2013国民春闘共闘情報
全労連HP

2013国民春闘方針

2013年1月16日
国民春闘共闘委員会

【春闘スローガン】

変えよう 職場・地域と政治、 勝ちとろう 賃金・雇用・くらしの改善

はじめに(2013年春闘の焦点と基本の構え)

(1)経済、財政の危機的状況が続き、政治的にも激しい変化の中にある2013年春闘は、労働者・国民のくらし、権利、いのちを守る要求にもとづく共同のたたかいをさらに強める。
 特に、犠牲と痛みを労働者・国民に押しつけ、一握りの投資家や大企業の利益擁護を優先する政府・財界への反撃の共同を拡げ、社会的な運動を背景に職場の取り組みを強める。
 日米安保体制を深化させ、アメリカの戦争に自衛隊が参加することに道を開く改憲や日本の軍事大国化をめざす動きへの危機感を共有し、憲法擁護の共闘を前進させる。
 焦眉の課題である東日本大震災からの早期復興、被災者の早期生活再建と、原発ゼロの日本をめざす共同の取り組みを継続、発展させる。

(2)職場と地域の双方で、運動を飛躍的に強化し、要求と運動の多数派となることをめざす。目に見え、音が聞こえる行動を具体化し、「50万人総行動」などの集中点を作り出すことに挑戦する。
 賃金、労働条件改善、雇用の安定と社会保障拡充要求の前進・実現を運用と制度改善の両面から追求し、くらしと働き方の水準底上げ、改善をめざす。
 大企業中心、経済効率重視の社会から安全・安心な社会への転換をめざす国民共同の前進に積極的な役割を発揮し、単産と春闘共闘の影響力拡大を追求する。

(3)2013年春闘では、労働者をとりまく情勢の内、次の3点を焦点に取り組みを具体化する。
 第1に、欧州の財政危機が日本にも波及し、リストラ合理化を繰り返す大企業の経営失敗もあって、国内の中小零細企業の経営が圧迫され、雇用にも悪影響が出はじめている。加えて、日本の尖閣列島国有化を契機とした中国との摩擦、金融円滑化法期限切れを前にした金融機関主導の企業淘汰などが国内経済の不安定要因となり、これらを口実にした財界、大企業の攻撃が激化している。
 今の財界の攻撃の特徴は、原発輸出にも象徴されるような、なりふり構わぬ外需依存を維持、強化し、個別企業の生き残りを最重視していることにある。そのために、国際競争力のある成長分野に投資を集中させ、国内での生産体制、サプライチェーンの見直し(リストラ)と海外への生産拠点移転を同時に進め、法人税減税や規制緩和、社会保障改悪など企業のコスト削減となる施策の追加実施を求めて政府への圧力を強めている。
 国民には自己責任を迫りながら、企業への手厚い保護を求めるという身勝手さを財界・大企業は隠そうともしていない。このことに目を向け、財界・大企業の横暴批判と、反撃を強める。

(4)第2に、政治は、財界・大企業の身勝手な要求、圧力に屈し、原発政策や税政策にも象徴されるように、成長戦略と多国籍大企業の儲けの場の確保を重視する政策決定を繰り返している。
 また、尖閣列島問題などを最大限利用し、日米安保体制の再強化と日本自体の軍事大国化をめざす勢力の勢いが強まっているとも軽視できない。
 国民要求との矛盾が深まる政治状況のもとで、国民世論を軽視した「決断できる政治」、強権的手法による閉塞感打破を掲げた右傾化を競いあう事態も急速に進行している。
 労働者の要求前進を妨げ、痛みと我慢を強いる政治が強まっている状況をふまえて、くらし、いのち、平和を守る取り組みでの共同を前進させる。

(5)第3に、電機、自動車、電力などの大企業労組は、労働者や地域の中小零細企業に経済危機の犠牲を転嫁する大企業経営への抵抗を弱める方向にある。連合は消費税増税や社会保障改悪に賛成するなど、労働者・国民要求との乖離を広げている。年末の東京都知事選挙では、連合東京が、石原後継の候補を支持するところまでの変化が起きた。
 世界的に景気後退が長期化するもと、先進国では緊縮財政への反撃の先頭に労働組合がたっているが、日本のたたかいの現状はそのレベルに達していない。背景に、企業内労働組合主義の弱点があることを確認し、たたかう労働組合としての社会運動での役割を積極的に果たす春闘に取り組む。

