2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第18号 2013年3月15日

2013年春闘・第1回賃上げ集計

単単純平均5,640円 1.86%
単純・加重ともに前年を上回る

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は14日、前日の集中回答を受け、2013年春闘における第1回目の賃金改定集計を行いました。単純平均、加重平均ともに額・率で前年同期の水準を上回る結果となっています。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 820 801
回答組合数 174(21.2%) 156(19.5%)
うち金額・率回答 144 129
うち「定昇のみ」など言葉による回答 30 27
うち妥結組合数 10( 6.9%) 11( 8.5%)

<回答内容>
集計方法&対象2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,640  5,073  +567 
率(%)  1.86   1.67  +0.19 
加重平均 額(円) 5,849  4,894  +995 
率(%)  1.83   1.64  +0.19 
組合員数(人) 42,236  39,258 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
回答引出し・単純平均・加重平均いずれも前年超え

 3月13日の統一回答指定日を受けた第1回集計には、別表の12単産・部会から報告が寄せられました。登録820組合中、174組合が回答を引出し、うち10組合が妥結しました。回答引出し率は21.2%で、昨年同期の156組合(19.5%)を数で18組合、率で1.7ポイント上回る回答引出し状況となりました。
 単純平均(一組合あたりの平均)は、5,640円・1.86%で、前年同期比で567円・0.19ポイント上回る結果となっています。加重平均(組合員一人あたりの平均)でも、5,849円・1.83ポイントと前年同期比を995円・0.19ポイント上回っています。
 単産・部会別では、金額で前年比較可能な11組織のうち、プラスとなった単産・部会は8、マイナスは3となっています。
 規模別では、「30〜99人」の組合が、前年同期と比べて金額で若干下回っていますが、「30人未満」「300〜999人」「1000人以上」では、いずれも前年同期を1,000円以上、上回る結果となっています。

「追い風」活かし、たたかいを強めよう
 第1回集計の特徴としては、(1)昨年に引き続き、回答引出し率が上がっていること、(2)単純平均、加重平均ともに額・率で前年同期を上回る回答を引出していること、(3)しかしながら、「時間額100円以上、月額1万円以上」の統一要求や生活実態をふまえた組合員の切実な要求からすると、十分な回答水準とは言えないことなどが、あげられます。
 安倍政権が、当面の最重点施策とする「アベノミクス」ともかかわって、大企業に巨額な内部留保が蓄積される一方で賃金低下が続くことへの「批判」が高まり、国民春闘共闘委員会が指摘し続けてきた「賃上げで不況克服を」、「大企業は内部留保の還元を」の主張が、国民世論として広がっています。こうした「追い風」も活かし、職場でのたたかいが強められたことがうかがえる到達となっています。
 しかし、要求額(平均20,676円)に対する回答水準が3割にも達していないことから見ても、提出した要求に対して不十分な回答内容となっています。従って、回答指定日翌日には多くの単産が統一ストライキや職場集会、地域行動に立ち上がり、回答引出しと積み上げを経営に迫っています。
 大企業労働組合では、流通関係などで一部ベースアップを獲得した組合もありますが、少数にとどまり、製造業大企業労働組合はベースアップ要求を掲げず、定昇維持+一時金の満額回答での妥結となっています。2002年〜2007年の好況時も、製造業大手を中心に一時金で応える傾向でしたが、一時金では生活の安定につながる収入とならず、労働者の消費性向を支え続ける効果を発揮しませんでした。
 また、安倍政権は「デフレ脱却には賃上げが必要」と言いながら、地方公務員の賃金水準の大幅引き下げを自治体に強要し、すでに平均7.8%もの賃下げがなされた国家公務員に対しては、55歳以上の職員の昇給抑制を求める国家公務員給与「改正」法案を閣議決定しています。さらには、労働法制の改悪、消費税増税、TPP交渉参加、原発再稼働、社会保障改悪、憲法改悪など、くらしを脅かす政策を急ピッチで推し進めようとしています。
 賃金デフレに対する批判が強まるなかでも、なお賃金抑制をしようとする経営者に対して、誠意ある回答と上積みを勝ちとるたたかいを強めるとともに、くらし、雇用を守り、平和を守る国民的な取りくみを旺盛に展開していく必要があります。

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