第33号 2012年6月7日
2012夏季一時金・第1回集計結果
単純平均69万円 1.98ヵ月
国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は5日、夏季一時金の第1回集計を行ない、24単産部会(705組合)からの報告を集約しました。単純平均で約69万円・1.98ヵ月、加重平均で約62万8千円となっています。
第6回集計のおもな数値は以下のとおりです。
<回答状況>
|
2012年 |
2011年 |
2010年 |
登録組合数 |
705 |
725 |
694 |
回答組合数 |
262(37.2%) |
216(29.8%) |
271(39.0%) |
うち上積み獲得 |
53(20.2%) |
34(15.7%) |
48(17.7%) |
うち前年実績以上 |
77(29.4%) |
69(31.9%) |
65(24.0%) |
うち妥結組合数 |
111(42.4%) |
91(42.1%) |
116(42.8%) |
<回答内容>(月数および金額)
集計方法&対象 |
2012年 |
2011年 |
(前年比) |
2010年 |
単純平均 |
月数 |
1.98
|
2.04
|
−0.06
|
2.02
|
額(円) |
690,441
|
705,874
|
−15,463
|
691,765
|
加重平均 |
額(円) |
627,892
|
611,674
|
+16,218
|
594,910
|
組合員数(人) |
58,068
|
49,222
|
|
57,318
|
*額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
<集計結果の概要>
例年なみの回答引出し・妥結率
第1回集計には、別表の24単産部会から報告が寄せられました。
回答引出し状況は262組合・37.2%となっています。昨年は、東日本大震災の影響で、製造業を除くほぼすべての産業で、例年より1〜2割程度の遅れが出ていましたが(2011年同期216組合29.8%)、それに比べると46組合・7.4ポイント上回っており、2010年同期(271組合・39.0%)とほぼ同水準となっています。
なお、現時点での妥結率は42.4%で、昨年、一昨年と同水準です。
加重平均で回復傾向
一時金の単純平均額(一組合あたりの平均)は690,441円・1.98ヵ月で、前年比較可能な組合で比較するとマイナス2,423円・0.02ケ月減となっています。一方、加重平均額(組合員一人あたりの平均)は627,892円で、昨年同期比(611,674円)では16,218円増、一昨年同期比(594,910円)では32,982円増となっています。
現時点での結果は、確かにリーマンショック以前の水準(2008年同期:単純平均782,945円・2.23ヵ月+@、加重平均935,666円)には至っていませんが、加重平均額は年々回復しています。
さらに注目すべきことに、前年実績以上を獲得した組織は77組合・29.4%と、2011年同期より8組合、2010年同期より12組合増加しています。このうち49組合では10,000円以上の増額をかちとっています。
前年比較可能な組合で前年実績を上回ったのは、産業別でみると、鉱業・建設(36,408円増)、運輸・通信(9,627円増)、卸売・小売(10,180円増)、金融・保険(25,674円増)です。
単産別では、20単産部会のうち単純平均金額で前年比プラスが12、マイナスが8となっています。単純平均月数では、建交労・鉄道、通信労組、全倉運、外銀連、民放労連、出版労連、映演労連、地方マスコミで平均2ヵ月以上の回答を引き出し、全体を牽引しています。民放労連、出版労連では4ヵ月以上の回答を得た組合もあります。
100万円以上の回答を引き出したのは出版労連、民放労連を中心に17組合で、うち9組合が150万円以上を引き出しています。
初回回答から上積みを獲得したのは53組合・20.2%となっており、2011年同期(34組合・15.7%)、2010年同期(48組合・17.7%)を大幅に上回っています。他方で、日本医労連の第5次を筆頭に、粘り強い上積み回答を迫っている組合もあります。
非正規労働者の一時金獲得前進!
パートの一時金は、これまで5単産80組合が獲得し、単純平均で79,989円・0.73ヵ月となっています。前年実績(70,168円・0.69ヵ月)から、プラス9,821円・0.04ヵ月増、と大幅に前進しています。特に日本医労連での獲得組合数が増えています。
臨時・嘱託職員等でも、34組合が一時金を獲得。全農協労連、JMIU,生協労連、全印総連、出版労連では契約や有期で働く仲間の一時金も獲得しています。
春闘における賃上げ獲得のたたかいと同様に、景気の先行き不透明感などから厳しいたたかいが強いられていますが、賃上げ闘争で厳しい妥結を強いられた組合においても、攻勢的な交渉が行なわれていることがうかがえます。また、均等待遇の実現を掲げたとりくみにより、非正規労働者の一時金獲得が大きく前進しています。
<参考> 他団体の賃上げ集計結果
●連合の夏季一時金第6回回答集計(6/1現在)は以下のとおりです。
金額(円)
集計組合
|
加重平均
|
単純平均
|
組合数
|
人数(万)
|
2012年
|
昨年
|
2012年
|
昨年
|
1,283
|
88.9
|
651,855
|
673,305
|
499,809
|
504,318
|
月数(ヵ月)
集計組合
|
加重平均
|
単純平均
|
組合数
|
人数(万)
|
2012年
|
昨年
|
2012年
|
昨年
|
1,937
|
144.5
|
2.10
|
2.12
|
1.99
|
1.98
|
●日本経団連の夏季一時金妥結集計(大手企業=5/31現在)は以下のとおりです。
集計対象
|
集計
企業
|
加重平均
|
単純平均
|
金額
|
昨年
|
金額
|
昨年
|
大手企業
|
80社
|
772,780 |
801,160 |
686,605 |
696,790 |
※集計対象は東証一部上場、従業員500人以上の企業