【将来に希望が持てる目安を出せ!】
日本青年館前には、生協労連の仲間が鹿児島から3人参加するなど、12組織25人の仲間が集結しました。
全労連・全国一般の林書記長は、「デフレからの脱却、地域格差をなくすためにも、中小企業の支援をしながら、全国一律最低賃金1,000円以上にしなければならない。また、労働時間などその算定基準に極めて問題がある」と訴えました。
非正規労働者が増え、雇用問題も深刻化している青年層を代表して発言した全労連青年部の佐藤書記次長は、「人間らしく働き続ける賃金を確保するためには、最低賃金を引き上げることが第一歩」と述べ、昨年、震災を理由にした派遣切りとたたかったソニー仙台の仲間が語った「低賃金で働いて、ろくな貯蓄も出来ず、震災を理由に首を切られた。クリスマスに娘にプレゼントを買って上げることも出来ない」という切実な言葉を紹介し、「青年が将来に希望が持てるようにするには、まずは最低賃金を大幅に引き上げるべきである。委員のみなさんは、青年の声を聞くべきだ」と思いをぶつけました。
生協労連の桑田委員長は、冒頭に、生協やスーパー、コンビニなどでは7~8割がパートなどの非正規労働者となっており、その採用時給が地域の最低賃金に張り付いている現状を語り、「東北6県の仲間が、採用チラシや広告を集め、調査した結果では、大手量販店や大型スーパーでは最賃ギリギリの600円台、地元商店や地域密着のスーパーでは700円台であった。昨年は、地元中小企業に配慮して1円の引き上げに止めたというが、それを利用しているのは大企業だ」と被災地での実態を、怒りをこめて告発しました。
鹿児島から参加した生協労連の福丸さんは、「私たちの思いを受けとめて審議がされているか、確認するために九州からやって来た」と、この委員会での目安が全国に及ぼす影響を訴え、「鹿児島では東京などの都市部に比べ、交通費などがかかる。最低限の生活をするのに必要な金額は、地方も都市部もほとんど変わらない」と全国一律最低賃金制が、最低生計費調査による科学的根拠に基づくものであることを語りました。
東京春闘共闘・柴田事務局次長は、「東京での地域最賃を審議する専門部会での委員の選出に偏りがある。公平な選出を訴えているが、実現していない。東京の最賃は837円だが、フルで働いても12~13万円にしかならない。手取りでは10万円ぐらいである。これではとても生活できない。時間額の設定と併せて、世界の常識となっている月額での設定をするべきだ」と首都・東京でのアンケート調査結果も交えながら訴えました。
自治労連の熊谷賃金権利局長は、「公務の職場にも最賃に近い賃金で働いている人がいる。生活保護に関する仕事をしながら、自分も生活保護を受けなければならない状況になっている人もいる」と半数近くが非正規労働者となり、矛盾が生じている役所の実態を語り「将来を見据えて、地域経済が回るように最賃の大幅に引き上げを」と述べました。
神奈川労連の岩森さんは、最賃裁判の原告です。「今の最賃では働いても、ただ食べるだけ、生きているだけ、将来の展望を見いだせない。私たちをモノのように扱う国のやり方は許せない」と裁判をたたかう仲間の思いを訴えました。
全労連・全国一般東京地本の室井委員長は、「日本の最低賃金も生計費など、ILO(国際労働機関)の定める決定基準に従うべきだ。ヨーロッパでは全労働者の平均賃金の5割ほどの国がほとんどで、それを6割にまで引き上げようとしている。日本では4割に満たない状態だ」と日本の最低賃金が、国際的に見ておかしな状況にあることを告発しました。
宣伝に先駆けて、全国の仲間から寄せられた50,937人分の個人署名と905の団体署名を、午前中には建交労、自交総連、生協労連、全印総連、郵政産業労働者ユニオン、大阪自治労連婦人部・母性保護講師団、全労連・パート臨時労組連絡会の7団体が、目安審議に関わる「意見書」を提出しました。
【中央の最賃行動・予定】
※7月26日(木)13:00〜 第37回中央最低賃金審議会・傍聴行動