I 労働者をとりまく情勢

1、世界各地で、労働者の反撃が強まっている

 10月に東京で開かれたIMF総会でも世界的な経済停滞の状況が確認され、その背景にある一部の富裕層の「金あまり状況」や、緊縮財政と増税による国民への犠牲転嫁への懸念は表明されたものの、有効な対処策は打ち出されなかった。戦後世界経済をリードしたブレトンウッズ体制の限界が表れている。
 貧困と格差の拡大など、マネーゲームの失敗が労働者・市民にしわ寄せされる状況に、ギリシャでの連続したゼネスト、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリスでの抗議デモ、インドネシアでの200万人規模のゼネストなど、世界各地で労働者と市民が共同したたたかいが相次いでいる。特にEU諸国では、ヨーロッパ労連が呼びかけて、連鎖的な大規模行動が繰り返されている。
 このような中、アメリカやフランスでは富裕層への増税が実施され、先進国では雇用政策強化への政策変更が模索されはじめている。

2、国内でも、いのち、くらし守れの要求と運動は確実に広がっている

 8月に、「社会保障・税一体改革法案」が強行成立させられた後も増税反対が過半数を占め、年末の総選挙でも争点となった。また、増税前提の財政再建を口実にした生活保護基準引き下げや年金給付額の削減、公務員労働者の賃金引き下げや人員削減などへの反撃も広がっている。増税、社会保障改悪反対のたたかいは、くらし守れの国民的運動の中心課題になっている。
 福島原発事故の収束のめども立たないうちに新たな原発の建設を再開する動きが強まるもと、即時原発ゼロを求める世論と運動は、毎週金曜日の官邸前行動を中心に全国的な運動となり、総選挙でも最重点課題になった。9月に発足した原子力規制委員会は、そのような国民の世論と運動もあって、日本原電敦賀原発2号機が活断層上にあることを認定して再稼働を認めない姿勢を取り始めるなど、原発利益共同体での変化も見え始めた。
 その一方で、政府に対する財界やアメリカの圧力や原発推進勢力のまきかえしが一気に強まり、国民運動との激しいせめぎ合いの状況が続いている。
 東日本大震災復興予算が産業空洞化対策などの口実で大企業支援に回され、防災名目で公共投資の全国的なバラマキが行われることなどが、震災復興を遅らせる一因になっている。11月末時点で、なお32.5万人が避難生活を強いられ、9月末時点で2300人をこえる震災関連死が把握されているように、復興の遅れが被災者のいのちを危険にさらすという深刻な問題を引き起こしている。
 復興や減災口実の予算バラマキをやめさせ、被災地、被災者本位の復興を求める運動を春闘期にも強める必要がある。
 TPP参加をめぐるせめぎ合いも激しくなっている。日本政府は、総選挙前にも交渉参加を表明する動きを見せたが、くらし、雇用、地域経済を守る共同の運動で断念させた。TPP交渉は大詰めの段階を迎えており、二期目に入るアメリカ・オバマ政権の圧力もあって日本の参加表明を求める動きは春の段階で強まることが懸念され、共同の強化、拡大が求められる状況にある。

3、厳しい情勢のもとでもねばり強くたたかって成果を勝ちとっている。

 11年に及ぶたたかいで、NTTに50歳選択定年制を廃止させた通信労組や、8年間のたたかいで組合員43人全員の正社員化を勝ちとったJMIU・光洋シーリングテクノ関連支部の成果など、たたかう労働組合ならではの成果も勝ちとっている。
 新しい労働組合の結成、加入が各地から報告され、解雇争議などの勝利的解決も少なからず勝ちとっている。
 毎週金曜日の官邸前行動に呼応した各県での行動を全労連・国民春闘共闘加盟組織が支え、「原発ゼロ京都ネット」の結成や、「さよなら原発北海道1万人集会」は広範な共同で1万2,000人が参加して成功するなど運動の継続と発展も確認できる状況にある。
 これらのたたかいの成果、到達点をさらに発展させる構えで、'13春闘に取り組むことが求められる。

