2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第42号 2012年7月9日

2012年春闘・第7回賃上げ集計

単最終平均5,235円 1.81%

パート等賃上げ平均14.5円

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は6日、2012春闘における最終集計となる第7回賃金改定集計を行いました。登録795組合中、有額回答を引き出した378組合の賃上げ状況は、単純平均で5,235円・1.81%、加重平均で5,448円・1.86%となりました。非正規労働者の賃上げは242組合からの報告で平均14.5円・1.16%を勝ち取っています。

第7回最終集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>
2012年 2011年 2010年
登録組合数 795 807 776
回答組合数 378(47.6%) 375(46.5%) 377(48.6%)
うち上積み獲得 93(24.6%) 85(22.7%) 99(26.3%)
うち前年実績以上 191(50.5%) 201(53.6%) 187(49.6%)
うち妥結組合数 300(79.4%) 252(67.2%) 244(64.7%)

<回答内容>
集計方法&対象 2012年 2011年 (前年比) 2010年
単純平均 額(円) 5,235  5,389  −154  5,205 
率(%)  1.81   1.83  −0.02  1.74 
加重平均 額(円) 5,448  5,610  −162  5,771 
率(%) 1.86  1.87  −0.01  1.89 
組合員数(人) 89,958  89,680  94,693 
*額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。

<集計結果の概要>

回答引出し例年並みで推移

 最終集計には、別表の23単産部会から報告が寄せられました。登録795組合のうち、これまでに有額回答を引き出したのは378組合(47.6%)となり、2011年同期(46.5%)、2010年同期(48.6%)とほぼ同水準となっています。「ベアゼロ」「定昇のみ」や「規定に基づく」など文字による賃上げ回答が102組合に見られ、計480組合の実質的な回答引出し率は60.4%となっています。なお、その他、定昇凍結3組合、「ゼロ回答など」が35組合、賃下げ回答が1組合報告されています。前回調査で「賃上げ凍結」提案を出されていた全印総連の職場では、金額提示を引き出しました。

半数以上の組合で前年実績以上を勝ち取る

 賃上げ回答の水準は、単純平均(一組合あたりの平均)で5,235円・1.81%、加重平均(組合員一人あたりの平均)で5,448円・1.86%です。昨年同期と比べると、単純平均でマイナス154円・0.02ポイント減、加重平均でもマイナス162円・0.01ポイント減と残念ながら下回りました。2010年同期比では単純平均はプラス30円・0.07ポイント増、加重平均ではマイナス323円・0.03ポイント減となっています。
 とはいえ、前年実績を上回る金額を勝ち取った組合は144組合(2011年同期153組合、2010年同期150組合)、前年同額が47組合(同48組合・同37組合)あります。
 回答額の上位をみると、JMIUの組合が22,678円で最高額、ついで出版労連(12)、JMIU(5)、民放労連(2)、全農協労連(1)、建設関連労連(1)、映演労連(1)、日本医労連(1)の計23組合(同23組合・同15組合)で、1万円以上の賃上げを勝ち取りました。
 一方、率回答の上位は、JMIUの組合が7.3%を引き出したほか、JMIU(5)、映演労連(3)、出版労連(3)、民放労連(2)、全農協労連(1)、建設関連労連(1)の計15組合で3.0%以上の賃上げ率を引き出しています。

 賃上げ回答の推移をみると、前回調査(5月31日時点)から単純平均でマイナス46円・0.01ポイント増、加重平均でプラス32円・0.03ポイント増となっています。
 上積み回答の取り組み結果は、JMIU、映演労連の2組合が第5次まで回答を引き出したほか、JMIU(5)、日本医労連(2)、化学一般労連(1)、映演労連(1)、地方マスコミ(1)が第4次回答まで引き出しています。数次にわたる粘り強い交渉により上積み回答を引出した組合は、前回調査から7組合増え、16単産部会93組合・24.6%となりました。

解決すすむ

 妥結組合は前回調査192組合(妥結率56.1%)から300組合(同79.4%)となり、昨年同期(67.2%)、一昨年同期(64.7%)より10ポイント以上増加しています。今春闘では第1回集計時から早期解決をはかる傾向がつづいています。
 解決が進んでいるのはJMIU・化学・繊維などの製造業と鉄道・検数・倉庫などの運輸・通信業、出版・映画・印刷などのマスコミ関係、日本医労連などです。一方、未解決の組合は、鉱業・建設業、金融・保険、卸売・小売などで、夏季一時金とセットでの交渉が行なわれています。妥結組合の回答結果は、単純平均で5,349円・1.82%(昨年同期比マイナス337円・0.07ポイント減、一昨年同期比プラス84円・0.1ポイント増)、加重平均で5,342円・1.78%(同マイナス356円・0.03ポイント減、同マイナス209円・0.01ポイント減)となっています。

単産部会別・規模別の傾向

 単純平均金額で前年同期比プラスとなった単産部会は9、マイナスは14です。プラスとなった単産部会は、建交労・製造(2011年同期比2,488 円増)民放労連(同1,244円増)、合同繊維労組(同654円増)、全印総連(同635円増)などで、2010年同期と比べ(比較対象は22組織)、プラスとなったのは建交労・建設、JMIU、合同繊維労組、建交労・製造、検数労連、全倉運、全印総連、民放労連、出版労連の9単産部会、マイナスとなったのは13単産部会となっています。
 規模別では、100人以上の組合で、昨年、一昨年と比べ厳しい回答状況となっていますが、単純平均で「29人以下」の組合が2010年同期比111円増、「30〜99人」の組合が2011年同期比290円増(前回集計時251円増)、10年同期比559円増(同467円増)と昨年同様、中小規模の組合での奮闘が伺える状況となっています。

パート賃上げ平均14.5円 企業内最賃も大幅前進

 パート・アルバイト等の賃上げを獲得した組合は、新たに22組合(建交労・2、JMIU・13、自交総連・1、生協労連・5、日本医労連・1)から報告が寄せられ、11単産242組合となりました。
 金額報告のあった152組合の時間額の引上げは、建交労・55.2円、自交総連・50.0円、日本医労連・25.8円、福祉保育労・20.0円など、単純平均で14.5円となりました。この結果は、2011年(9.5円)を大幅に上回り、2010年(14.6円)とほぼ同水準となりました。
 引き上げ率では、76組合から報告が寄せられ、単純平均1.16%と前回調査(1.14%)からプラス0.02ポイントとなりました。2010年同期の1.43%には及びませんが、2011年同期の0.47%から大幅に引き上げており、今春闘での均等待遇要求が前進していることが伺えます。
 企業内最低賃金の改定は、新たに48組合(建交労・14、JMIU・9、化学一般・1、全印総連・1、日本医労連・23)から報告が寄せられ8単産147組合となりました。
 建交労・18歳最賃が14組合平均で175,450円、日本医労連・誰でも最賃が21組合平均で153,610円など、トラック最賃や看護師も加えた全体の単純平均で月額175,761円、時間額1,134円(月155時間換算)となっています。
 引き上げ額は月額平均1,113円、引き上げ率では0.68%となっており、2011年同期(月額平均900円・0.56%)、2010年同期(月額平均301円・0.23%)から大幅に前進しています。

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