2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第14号 2013年3月6日

賃上げ・雇用確保で景気回復を!

国民春闘勝利3・5中央総行動

 13春闘・集中回答日を間近に控えた5日、全労連・国民春闘共闘は、すべての労働者の大幅賃上げ、安定した雇用の確保、非正規労働者の均等待遇の実現などの要求を掲げ、「13国民春闘勝利3・5中央行動」にとりくみ、全国から3000人が参加しました。日比谷公会堂での「13春闘勝利をめざす労働者総決起集会」を前後して、省庁・経営団体への要請・交渉、意思統一集会、国会議員要請、銀座デモなど、終日にわたり多彩な行動を展開しました。

〜13春闘勝利をめざす労働者総決起集会〜

 12時すぎからは日比谷公会堂で「13春闘勝利をめざす3・5総決起集会」が開かれ、2000人が参加しました。
写真  デキシーユニオンの奏でるジャズの調べで集会が開幕。主催者を代表してあいさつした国民春闘共闘・大黒作治代表幹事(全労連議長)は、「マスコミも賃上げが必要と報道し、経団連への批判も強まっている。267兆円の内部留保をため込む大企業に、社会的責任を果たさせることがどうしても必要だ。私たちの力で賃上げの風をもっと強く吹かそう。国民と力を合わせてねばり強くたたかおう」と呼びかけました。
 連帯あいさつで、JAL支援共闘共同代表でもある全国港湾の糸谷欽一郎委員長は、JALの不当解雇と断固たたかう決意や港湾労働者をとりまく厳しい現状を報告しつつ、「非正規労働者を正規にすることが社会を活性化させる。この集会をきっかけに、働くものの連帯で労働条件を改善しよう」と訴えました。安倍首相がTPP交渉参加をねらうなか、厳冬の北海道から駆けつけた農民連の白石淳一会長は、「TPP参加に踏みだし、暴走をつづける安倍首相に農村では怒りが渦巻いている。日本の国の形を変えるTPP参加を何として阻止するためがんばる。国民的な声で安倍内閣を包囲しよう。春闘勝利へみなさんの積極的なたたかいに期待する」と参加者を激励しました。
 国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が、13春闘をめぐる現状と国民春闘共闘のたたかいについて簡潔に情勢報告をおこない、とりわけ労働者の賃上げを敵視する財界に対して、賃金底上げ、最低賃金改善の要求を高く掲げてたたかう重要性を強調しました。
 決意表明では、5つの単産が登壇。午前中の国土交通省への個人請願を終えて会場に駆けつけた自交総連の高城政利委員長は「最賃以下のタクシー労働者もいるなかで、最賃を1000円に上げることが賃上げにもつながる。本当に賃上げをしたいならば、安倍首相は最低賃金の引き上げを提案すべきだ」と語り、「自交総連からの中央最賃審議委員候補者として奮闘したい」と決意を述べました。
 全教の加門憲文副委員長・日高教委員長は「戦争をする国づくりへ教育分野でも安倍首相は暴走している。青年を『国防軍』の兵士にしてはならない」「4億筆を超える署名を確信に、30人学級の実現へ全力をあげる」と決意を表しました。被災地から参加したいわて生協労連の阿部恵子さんは「岩手県の最賃は全国で2番目に低い。1人ひとりが強い気持ちを持ち、運動をひろげて最低賃金1000円以上を勝ち取ろう」と決意表明。自治労連の山口毅副委員長は「賃上げを財界に要請しながら公務員に賃下げをせまる安倍内閣は『あべこべ内閣』だ。賃上げと正規労働が当たり前の声をひろげるため官民共同で奮闘する」と力を込めました。
写真  日本医労連からは、白衣の看護師のみなさんが「夜勤・交替制勤務の改善を」などの横断幕をかかげて壇上に並ぶなか、全日赤広島の三上文子さんが「准看護師は同じ仕事をしても一番安い賃金になる。働きつづけられるだけの賃上げを勝ち取りたい。看護師になって良かったと思えるような職場にするためがんばる」と力強く決意を述べました。
 最後に国民春闘共闘・大谷充代表幹事(出版労連委員長)が閉会あいさつし、「山のような内部留保をため込んだ大企業は社会的責任を果たせ。アベノミクスは物価だけ上がって生活は苦しくなるだけだ。人間らしく生き働く社会の実現へ大いに奮闘しよう」と呼びかけ、参加者全員で団結ガンバロウを三唱して集会を締めくくりました。

 集会後、銀座パレードに出発し、ノボリ旗や横断幕、プラカードなどをかかげ、「賃上げでこそ景気回復を」「暮らしを壊すTPP参加反対」などとシュプレヒコールをあげて目抜き通りを歩く人たちに要求を訴えました。

〜日本経団連を大包囲〜ムダな抵抗はやめて要求に応えよ!