4、総選挙も契機に、改憲と新自由主義構造改革の動きが急加速している

 12の政党が乱立した総選挙は、「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざすための大胆な規制緩和や、集団的自衛権行使を可能とする「国家安全基本法」の制定と自衛隊を国防軍に位置づけると公約した自民党が小選挙区で大勝し、政権に復帰した。小選挙区制度の持つ根本的な矛盾が、国民世論とは乖離した選挙結果となった。
 この総選挙では、集団的自衛権行使など憲法第9条をないがしろにする公約を複数の政党がかかげるなどの改憲策動が一気に強まった。
 また、深刻な雇用問題も争点になったが、最低賃金制度廃止や解雇規制緩和など労働者保護法制の空洞化を主張する政党や賃下げ前提のワークシェアリングを掲げる政党もあるなど、現実の雇用実態に目を向けない「構造改革」の主張が再び強まった。
 日本銀行に紙幣増刷や国債引き受けを迫って公共事業のバラマキを強める一方で、労働者、国民には消費税増税と社会保障改革、雇用の流動化を迫るという矛盾した経済政策は、日本を財政破たんの崖に追い詰めることが必至である。経済、財政の破たんを軍事的緊張を高めることで乗り切ろうとする政治の誤りは、20世紀前半の日本が経験したところである。
 労働者・国民には利するところのない悪政を阻止する立場を明確にし、改憲と構造改革に反対する国民的運動の構築に力を寄せる必要性が高まるもとで、2013年春闘を迎える。

5、財界、大企業は雇用破壊、賃金抑制の動きを強めている

 相次ぐリストラ「合理化」でモノづくりの基盤を自ら破壊して競争力を低下させながら、パナソニック、シャープ、ソニーなどの電機大手企業は13万人もの大規模な人減らしを強行するという身勝手な経営を強めている。また、IBMでの「ロックアウト解雇」など、労働者の人格を否定する解雇も起きるなど、雇用への攻撃が強まっている。
 これらのこともあって、9月、10月は連続して有効求人倍率が前月比でマイナスとなり、完全失業者も4.2%・273万人と高止まりしている。雇用状況悪化の影響は、特に若者に強く影響し、2013年3月卒業予定の大学生、高校生の就職内定率は10月末時点で6割台にとどまるなど、厳しさは一向に改善されていない。
 また、2013年3月末に迫った「金融円滑化法」の期限切れが、地場の中小零細企業に与える悪影響への懸念も高まっている。
 2012年7〜9月のGDP(国内総生産)は、国内消費の減少と輸出の停滞が重なり、マイナス0.9%(年率換算マイナス3.5%)と大きく後退した。多国籍大企業の身勝手な生産拠点の海外移転や、原発依存に偏重したエネルギー政策の失敗がこの結果に反映しているが、その痛みを国内の下請け企業や労働者に転嫁する動きを大企業は強めている。経団連の調査(2012年6〜8月)では、会員企業の役員調査で、定期昇給を見直して査定昇給を強めるとの回答が6割弱にのぼり、一段の賃金個別化による賃金抑制の動きも強まっている。
 なお、11月30日に経団連が公表した2012年春闘期の調査結果では、昇給制度のある会員企業のすべてが昇給を実施していることも明らかになっている。

6、貧困と格差が深刻化し、賃金低下を止める「産・地一体の運動」が重要になっている

 2000年代末の日本のジニ係数は0.329で、OECD34カ国中11位と格差の大きい社会である。90年代以降一貫して相対的貧困率が上昇し続け、年収200万円以下のワーキングプア層も増加し続けている。このことが、労働者を含む「その他世帯」の生活保護受給数が2010年からの2年間だけで6万世帯増加していることに反映している。
 一方で、「100万ドル以上の投資可能資産を有する富裕層」がアメリカに次ぐ182万人(2011年)となり、大企業への富の集中(資本金10億円以上企業のみで内部留保267兆円)とあわせ、富の偏在が進んでいる。その原因は、税、社会保障制度による「富の垂直的な再配分機能」の低下や、非正規労働者増に象徴される雇用の流動化と連年の賃金抑制、引き下げにある。
 このような状態が顕在化している時に、逆進性の強い消費税を増税し、最低生活保障の基準である生活保護基準を引き下げる施策の弊害は明らかである。
 2012年の地域別最低賃金では地域間格差がさらに拡大する結果となった。最高額の850円(東京)と最低額652円(島根、高知)には198円(23%)もの格差が生じていることは見すごせない。このような地域間格差の拡大は産業間の賃金格差にも反映し、あるいは公務員賃金への攻撃の口実にもなっている。
 地域に基盤をおいた格差是正の取り組みを産別・地域一体で強化する必要がある。

