2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第26号 2012年4月17日

2012年春闘・第3回賃上げ集計

単純平均5,374円 +1.81%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は13日、2012春闘における第3回目の賃金改定集計を行いました。東日本大震災前の2010年同期並みの水準で推移していることが伺える結果となっています。

第3回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>
2012年 2011年 2010年
登録組合数 801 810 791
回答組合数 259(32.3%) 213(26.3%) 251(31.7%)
 うち上積み獲得 57(22.0%) 39(18.3%) 57(22.7%)
 うち前年実績以上 131(50.6%) 119(55.8%) 122(48.6%)
 うち妥結組合数 94(36.3%) 65(30.5%) 67(26.7%)

<回答内容>
集計方法&対象 2012年 2011年 (前年比) 2010年
単純平均 額(円) 5,374  5,515  −141  5,280 
率(%)  1.81   1.79  +0.02  1.70 
加重平均 額(円) 5,440  5,539  ―99  5,667 
率(%)  1.84   1.84  ±0  1.83 
組合員数(人) 70,703  57,207 
69,248 
*額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。

<集計結果の概要>

 第3回集計には、別表の20単産部会から報告が寄せられました。今回新たに報告が寄せられたのは、合同繊維労組、全労連・全国一般(製造)、検数労連、金融労連の4単産部会です。
 これまでに有額回答を引き出したのは259組合です。第2回集計(3月29日時点:209組合26.1%)から50組合6.2ポイント増え、2010年同期(251組合31.7%)とほぼ同水準となっています。そのうち、すでに妥結した組合は94組合(妥結率36.3%)です。過去に比べ、この時期での妥結率は高く、今年は早期解決する組合が多いといえます。

加重平均で第2回集計より155円増加

 賃上げ回答の水準は、単純平均(一組合あたりの平均)で5,374円(1.81%)、加重平均(組合員一人あたりの平均)で5,440円(1.84%)となっています。
 単純平均では第2回集計より20 円減少しているものの、率では0.01ポイント増加、加重平均では155円0.04ポイント増加しています。この間に回答水準が上昇した単産部会は、JMIU(268円0.12ポイント)、建交労・運輸(45円0.06ポイント)、全倉運(346円0.04ポイント)、生協労連(29円0.02ポイント)、出版労連(433円0.02ポイント)日本医労連(25円±0ポイント)、地方登録(321円0.06ポイント)、地方マスコミ(126円0.13ポイント)です。
 上積み回答を引出した組合は、JMIU、地方マスコミ、検数労連、化学一般労連、建交労・運輸、全倉運、出版労連、日本医労連などに所属する57組合(22.0%)です。そのうち31組合は前年妥結額を上回る回答となっており、例えばJMIUの大東工業では第3次回答で12,500円を引き出しています。

製造、マスコミ関係が健闘

 今回の回答は、前年同期と比較すると単純平均で141円のマイナス、加重平均で99円のマイナスとなりますが、前年実績を上回る回答を引き出した組織も96組合(2011年同期91組合、2010年同期94組合)、同額回答も35組合(同28組合、同28組合)あります。
 単産部会別では、2011年との同期比較が可能な17組織のうち、単純平均で前年比プラスとなった単産部会は9、マイナスは8です。第2回集計で前年比マイナスであったJMIUと出版労連もプラスに転じています。
 1万円以上の回答を引き出した組織は17組合(出版労連10組合、民放労連2組合、JMIU4組合、全農協労連1組合)となり、前回調査から4組合増加しています。
 電機主要各社が定昇凍結や賃金引下げ、人員削減を決定する中、JMIUや建交労・製造などの製造業や、マスコミ関係での健闘が光ります。

一昨年との比較

 なお、今回の結果を震災前年の2010年同期と比べると単純平均で94円(0.11ポイント)上回っています(比較対象は18組織)。プラスとなった単産部会は8、マイナスは10です。プラス組合は、民放労連(2010年同期比2,801円増)、検数労連(同2,147円増)、出版労連(同1,161円増)、建交労・製造(同1,000円増)などです。

パート等の平均賃上げ8.8円(前回調査比3.4円増)

 パート・アルバイト等の賃上げは、6単産109 組合が引上げを獲得しています。昨年同期(5単産81組合)を上回っていますが、一昨年同期(10単産179組合)に比べると大幅に減少しています。これは、まだ未報告の単産が多いためと考えられます。
 時間額の引上げは単純平均で8.8円(0.42%)です。前回調査の5.4円(0.40%)から3.4円(0.02ポイント)増加し、昨年同期とほぼ同水準となっています。
 建交労では平均76.7円の引上げを獲得し、生協労連では79組合(前回調査18組合、前年同期比30組合、前々年同期比25組合増)と着実に引上げ組合数を伸ばしています。その他、JMIU、全労連・全国一般から新たに報告が寄せられました。
 企業内最低賃金の改定は4単組33組合から報告が寄せられました。全印総連の組合では月額4,500円の引上げを勝ち取り、建交労では統一要求額以上の協定を結ぶなど取り組みの前進が伺えます。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第4回回答集計(平均賃上げ方式・4月10日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 1,836 147.5 5,187 1.78 5,305 1.79 4,368 1.77 4,727 1.77
中小共闘 882 10.0 4,271 1.38 4,586 1.77 4,192 1.67 4,557 1.78
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第1回回答集計(4月6日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 37 6,240 1.94 6,346 1.87 5,330 1.76 5,514 1.87
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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