 銀座パレードを終えた参加者は、大手町の日本経団連ビルに結集し、「ため込んだ内部留保は雇用と賃金に回せ!日本経団連包囲行動」に取り組みました。
写真  主催者あいさつに立った国民春闘共闘の伊藤潤一代表幹事(東京春闘共闘代表委員)は、「公務員の賃下げは、デフレ脱却という安倍内閣の政策と矛盾している。原発推進やTPP参加など財界がねらう攻撃に反対して、国民との共同を地域から強めよう」と、横暴勝手をつづける財界へのたたかいを呼びかけました。
 行動に連帯して駆けつけた全商連の鎌田保副会長は、「働く人の賃金が増えて、正社員が当たり前の社会にすることでデフレを克服できる。消費税ほど不公平な税制はない。消費税増税をやめさせるためみなさんとともにたたかう」と決意をこめてあいさつしました。
 4人の決意表明では、郵政産業ユニオンの須藤和広書記長が、春闘ヤマ場でストライキを配置してたたかうことや、年収200万円以下の非正規社員の実態を報告し、「財界・大企業は、膨大な内部留保をため込みながら、賃下げと非正規を拡大している。怒りを持った人はすべて立ち上がる春闘にしよう」とのべました。
写真  全労連・全国一般の青池香子書記長は、「賃上げを財界に要請するならば、安倍首相は、まず最賃引き上げを決断すべきだ。結局は公務員の賃下げで、官民すべての賃金を下げようとしている。職場からしっかりたたかう決意だ」と述べ、JMIUの三木陵一書記長は、「3月6日を回答指定日にして統一ストライキでたたかう。インフレターゲットと言うなら、賃上げをターゲットにしろ。経営トップは、今すぐに賃上げを決断すべきだ」と経団連に迫り、「経団連のみなさん、あなたたちはすでに包囲されている。ムダな抵抗はやめて要求に応えよ」と声を上げた、いわて労連の金野(こんの)耕治議長は、「全県が最賃C・Dランクの東北では、最賃キャラバンに取り組んで奮闘している。財界はたまっている内部留保を活用しろ」と被災地から怒りを込めて発言しました。
 参加者全員が経団連ビルにむかって怒りのシュプレヒコールをぶつけ、全労連の根本隆副議長が閉会あいさつし、「きょう1日の行動を通して、雇用と賃上げの必要性がいっそうはっきりした。われわれの後ろには幾千万の労働者の要求がある。本日の中央行動を契機にして、国民と連帯しておおいにたたかいぬこう」と呼びかけ、最後にガンバロウ三唱で団結を固め合いました。

〜厚労省前〜たたかいで道を切り開こう!

写真 午前中に行われた厚労省・人事院前行動には「生活保護の改悪反対」「最賃引き上げ」「公務員賃金改善」「社会保障制度の拡充」などの要求を掲げ250人が参加しました。
 主催あいさつをした全労連の高橋信一副議長は、「安倍政権は財界に賃上げを要請しながら、自らは公務員賃下げや生活保護改悪を進めようとしている。国民のいのちと暮らしを守る国の責任をほうりだし、自助・自立で国に報いろという安倍首相の憲法観があらわれている」と批判、たたかいを呼びかけた。
 連帯あいさつに立った宇都宮健児・反貧困ネットワーク代表は「生活保護受給者が増えたのは格差と貧困を拡大する悪政が原因。政府がやるべきことは生活保護の引き下げではなく、受給漏れをなくし格差と貧困の拡大をストップする政策だ。生活保護は最賃や就学援助、住民税、介護保険料にも影響する国民生活全体の問題としてとらえてほしい」と訴えました。
写真  続いて国民春闘共闘・伊藤圭一事務局次長(全労連調査局長)が情勢報告を行い、「賃上げの必要性が社会的テーマとされている。この追い風をしっかりつかみ要求していこう。安倍政権は雇用と労働時間規制破壊の規制緩和を再び狙っているが、私たちは2007年にホワイトカラーエグゼンプションの導入を断念させた実績がある。たたかえば道は切り開かれる。大きな運動を構築しよう」と呼びかけました。
 3組織の代表が決意表明をおこない、「男女雇用機会均等法に間接差別の禁止を明記させる改正を何としても実現したい」(水谷文・全労連女性部副部長)「福祉労働者は低賃金と人材不足で命と暮らしを脅かされている。この実態を最賃審議会で語れる労働者委員を送りだそう」(澤村直・福祉保育労副委員長)「3月中に人事院への申し立ての判定が出ることになっている。勝利するまで最後までたたかう」(草川俊哉・国公労連、全厚生闘争団)と力強く語りました。
 最後にシュプレヒコールをおこない、切実な思いを込めた参加者の声が霞ヶ関の空に響き渡りました。

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