7、労働時間短縮や改正労働法の改善部分をいかす職場のたたかい強化も求められる

 人員不足の深刻さが指摘される病院の勤務医を対象にした調査で、週当たりの全労働時間「60時間以上」の割合が40.0%を占めるように、多くの産業、職種では長時間過密労働の実態改善が進んでいない。そのこともあり、2011年度に精神障害の労災を請求した件数は1272件で、前年比8%増と増加傾向が続いている。
 2011年度に全国の労働基準監督署が是正を指導した不払い残業(1企業100万円以上)は、1312企業(前年比74企業増)、145億9957万円(前年比22億7599万円増)で、違法な不払い残業も是正方向にはない。
 10月には「改正」労働者派遣法が施行され、労働契約法「改正」(有期契約)に関わる政省令も公布された。11月には、「改正」高齢者雇用安定法の省令・指針が公布されている。これらも受けて、企業による制度の悪用を許さず、前進部分を活用した労働条件改善、安定雇用確保につなげる職場の取り組みが求められる。なお、NTTは、65歳までの継続雇用のための人件費を確保する目的で、40歳代、50歳代の賃金抑制をおこなう賃金制度改悪を2013年10月から実施するとしている。経団連も同様の方針を示しており、高齢者雇用継続を口実にした総人件費抑制攻撃への反撃も求められる。
 同時に、通常国会への法案提出がめざされているパート労働法や、10月に改正論議が開始された男女雇用機会均等法の実効性ある改正を実現し、労働者派遣法などの再改正を求める取り組みを進めることも重要な課題となっている。

8、強まる公務員攻撃への反撃が求められる

 秋の臨時国会で、国家公務員の退職手当を400万円も削減する大改悪法案が、衆参両院を1日で通過、成立すると言う異常な事態がおきた。財務省は、総務省を通じて地方公務員の国家公務員並みの給与削減を要請するなど、地方自治への介入を強めている。
総選挙でも、公務員制度改革や公務員人件費削減を競い合う状況や、大阪市での職員基本条例などの成立も受けた政治活動や組合活動の制約を強めようとする政治的な動きが強まっている。
 公務員労働者の労働基本権回復とかかわる公務員制度改革では、アリバイ作りの地方公務員制度改革法案は閣議決定されたものの、衆議院解散と同時に国、地方分ともに廃案となった。
 12月7日に最高裁判所が、国家公務員の政治行為制限違反を一律に罰することを追認した最高裁大法廷判決(猿払事件判決・1974年)を事実上変更する判決を出した。しかし、公務・公務関連の労働者に対する労働条件、権利への攻撃がさらに強まる方向にある。
 同様の事態は、アメリカなどでも起きているが、公務員労働者への攻撃に続いて労働者全体の権利抑制等が行われている状況にあることに留意した共同の取り組みが求められている。

II 重点とする課題と取り組み

1、解雇、失業に反対し、雇用の安定をめざして取り組む

(1)実効あるパート労働法改正をめざし、署名、国会議員要請、関係団体要請行動などを具体化する。男女雇用機会均等法改正にむけ、政府追求、国会行動などを強める。
(2)労働契約法(有期雇用)、高齢者雇用安定法(60歳代雇用継続)の悪用を許さず、要求前進をめざした協約締結運動を職場から強化する。
 「改正」法をはじめ労働法制の学習の場の設定を呼びかけ、「労働条件チェック」運動など組合員参加の取り組みを強める。
(3)電機などでのリストラ「合理化」や、製造拠点の海外移転に反対する地域での取り組みを全国的に展開する。
 ハローワーク前アンケートなど、失業者・求職者の要求確認の取り組みを引き続き行う。
(4)公契約適正化運動とも結んだ公務関連職場での雇止め阻止(雇用承継)、適正労働条件確保の取り組みを関係単産の協力を得て進める。
 2月に予定する地域総行動で、自治体、行政機関への要請行動が取り組めるよう準備を進める。
(5)派遣法、労働契約法再改正も視野において、「直接・無期雇用が当たり前=若者にまともな雇用を」キャンペーンを2月段階に全国で取り組む。
 青年労働者への働きかけも含めた全国的な集中宣伝や青年の就職相談110番の実施(2月17日を予定)、ホームページの活用などを検討する。

