第51号 2012年8月7日
実支給額による比較を行え!!
高齢者の給与抑制反対
8日に示される予定の人事院勧告にむけて、公務労組連絡会・全労連公務部会は、1日につづき3日、6日に、退職手当の大幅削減や高齢者の給与抑制に反対し、給与回復勧告をもとめ、人事院前要求行動を実施しました。3日には、昼休み集会後、総務省前に場所を移し、座り込み行動・個人請願を行いました。行動には、2日間でのべ500人近い公務・民間の仲間が全国から参加しました。
人事院は回復勧告を
人事院前要求行動 2日目 人事院は実態を見ろ!
2日目となる3日の昼休み集会には、260人の仲間が集結しました。照りつける太陽と参加者の怒りで熱気に包まれながら人事院前要求行動が始まり、主催者を代表してあいさつに立った全労連公務部会・宮垣忠代表委員(国公労連委員長)は、「人事院は最終的な事を言う段階ではないなどと曖昧な回答に終始している」など午前中におこなわれた人事院交渉の状況にもふれ報告を行いました。
激励のあいさつにかけつけた、全労連・小田川義和事務局長は、「国家公務員総人件費20%削減の政権公約のもとで定員を切り刻み、賃金抑制が行われている。内閣不信任案提出が合意される見込みとなっており、一刻も早く解散総選挙を行い悪政からの転換を求める。公務員バッシングを進めれば進めるほど、公務員の質は劣化の一途をたどる」と指摘し、一日も早く公務員の労働基本権を回復することを強調しました。民間単産を代表して、連帯のあいさつを行った生協労連の鈴木蔵人書記長は、非正規労働者の賃金改善のたたかいにふれながら、「公務員賃下げ違憲訴訟での国交労連・宮垣委員長の意見陳述は全くもってその通りだ」と『違憲訴訟』勝利にむけても連帯してたたかう決意をのべ、「全労連定期大会で確認された『憲法を生かし、安心・安全社会』を目指し奮闘して行こう」と訴えました。
つづいて、3人の職場の代表がマイクを握り、「埼玉では、30の全組合中、27組合で賃下げ特例措置は実施するつもりはないという回答を引き出している。『公務員賃下げ特例法はおかしい』と言う首長も出てきている。人事院は民間のリストラ合理化など官民格差の背景をしっかり見ていない」(自治労連埼玉本部・林特別執行委員)、「夏休みだが、現場から退職手当についての質問や不安の声が多く寄せられている。そもそも退職手当の調査は人事院がやるべきだったのか。人事院は回復勧告をするべきだ。官邸前での原発反対行動など悪政に対する総反撃が広がっている。悪政転換へ全力で取り組もう」(長野高教組の細尾副委員長)、「官民での労務管理の違いを認識しながら、人事院自らの調査ではなく労働省の調査による目的外資料を使い、50歳代の賃金抑制を行うなど許せない。その上、若手職員の官民格差改善をしようとしない。また、人事院は超過勤務の改善、非常勤職員の雇用・労働条件の改善など本来の行うべき役割を果たそうとしない」(国公労連・全労働中津川書記次長)と決意表明を行いました。
総務省前座り込み・個人請願行動 退職手当大幅削減許さない!!
要求行動後、総務省前へ移動し、座り込み行動と同時に、「退職手当削減に反対する請願署名」にひとことメッセージを書き込み、個人請願を行いました。3人の係官へそれぞれの実情や思いをもって、退職手当の削減方針を撤回するとともに、労働組合との十分な交渉・協議を行い、公務の役割や働き方にふさわしい制度となるような見直しをおこなうよう要請しました。
座り込み行動ではリレートークが行われ、「大好きな仕事なのに医療現場は毎日が激務、定年まで働き続けられる職場づくりが必要」、「平均3万円の賃金が下がり退職手当は400万円もの減額とは、20年前の若かりし頃賃金の低さに驚いたが、いままた同様なことがおきようとしている」、「生活設計が成り立たない」など全国の仲間が口々に総務省へ向けて訴えました。
民間企業で働く仲間からも「『国家公務員制度改革関連4法案』は争議権の回復がなく、協約締結にも内閣の事前承認が必要など不十分な内容。新規採用抑制も許せない。ともにたたかおう」、「退職手当削減は公務員だけの問題ではない」など激励・連帯の言葉が送られました。
人事院前要求行動 3日目 50歳代の給与抑制は希望をなくす
雨あし強まる中行われた6日の昼休み集会で、主催者を代表してマイクを握った全労連公務部会・宮垣忠代表委員(国公労連委員長)は、今年度の人事院勧告に関する大手マスコミの取り上げ方を痛烈に批判し、「実額による比較をしないとしたら、それは人事院の存在意義を揺るがす問題だ」と強く実支給額での官民比較による回復勧告を訴えました。
激励・連帯のあいさつに立った全労連・全国一般の林博義書記長は「景気回復には内需の拡大が必要であり、内需拡大には賃上げが必要だ。震災の中で国家公務員、自治体労働者が奮闘した。これに報いるためにも人事院にはまともな勧告を求める」と述べ、全国的に署名に取り組む決意を表明し、全労連・井上久事務局次長は、「消費税増税の露払いとして行われている公務員バッシングを打ち破るたたかいを、税と社会保障の一体改悪阻止の運動と連動させて進めて行きましょう」と呼びかけました。
職場からの決意表明では「最低賃金、公契約と併せて8日に向けた人事院勧告に向けたたたかいを進めてきた。なんとしても回復勧告を求める」(神奈川自治労連・蓮池書記長)、「学校現場はベテラン教員が多数となっており、50歳代の給与抑制は大きくやる気をそがれる。若手世代にも影響が出る。教員希望が減少している中、賃金が下がればさらに教員の成り手が少なくなる」(神奈川県立障害児学校教職員組合・村田委員長)、「大手メディアは報道の一体化が進み、クライアントである財界に取り入っている。財界に寄り添う政府にモノが言えない色合いが強まっている。過去の例を見れば、裁判所の職場ではこれから東日本大震災被災地での裁判事件の増加が予想される。今のままでは圧倒的に人も物も足りない。全国の仲間と全力でたたかう」(国公労連・全司法・門田委員長)など訴えました。
本日7日には退職手当大幅削減の閣議決定が目論まれ、8日にも人事院勧告が示される予定となっています。