集計時の5,073円(1.67%)から321円(0.13ポイント)、加重平均(組合員一人あたりの平均)は5,285円(1.80%)で、417円(0.16ポイント)増加しています。初回からの上積み回答を引き出しているのは、JMIU、地方マスコミを中心に32組合・15.3%で、昨年同期(19組合、12.9%)、一昨年同期(25組合、12.4%)を上回っています。
集中回答日直後の第1回集計では、金属大手の相場の影響を受けたかのような、定昇のみ回答が目立ちましたが、その後の粘り強い交渉で、賃金の上積みを勝ち取っています。世間相場で回答させず、経営者の努力と誠意がこもった金額を勝ち取るために、切実な要求と事業所の展望を結合させ、賃上げが必要であることを粘り強く訴えていけば前進が勝ち取れることを、当該職場の取組みは証明しています。
前年実績以上の回答引出し増加
前年同期比では単純平均の金額では52円減少としていますが、加重平均では175円増(+0.13ポイント)となっています。これについては、小規模の個別単組の回答が昨年より厳しいことが反映しています。
前年実績を上回る回答を引き出した組織は70組合(前年66組合)、同額は27組合(同15組合)となっています。東日本大震災前の2010年同期と比較しても前年実績以上の回答を引き出しが11組合増えています。
単産部会別では、報告のあった14組織のうち前年同期比でプラスとなった単産部会が8、マイナスが6となっています。民放労連(前年同期比4,552円増)、全農協労連(同4,206円増)が全体の平均を引き上げています。1万円以上の回答を引き出した組織は13組合(昨年12組合)で、単組では出版労連8組合、民放労連3組合、JMIU2組合、全農協労連1組合です。
上記で指摘したように、規模別では「29人以下」が昨年同期より961円マイナスと大きく落ち込んでいますが、一昨年同期よりは236円プラスとなっています。「30人〜99人」では前年同期で574円(0.25ポイント)増となっており全体をけん引しています。
パート等の賃金引上げ広がる
パート・アルバイト等の賃上げは、生協労連の61組合をはじめ、3単組92組合が引上げを獲得しており、昨年同期(66組合)、一昨年同期(50組合)を大幅に上回っています。
時間額の引上げは単純平均で5.4円(0.40%)となっています。引上げ率で昨年同期より0.03ポイント増と若干増加しています。生協労連では時間額5円〜10円の引上げを中心に、月額3,300円の引上げ回答を引き出している組合も出ています。日本医労連では、沖縄で30円、群馬で20円の時間額引上げを勝ち取っています。
企業内最低賃金の改定は2単組11組合から報告が寄せられました。国民春闘共闘委員会の提唱する「全国一律最低賃金1,000円以上」にはまだ届きませんが、生協労連では岐阜で95円(12.1%)、京都で83円(10.3%)の引上げを勝ち取るなど運動の成果が出はじめています。