2、賃金の改善、底上げ、格差是正を求めて取り組む

(1)アンケートもふまえた「統一賃上げ要求目標(誰でも時給100円以上、月例給1万円以上の賃金改善)」と「最低賃金改善要求目標(月額16万円以上、日額7500円以上、時間額1000円以上)」を確認し、産別統一要求に反映させ、要求実現に全体で取り組む。
 2月中の要求確認と提出、ストライキをはじめとする実力行使体制を確立して、3月中旬(13日を想定)の集中回答日に向けた交渉を積み上げる。
 3月5日に集中回答日に向けたたたかいを意思統一する中央行動を配置する。
(2)ストライキ激励行動や、要求実現をめざす全組合員行動、地域での集会・デモなどを集中回答日と翌日に配置する。
 ストライキなど実力行使体制確立の課題に「消費税増税中止、社会保障改悪反対などの『くらしを守る要求』」を含めることを呼びかけ、両日あわせて「50万人規模の行動(くらしを守る総行動)」を組織して世論に訴え、経営、当局を包囲する。
(3)「50万人総行動」の成功をめざすためにも、地域での事前の春闘交流会、討論集会の開催を単産の協力を得て具体化し、全国的な開催をめざす。
(4)全国一律最低賃金時給1,000円以上への着実な接近をめざして取り組みを強める。
 C・Dランク地方でのたたかいを強め、最低賃金の底上げをめざす。生活保護との乖離の即時是正、「生活保護以下の最賃なくせ」の取り組みを強める。
 主体的な最賃闘争の強化とあわせ、時給1,000円実現も含めた中小企業対策拡充の共同を追求するため、単産、地方での中小企業訪問活動などの具体化を呼びかける。「地域活性化ポテッカー」の活用を呼びかける。
 最低賃金審議会委員の公正任命を求め、候補者擁立を呼びかけて「推薦署名」などに取り組む。
 最低賃金改善ともかかわって、生活保護改悪に反対する取り組みを進める。
(5)企業内最低賃金協約運動を強化し、生計費原則の賃金、均等待遇の実現をめざす。
 最低生活費調査をもとにした「年齢別最低生計費試算」による年齢別要求(経験年数抜きの年齢別最低生活費=だれでも35歳35万円以上の要求)の討議を呼びかける。
(6)公契約条例制定運動を全国的に前進させる。重点地域を設け、単産・地方一体の運動で具体化をめざす。また、被災地域でのガレキ処理や除染とかかわって、多重下請けのもとでの「中抜き」が横行している状況もふまえ、公契約適正化の法整備を求める国会請願署名の具体化を検討する。
(7)公務員労働者の労働基本権や政治活動の自由の制約を強める条例制定に反対して取り組む。
 公務員労働者の権利回復に向けた制度改正の取り組みを継続する。

3、労働時間改善など良質な雇用確保をめざして取り組む

(1)労働時間短縮運動を強化する。1日2時間、月24時間、年150時間などの内容での「36協定」締結を追求する。特例条項付き「36協定」の撤廃など、長時間過密労働の是正を求め、制度と運用の双方から取り組みを強める。
 また、不払い残業や労働法制を脱法する企業の姿勢をただし、違法な働かせ方をただす職場の取り組みをさらに強める。
 過労死防止基本法制定をめざす取り組みへの共同を強める。
(2)年次有給休暇取得率、週労働時間60時間以上労働者の解消など、具体的な改善目標を確認した労働時間短縮取り組みを産別主導で強める。
(3)「直接・無期雇用が当たり前=若者にまともな雇用を」キャンペーンとも連携させ、非正規労働者の正規化、人員確保要求を重視した職場の取り組み強化を呼びかける。

