2012国民春闘共闘情報
全労連HP

第53号 2012年8月9日

2012夏季一時金・第4回最終集計結果

単純平均63.7万円 1.88ヵ月

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は8日、夏季一時金の第4回となる最終集計を行いました。27単産部会548組合から回答があり、その内容は単純平均で約63万7千円・1.88ヵ月、加重平均で約66万3千円となっています。パートの一時金は164組合で獲得し、約6.2万円、0.81ヵ月と前進しています。

夏季一時金第4回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>
2012年 2011年(同期) 2010年(同期)
登録組合数 704 721 687
回答組合数 548(77.8%) 524(72.7%) 549(79.9%)
うち上積み獲得 133(24.3%) 123(23.5%) 133(24.2%)
うち前年実績以上 177(32.3%) 175(33.4%) 156(28.4%)
うち妥結組合数 434(79.2%) 374(71.4%) 405(73.8%)

<回答内容>(月数および金額)
集計方法&対象 2012年 2011年(同期) (前年比) 2010年(同期)
単純平均 月数 1.88  1.89  −0.01  1.87 
額(円)  636,778  635,054  +1,724  602,892 
加重平均 額(円) 662,553  652,372  +10,181  621,975 
組合員数(人) 141,562  137,127 
145,656 
*2012年・11年の単純平均金額は同一組合対比

<集計結果の概要>

早期解決に向け妥結が進む

 第4回集計には、別表の27単産部会から回答が寄せられました。登録704組合での回答引出し状況は548組合・77.8%となり、昨年同期よりもプラス24組合・5.1ポイント増、一昨年同期よりもマイナス1組合・2.1ポイント減となっています。
 なお、回答引出し組合の妥結率は、434組合・79.2%で、前回調査(7月11日時点、319組合・64.8%)から115組合・14.4ポイント増えています。前回調査時には昨年、一昨年同期とほぼ同水準となっていましたが、今回は昨年同期(374組合・71.4%)、一昨年同期(405組合・73.8%)を上回りました。支給日を前後して旺盛な取り組みのもと、早期妥結がはかられたことがうかがえます。

同一組合単純平均・加重平均ともに金額で昨年を上回る

 前年比較可能な組合でみた一時金の単純平均額(一組合あたりの平均)は636,778円・1.88ヵ月となっています。金額回答では前回調査(641,458円)よりプラス4,680円、昨年同期より1,724円上回っています。一方、月数回答では、前回より0.02ヵ月減、昨年同期より0.01ヵ月減となっています。
 加重平均額(組合員一人あたりの平均)は662,553円で前回調査(674,462円)より11,909円減となりましたが、昨年同期比で10,181円増、一昨年同期比でも40,578円増となっており、前回調査と同様に「1000人以上」の大規模組合での回復傾向がうかがえる結果となっています。
 回答引出し組合のうち、数次にわたる上積み回答を引き出したのは前回調査(116組合・23.6%)からプラス17組合・0.7ポイント増の133組合・24.3%となりました。2次回答以上を引き出していた組合でも、この間に日本医労連(2)、全国一般(1)、民放労連(1)の4組合で更なる上積み回答を引き出しています。この状況は昨年同期(123組合・23・5%)より多く、一昨年同期(133組合・24.2%)とほぼ同水準となっています。
 前年実績以上を獲得したのは177組合・32.3%で、昨年同期(175組合・33.4%)とほぼ同水準、一昨年同期(156組合・28.4%)からプラス21組合・3.9ポイント増となっています。JMIU(2)、地方マスコミ(1)の3組合が前年実績から300,000円以上の引き上げを獲得したのをはじめ、27組合が、前年実績から100,000円以上の引き上げを獲得しています。
 高水準の回答引出しをした組合の状況をみると、月数では5.5ヵ月を引き出した民放労連の組合を筆頭に、3.5ヵ月以上の回答を得た組合は13組合。金額では100万円以上の回答を引き出したのは25組合で、うち150万円以上を引き出したのは9組合となっています。
 産業別でみると、同一組合での単純平均金額前年実績比は、昨年押さえ込まれていた鉱業・建設業で6.2%、製造業で3.2%の引き上げを獲得しているのをはじめ、地方登録、運輸・通信業、金融・保険業、サービス業で前年実績からプラス回答を勝ち取っています。一方、内需中心型の卸売・小売業、マスコミ関係は昨年に比べ厳しい状況が続いています。単純平均月数で2ヵ月以上の回答を引き出しているのは、金融・保険、マスコミ関係、地方登録となっています。
 農林水産業は押さえ込まれた前年とほぼ同水準で、震災からの回復基調には乗れていない様子がうかがえます。一方、鉱業・建設業、製造業はリーマンショック前の水準にまでは達していませんが、震災復興を中心とした事業回復の流れの影響も受け、上向いています。運輸・通信業もほぼ例年並み。卸売・小売業は平均月数をみると、下がり続けていた流れから脱しつつあるようにみえます。金融・保険業は依然高水準で推移をしています。マスコミ関係業では、デジタル化の影響もあり、印刷関係で厳しいたたかいが強いられていますが、全体としては、微減傾向を一定押し留めていることがうかがえます。サービス業、特殊法人では、ほぼ前年実績を確保した状況です。地方では地方マスコミが高率を維持していますが、その他の産業で厳しい状況がうかがえます。
 単産部会別では、単純平均金額で比較可能な22単産部会のうち、映演労連が前年実績比プラスとなり、プラスが16、マイナスが6となっています。単純平均月数では24単産部会中、プラスが14、同月が1、マイナスが9となっています。
 単純平均金額・月数・加重平均の全てで全体平均以上を獲得しているのは、建交労・鉄道、通信労組、民放労連、出版労連、映演労連、地方マスコミの6単産部会となっています。
 規模別では、「29人以下」「300人〜999人」「1000人以上」の組合が単純平均で前年実績を上回り、「1000人以上」の組合が単純平均で前年比2.71%の引き上げ率、加重平均で721,949円と全体を押し上げています。

パートの一時金 0.81ヵ月に

 パートの一時金を獲得した組織は、全農協労連、JMIU,生協労連、全国一般、全印総連、日本医労連の6単産164組合となり、前回調査(6単産109組合)から45組合増えています。昨年同期(6単産118組合)、一昨年同期(7単産131組合)からも大幅増となっており、今春闘と同様、均等待遇を強く訴えた成果を示す結果となっています。
 単純平均月数では、報告のあった139組合平均で0.81ヵ月となり、前回調査(0.74ヵ月)から0.09ヵ月増となりました。同一組合前年実績(0.78ヵ月)比でも0.03ヵ月増となっています。
 臨時・嘱託職員等でも61組合が一時金を獲得し、契約や有期で働く仲間の一時金も10組合で獲得しています。

<参考>

他団体の賃上げ集計結果

●連合の夏季一時金第7回回答集計(7/4・最終)は以下のとおりです。

金額(円)
集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 2012年 昨年 2012年 昨年
2,110 116.4 634,454 653,175 475,252 473,377

月数(ヵ月)
集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 2012年 昨年 2012年 昨年
2,918 179.6 2.08 2.11 1.90 1.88

●日本経団連の夏季一時金妥結集計(大手企業=7/26・最終)は以下のとおりです。
集計対象 集計
企業
加重平均 単純平均
金額 昨年 金額 昨年
大手企業 160社 771,040 791,106 703,580 718,696
※集計対象は東証一部上場、従業員500人以上の企業

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