2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第27号 2013年4月15日

消費税増税、賃金・雇用破壊やめろ!

生活破壊の悪政阻止

国民春闘勝利4・11中央行動

 全労連・国民春闘共闘、東京春闘共闘は11日、消費税増税、TPP交渉参加の課題が重要な段階を迎え、労働法制・社会保障の大改悪など国民・労働者の生活を破壊する政策が推し進められようとする情勢のもと「13国民春闘勝利4・11中央行動」にとりくみました。全国からのべ2000人が参加し、省庁前要求行動、省庁要請、国会議員要請などを終日展開しました。また、正午から日比谷野外音楽堂で行われた「消費税大増税中止を求める国民集会」にも結集し、国会に向け5000人を超えるデモ行進を行い、悪政に対する怒りの声を響かせました。

財務省前要求行動
〜消費税増税・TPP参加やめろ! 国民生活優先の予算・財政確立を〜
 13春闘後半戦を迎え、職場でのたたかいを強めるもとで行われた「4・11中央行動」は、財務省前要求行動で幕を開けました。
写真  主催者あいさつに立った国民春闘共闘の伊藤潤一代表幹事(東京地評議長)は、「円安、株価上昇によりアベノミクスが持ち上げられている。しかし、物価は上昇し、社会保障が切り捨てられ、消費税の大増税がされれば国民生活はより厳しくなる。これでは消費は伸びず景気回復には繋がらない」と指摘。「労働者の賃金を引き上げ、安心して働き続けられるようにすることでこそ景気回復ができる。そのための財政を確立するべきだ」と情勢を交え訴えました。
 つづいて、5人の代表が決意表明を行い、「消費税が3%から5%に増税されてから3年で、利用者は減り、タクシー労働者の年収は15%減った。また消費税が増税されれば2重、3重の苦しみが襲いかかる」(自交総連東京・平澤收執行委員)、「金融円滑化法がなくなり、多くの中小零細企業は苦しい状況となる。北海道の印刷業界団体からは金融円滑化法の廃止で60社ほど倒産するとの声も聞こえている。中小零細企業を切り捨てる経済政策では日本再生はできない」(全印総連・是村高市中央執行委員長)、「金融円滑化法が廃止となり中小零細企業は大変な状況になっている。労働者への影響も計り知れない。財務省は早期に中小企業支援を拡充しろ」(全労連全国一般東京・室井清委員長)、「少人数学級の拡大が自公政権でストップさせられている。ゆきとどいた教育の実現をめざし、教育全国署名が23年間で4億2千万筆に達している。教育拡充が国民の願いだ。教育予算の拡充、国の責任でゆきとどいた教育の実現を求める」(全教・今谷賢二書記長)、「地域の建設業者は現状でも57%が消費税を価格に転嫁できずに苦しんでいる。そしてその負担のしわ寄せが労働者の賃金にくる。被災地も苦しめる消費税増税はなんとしてもやめさせよう」(東京土建・松尾慎一郎書記次長)と消費税増税反対、中小企業支援拡充、雇用対策予算拡充、国民生活優先の予算と財政確立などを求め訴えました。

厚生労働省前要求行動
〜解雇自由の社会をゆるすな! 労働法制・社会保障大改悪に怒りの声〜
 国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が主催者を代表してマイクを握り、はじめに、旧社会保険庁職員の分限免職(解雇)について人事院が1人を処分取り消し、3人は不当な分限免職を妥当としたことについて触れ「組織がなくなれば解雇して当然という流れは、労働法制改悪を追認するものだ」と抗議。そして、安倍政権が成長戦略の具体化として労働法制の規制緩和、解雇規制の緩和に向けた動きを強めていることに対し、「企業リストラなどの際に、人権侵害である脅迫まがいの面談や隔離部屋への出向強要などの退職強要が日常化していることに目を向けていない」「現在も蔓延している無制限の配置転換や長時間労働の受け入れを迫る状況をさらに固定化し、「名ばかり正社員」を増やし格差を広げ、解雇を容易にするものだ」と厳しく批判。また、「予算削減ありきの試算で、生活保護基準や年金給付額引き下げを行うのは犯罪的人権侵害行為だ」と怒りを露わにし、「安倍政権には何ら期待できない。徹底してたたかいを強めよう」と呼びかけました。
写真  決意表明では、国公労連の國枝孝幸中央執行委員(全厚生闘争団)が旧社会保険庁職員の分限免職に対する人事院の判定について語り「1人は処分取り消しの画期的判定を勝ち取った。しかし3人は分限免職が妥当とされた。到底許されるものではない」「人事院は厚労省の分限免職回避の取り組みが不十分であったと認めたのなら、請求者全員の処分を取り消すべきだ」と訴えました。
 年金者組合の田島茂副委員長は「年金受給者の多くは年間150万円に満たない金額で生活している。ここから2.5%引き下げようというのは国民の生活実態を踏まえない大改悪だ。その上、消費税増税など安倍政権はどこまで国民に負担を強いるつもりだ」と怒りの声を上げました。
 東京医労連の日本医科歯科大学労組・清水明子書記長はアメリカの医療制度に触れながら、「国民皆保険制度」「公的医療制度」の重要性を語り、「政府が検討している混合診療の拡大や株式会社の病院経営参入、医療ツーリズムの推進など、医療や介護分野の規制緩和やTPP参加が行われれば、お金がない人は治療を受けられなくなり、国民のいのちと健康が脅かされる」と指摘。「医療従事者として断固としてたたかっていく」と決意を述べました。
 生協労組おかやまの西崎直人書記長は「最低賃金は労働者の賃金の下支えになっている。財界に『賃上げ』を要請するなら、政府の責任で出来る最低賃金の大幅引き上げを早急に行うべきだ」と語り、JMIU東京地本・小山内文春委員長は、「1995年に経団連が雇用の流動化を打ち出し、それ以降、労働法制が大改悪された。その結果、リーマンショック時には派遣切りが横行し、JALの不当解雇やIBMでのロックアウト解雇が行われるなどとんでもない状況となっている」「解雇の金銭解決を含んだ労働法制大改悪に断固抗議し、阻止していくたたかいを強めよう」と呼びかけました。

