2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第26号 2013年4月12日

2013年春闘・第4回賃上げ集計

単純平均5,474円 1.92%
加重平均6,034円 2.06%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は11日、2013年春闘における第4回目となる賃金改定集計を行いました。第1回調査から引き続き、前年同期を上回る水準での推移となっています。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 870 801
回答組合数 355(40.8%) 318(39.7%)
うち金額・率回答 283 259
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
72 59
うち上積み獲得 59(16.6%) 57(17.9%)
うち前年実績以上 143(40.3%) 131(41.2%)
うち妥結組合数 111(31.3%) 105(33.0%)

<回答内容>
集計方法&対象 2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,474  5,374  +100 
率(%)  1.92   1.81  +0.11 
加重平均 額(円) 6,034  5,440  +594 
率(%)  2.06   1.84  +0.22 
組合員数(人) 85,081  70,703 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※前年同期比は前年第3回集計(2012年4月13日集計)との比較となります。

<集計結果の概要>
 第4回集計には、21単産・部会から(うち通信労組は、現段階で「定昇のみ」など言葉による回答のため総括表には含まない)報告が寄せられました。今回新たに報告が寄せられたのは、建交労・建設、検数労連、郵政産業ユニオンの3単産・部会です。
 これまでに回答を引き出したのは、前回集計(3月28日時点)から68組合増え、登録870組合のうち355組合・40.8%となりました。前年同期(318組合・39.7%)と比べると37組合・1.1ポイント上回っています。回答を引き出した組合のうち妥結したのは、前年同期(105組合・33.0%)とほぼ同水準の111組合・31.3%となりました。

前年同期比プラスを維持…しかし、業種・規模で傾向に違いも

 賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は、5,474円・1.92%、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、6,034円・2.06%です。これは前年同期と比較すると、単純平均で100円増・プラス0.11ポイント、加重平均で594円増・プラス0.22ポイントとなります。回答引き出しのあった355組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは110組合(前年同期96組合)、同額は33組合(同35組合)となっています。
 ただし、単産・部会別の結果をみると、全体がプラス傾向とはいえないことがわかります。単純平均額で前年との比較が可能な17単産・部会のうち、8単産・部会は対前年プラスとなっているのに対し、マイナスが9単産・部会と拮抗しており、業種別で回答傾向に違いがでています。
 また、規模別でみると、「1000人以上」が6,306円・2.12%(前年比475円増・プラス0.09ポイント)、「300〜999人」が単純平均で5,916円・2.05%(前年比799円増・プラス0.35ポイント)と規模が大きな組合が比較的好調であるのに対し、中小規模の組合では対前年マイナス傾向となっていることにも留意が必要です。

なんと6次回答も!粘って成果を獲得!

 次に今春闘での回答傾向の推移をみると、第3回集計時に比べ、今回は単純平均で88円減・マイナス0.01ポイント、加重平均で24円減・プラス0.01ポイントとなっており、春闘後半戦における回答内容が、やや厳しい傾向であることがうかがえます。そうした中、初回からの上積み回答を引き出した12単産・部会の59組合(16.6%)には注目したいところです。JMIUの1組合が6次回答まで引き出したのを筆頭に、5次回答が地方マスコミで1組合、4次回答がJMIU(3)、地方マスコミ(1)の4組合、3次回答がJMIU(8)、地方マスコミ(3)、日本医労連(2)、化学一般労連(1)の14組合等と、粘り強い交渉で着実に成果をあげている仲間がいます。
 また、月額1万円以上の賃金引き上げを獲得した組合も、前回調査時から1組織増え、19組合(前年同期17組合)となりました。率で2.0%以上の回答を引き出した組合も、前回調査から18組織増えて103組合(前年同期77組合)となっています。
 なお、第3回集計時から単純平均の回答水準が上昇しているのは、全農協労連(0.07ポイント)、JMIU(56円・0.05ポイント)、合同繊維(400円)、建交労・製造(769円・0.29ポイント)、建交労・運輸(129円・0.05ポイント)、全倉運(133円・0.04ポイント)、生協労連(407円・0.15ポイント)、地方登録(276円・0.04ポイント)で、民放労連では額で47円、地方マスコミでは率で0.06ポイント上昇しています。

パート・アルバイトなど賃上げ 平均20.1円 2.61%!

 パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く仲間の賃上げは、8単産117組合から報告が寄せられています。これは、前年同期(6単産109組合)よりも8組合上回っています。
 今回あらたに報告があった、郵政産業ユニオンでは「月給制契約社員のベア2,000円」、出版労連では「2.0%の引き上げ」などの結果が勝ち取られています。
 時間額引上げの報告があった62組合の単純平均は20.1円、率では27組合の単純平均で2.61%となります。前回調査と同様、前年同期(8.8円・0.42%)を大幅に上回っている点が特徴です。

法定最低賃金引き上げを後押しする成果!

 賃金底上げの土台となる企業内最低賃金協約の締結・改定は、前回報告のあったJMIU、化学一般、生協労連、全印総連の4単産に加え、建交労から獲得の報告が寄せられています。
 獲得組合数は47組合となり、前回調査同様に前年同期(33組合)から大きく前進しています。
 時間額は37組合平均832円、日額は8組合平均7,196円、月額は20組合平均で157,080円となりました。
 建交労の首都圏運輸基本集団交渉では、あらたに4組合が18歳最賃の引き上げを獲得し全12組合で要求額に到達。全印総連では2組合が時間額1,000円以上の協約を締結するなど、法定最低賃金の引き上げを後押しする成果が報告されています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第3回回答集計(平均賃上げ方式・3月29日公表)は以下のとおりです。

集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 1,531 132.9 5,284 1.80 5,353 1.82 4,325 1.69 4,622 1.75
中小共闘 899 9.4 4,160 1.66 4,482 1.75 3,930 1.62 4,310 1.71
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第1回回答集計(4月5日現在)は以下のとおりです。

集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 35 6,203 1.91 6,240 1.94 5,358 1.82 5,330 1.76
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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