2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第23号 2013年3月28日

2013年春闘・第3回賃上げ集計

単純平均5,562円 1.93%
加重平均6,058円 2.05%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は28日、2013年春闘における第3回目となる賃金改定集計を行いました。単純平均・加重平均ともに前年同期、前回集計(3月22日)を上回る結果となりました。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 870 801
回答組合数 287(33.0%) 255(31.8%)
うち金額・率回答 233 209
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
54 46
うち上積み獲得 27(9.4%) 32(12.6%)
うち前年実績以上 108(37.6%) 97(38.0%)
うち妥結組合数 38(13.2%) 41(16.1%)

<回答内容>
集計方法&対象 2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,562  5,394  +168 
率(%)  1.93   1.80  +0.13 
加重平均 額(円) 6,058  5,285  +773 
率(%)  2.05   1.80  +0.25 
組合員数(人) 70,781  57,391 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※パート・アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げ、企業内最低賃金協約の集計は、回答集約作業中のため第4回集計での発表とさせていただきます。
※前年同期比は前年第2回集計(2012年3月29日集計)との比較となります。

<集計結果の概要>
  第3回集計には、18単産・部会から報告が寄せられました。これまでに回答を引き出したのは登録870組合のうち287組合・33.0%で、前年同期(255組合・31.8%)を32組合・1.2ポイント上回っています。
 第1回集計(3月14日)以降に回答を引き出したのは、113組合で、前年の99組合を僅かに上回っており、臨時集計を行った第2回集計(3月22日)からは、35組合増えています。
 回答を引き出した組合のうち妥結したのは38組合・13.2%です。この妥結率は、前年同期(41組合・16.1%)より2.9ポイント少なく、交渉を続行している組合が多いという傾向がうかがえます。
 今回新たに、3月27日を回答指定日に設定した全倉運と、映演労連の先行回答組合(産別の回答指定日は4月15日)から報告が寄せられています。

要求にこだわり、粘り強い交渉で奮闘!加重平均では6千円台・2%台を突破
 
賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は、5,562円・1.93%で、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、6,058円・2.05%となりました。
 前年同期と比較すると、全体では単純平均で168円増・プラス0.13ポイント、加重平均で773円増・プラス0.25ポイントと、第1回集計以降、単純平均・加重平均の額・率いずれも前年同期を上回る結果で推移しています。第2回集計時との比較では、単純平均では34円増、プラス0.05ポイントとなり、加重平均では356円増・プラス0.24ポイントとなっています。
 回答引き出しのあった287組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは82組合(前年同期70組合)、同額は26組合(同27組合)となりました。そのうち20組合で前年実績よりも1,000円以上高い回答を引き出しています。
 月額1万円以上の賃金引き上げを獲得したのは、出版労連、JMIU、民放労連、建設関連労連、日本医労連、地方マスコミの18組合(前年同期13組合)となりました。また率では、85組合(前年同期62組合)が2.0%以上の回答を引き出しています。
 初回からの上積み回答を引き出しているのは、JMIU、建交労・運輸を中心に27組合で、JMIUの中では4次回答まで引出し、なお交渉を積み重ねている組合もあります。
 単産・部会別の集約をみると、建設関連労連、民放労連、出版労連、日本医労連、地方マスコミが、単純平均額を上回る回答を引き出し、全体を牽引しています。前年との比較が可能な14単産・部会のうち、単純平均額でプラスとなったのは8単産・部会、マイナスが6単産・部会となりました。第2回集計時からJMIU、民放労連、出版労連、日本医労連、地方登録組合、地方マスコミで単純平均・加重平均いずれも額・率ともに上昇し、JMIU、地方登録組合では、マイナスからプラスに転じています。
 規模別では、前年同期比で前回集計と同様に、「100〜299人」が394円減・マイナス0.12ポイントと若干落ち込んでいるのに対し、「29人以下」で321円増・プラス0.32ポイント、「300〜999人」が1,015円増・プラス0.36ポイント、「1000人以上」が771円増・プラス0.11ポイントとなっています。

 前年同期比でマイナスの単産・部会が4割あることや、要求水準からみた回答という点では不十分といわざるをえません。しかし、全体としては、前年よりも上向きの回答傾向にあります。要求にこだわり、粘り強い交渉が積み重ねられている成果がうかがえる回答結果となっています。

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