総務省前要求行動
〜公務員賃下げを直ちに撤回しろ!〜
 厚生労働省前要求行動と同時刻に、全労連公務部会、公務労組連絡会の主催で行われた総務省前での要求行動には、「賃下げ悪循環」を許さず、公務・公共サービスの拡充を求めて600人が参加しました。
 主催者あいさつした全労連公務部会・野村幸裕代表委員(公務労組連絡会議長)は、「賃下げの根拠はなくなった。情勢が変化したのであれば賃下げを直ちに撤回するべきである」と強調し、賃下げ攻撃をはね返すために奮闘していこうと呼びかけました。
 民間労組から建交労の藤好重泰委員長が連帯あいさつに立ち、「運輸産業は、ガソリンや軽油の高騰で休業や廃業や倒産が相次いでいる」と語り、中小企業への支援拡充なしに日本経済は再生しないと指摘。「公務員賃下げは、経済再生に逆行し、民間の賃金も引き下げるものだ」と批判しました。
 つづいて、米田雅幸事務局次長が、地方公務員への賃下げ攻撃に対し、群馬や長野、静岡では反対が表明され、3月末時点では岡山だけに押しとどめていることなどの情勢報告を行い「賃下げに断固反対のたたかいに全力をあげよう」と呼びかけました。
 その後「この13年間のマイナス勧告などで累計80万円の賃金が削減された。ふってわいた退職金の大幅削減で生活設計が成り立たずローンが払えない。署名と宣伝を強めたたかっていく」(東京自治労連・西野実副委員長)、「年金の受給開始年齢引き上げに対しては、雇用と年金の接続で安心して働き続けられることが不可欠だ」(国公労連・全経済・渡邉忠一書記長)など4人の代表から決意がのべられました。

消費税増税阻止を求める国民集会
〜いのちを削る消費税増税は中止しろ!〜
 正午から日比谷野外音楽堂で開催された「消費税増税阻止を求める国民集会」(同実行委員会主催)には、全国から5000人を超える参加者が集結しました。
 主催者を代表してあいさつに立った保団連の住江憲男会長は、「東日本大震災の被災地では復興が進まず、年収200万円以下の人々が1000万人を越えるなか、消費税増税は断じて許さない。消費税増税にストップをかけるため、大きな世論をつくっていこう」と呼びかけました。
写真 呼びかけ人を代表して、ジャーナリストの斎藤貴男さん、弁護士の宇都宮健児さん(反貧困ネットワーク代表)が、政党からは志位和夫・日本共産党委員長があいさつ。斎藤貴男さんは、「消費税が10%になれば、中小零細企業は価格に転嫁できず、ことごとく仕事がなくなり生活ができなくなる。経済を根底から崩す」と語り、「消費税増税は私たち一人ひとりの命そのものにかかってくる。なんとしてもたたきつぶそう」と呼びかけました。宇都宮健児さんは、「消費税が増税されれば、ますます貧困と格差が拡大する。消費税増税よりも、富裕層への課税を強化して社会保障を通じて所得の再配分を行うべきだ」と述べました。
 つづいて、東日本大震災の被災地住民、女性、年金者、労働者、農民、中小業者などの代表がリレートークを行い、「被災者の仕事や収入の確保は依然として厳しく、消費税増税は被災者に過酷な税金だ」(消費税増税率引き上げをやめさせるネットワーク・沼倉優子代表世話人)、「年金や生活保護など社会保障の改悪がされようとしている。その上、いのちを削る増税は許されない」(年金者組合・藤巻惠子さん)、「タクシー労働者の賃金は安心して生活できる賃金には程遠い。消費税が増税されれば、急激な需要減によって賃金の大幅低下、倒産の増加で大打撃を受ける。最低賃金の大幅引き上げと消費税増税の中止を勝ち取るために奮闘していこう」など、庶民に負担を強いる消費税への怒りを表明しました。
 「大増税中止の力を全国に広げ、主権者として『増税中止』の審判を下そう」と集会アピールを採択し、集会後、参加者は「消費税増税なんてとんでもねぇ」「許すな!消費税大増税!」などの横断幕を掲げ、国会に向け大デモ行進を行いました。

 消費税大増税、TPP参加、労働法制や社会保障の大改悪、公務員賃下げなど国民・労働者の生活を破壊する政策が推し進められようとする情勢のもと行われた「4・11中央行動」では、この他、「若者雇用分野」(全労連)、「高齢者雇用」(JMIU)についての厚生労働省への要請行動、「原発ゼロの実現、原発事故被害者への全面賠償」(全労連)を求める経産省要請、「金融円滑化法廃止に関わっての中小企業支援策の強化・拡充」を求める中小企業庁要請(東京春闘共闘、JMIU)や国公労連の賃下げ違憲訴訟の第4回口頭弁論が東京地裁で行われるのに先立ち、正午過ぎからは「東京地裁前要求行動」が行われるなど多彩な行動が展開されました。
 国会請願デモ解散後には、「公務労働者の賃金・労働条件の改善、公務公共サービス拡充」、「労働法制の規制緩和に反対し、安定雇用と賃金底上げ・均等待遇の実現」を求め、国会議員への要請行動に取り組みました。

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