4、消費税増税、TPP参加阻止、原発ゼロの日本の実現、社会保障拡充をめざす国民共同などに取り組む

(1)消費税増税、TPP参加阻止、原発ゼロの日本の実現の3課題での署名を国民共同の前進をめざす取り組みとして進める。
 東日本大震災からの早期復興を求める取り組みを継続する。
(2)「3.13重税反対行動」と第1次集中回答日翌日の行動を、「くらしを守る総行動」と位置づけ、国民的な共同も呼びかけて、全国「50万人総行動」に挑戦する。
(3)原発ゼロの世論づくりをさらに進めるため、早期復興の課題とあわせ、3月9日、10日を中心に全国行動(集会、宣伝、デモ)を呼びかける。
 被災地の早期復興をめざす取り組みを、被災地域の組織と共同して具体化する。
(4)生活保護改悪反対、年金支給額切り下げ反対・最低保障年金制度確立を中心に、社会保障改悪反対、拡充の取り組みを具体化する。
 自己責任を強調する社会保障改革推進法の具体化に反対した取り組みを中央社会保障推進協議会と共同して進める。
 教育費無償化など、子どもの貧困対策、教育権保障の拡充を求める取り組みでの共同を強める。
(5)2月8日に「守ろう生活、ふやそう内需」中央行動を配置し、労働者の制度要求、国民課題での要求実現を求めて終日行動に取り組む。
 4月段階での中央行動など、国会状況もふまえた連鎖的な行動に取り組む。

5、改憲策動に反対し、核兵器廃絶、安保破棄をめざして取り組む

(1)沖縄など米軍基地所在県の取り組みと連帯した全国行動を具体化する。
(2)集団的自衛権行使を可能にする改憲に反対し憲法擁護の世論形成に向けた共同を強める。5月〜6月に憲法擁護の集中行動の具体化を呼びかける。
(3)秘密保全法制定反対、比例定数削減反対、「つくる会教科書」採択反対など、民主主義擁護の取り組みを継続、強化する。
(4)民意をゆがめる衆議院小選挙区制度の見直しと一票の格差解消を求める国民的運動づくりに取り組む。

III 節目となる行動・集会の配置

【12月〜1月】
 職場、地域で春闘に向けた要求、たたかいの論議を集中する。新春宣伝行動など'13春闘スタートの行動に取り組む。
 * 1月8日(火)に新春宣伝行動を配置する。
 * 1月16日(水)に単産・地方代表者会議を開催し、春闘方針を確認する。
 * 1月22日(火)に、春闘闘争宣言行動の具体化を検討する。
 * 1月30日(水)に、東京春闘共闘と共催で春闘決起集会に取り組む。

【2月】
 職場での要求確立、闘争体制の確立をはかる。
 自治体、中小企業訪問、宣伝行動などに単産、地方組織が総がかりで取り組む「地域総行動」を展開する。
 国会での予算審議が開始されることから、国民要求、制度課題の前進をめざして中央行動に取り組む。
 * 2月8日(金)に中央行動を配置し、共同の取り組みとして成功をめざす。

【3月】
 集中回答日を設け、その翌日にストライキなどの実力行使体制を構えて回答を迫る交渉を強化する。
 「3.11」大震災からの復興、確定申告闘争とも結合した「消費税増税中止」など、労働者、国民の「くらしを守る要求」の一致点にもとづく共同行動を具体化し、「目に見え音が聞こえる春闘」状況を職場と地域の双方でつくりだす。
 春闘要求への回答、早期決着を迫る行動を継続する。
 * 3月5日(火)に中央行動を配置し、集中回答日に向けたたたかいを意思統一する。
 * 集中回答日は例年通り3月第3週の水曜日(13日)を軸に論議を進める
 * 集中回答日の翌日(3月14日・木)に、ストライキ、職場集会やその支援行動に取り組むとともに、「雇用確保、賃金改善、消費税増税中止」などの春闘要求課題を掲げた宣伝、集会、デモを未加盟組合などにも呼びかけ地域の取り組みとして具体化し、集中させる。
 3月13日(水)の具体化が検討されている「重税反対総行動」と連携した「消費税増税中止、生活守れ」の行動を国民的な取り組みとしての具体化を呼びかけ、両日あわせて「50万人規模」の行動として成功をめざす。

【4月】
 統一行動も配置し、春闘要求への回答引き出し、回答積み上げ、早期決着をめざす。
 国民要求、労働法制関連など制度課題での要求前進をめざした国会行動などに取り組む。
 * 回答引き出し、追い上げの集中日を4月中旬に設定し、力の集中をはかる。
 * 制度課題での中央行動(署名集約と国会要請)を第2週を軸に調整を進める。
 * 4月の1カ月間を消費税増税中止集中行動月間とし、宣伝、要請、署名行動などを全組織が具体化する。

【5月】
 メーデーを成功させる。
 下旬に中央行動を配置し、国会終盤の取り組み(署名提出、議員要請行動)を行う。また、夏季闘争をスタートさせる。

以 上

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