2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第35号 2013年5月31日

2013年春闘・第7回賃上げ集計

単純平均5,412円 1.93%

パート等賃上げ平均24.9円

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は30日、2013年春闘における第7回目となる賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 871 793
回答組合数 473(54.3%) 427(53.8%)
うち金額・率回答 386 342
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
87 85
うち上積み獲得 92(19.5%) 86(18.7%)
うち前年実績以上 195(41.2%) 178(38.6%)
うち妥結組合数 269(56.9%) 226(52.9%)

<回答内容>
集計方法&対象 2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,412  5,281  +131 
率(%)  1.93   1.80  +0.13 
加重平均 額(円) 5,973  5,416  +557 
率(%)  2.03   1.83  +0.20 
組合員数(人) 106,765  82,752 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※前年同期比は前年第6回集計(2012年5月31日集計)との比較となります。

<集計結果の概要>
 第7回集計には24単産・部会から報告が寄せられました。登録871組合のうち、これまでに回答を引き出したのは、第6回集計(5月14日時点:424組合・48.7%)から49組合・5.6ポイント増え、473組合・54.3%となりました。全農協労連、建設関連労連、全労連・全国一般、金融労連、日本医労連などで回答引き出し数を伸ばしています。前年同期(427組合・53.8%)と比べると0.5ポイントと若干ですが上回っています。

内需中心の産業が前年同期比プラス傾向
 賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は5,412円・1.93%、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、5,973円・2.03%となっています。前年同期と比較すると、単純平均で131円増・プラス0.13ポイント、加重平均で557円増・プラス0.20ポイントと依然として前年同期を上回る状況で推移しています。
 産業別にみると、製造業関連、農林水産業関連、金融関連、マスコミ関連で対前年同期比マイナス傾向にあり、運輸・通信関連、卸売・小売関連、医療サービス、地方組合でプラス傾向となっています。
 規模別でみると、「1000人以上」が単純平均で6,128円・2.03%、「300〜999人」が5,943円・2.03%と規模の大きなところが高水準の回答で推移している状況は変わっていません。しかし、前回調査で対前年同期比マイナスであった「100〜299人」がプラスに転じ、「30〜99人」、「29人以下」でもマイナス幅が縮小されています。
 第6回集計(5月14日時点:単純平均:5,410円・1.92%、加重平均:5,953円・2.02%)との比較では単純平均で2円増・プラス0.1ポイント、加重平均で20円増・プラス0.01ポイントとなっており、4月に入り低下傾向を示していた回答水準は若干持ち直しています。

高率回答続々と!
 回答引き出しのあった473組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは152組合・32.1%で前年同期(136組合・31.9%)から16組合増・プラス0.2ポイントとなり、前年同額は43組合・9.1%(前年同期:42組合・9.8%)となりました。
 また、数次にわたる交渉を行い上積み回答を引き出した組合は、前回調査の16単産・部会の84組合(19.8%)から17単産・部会の92組合(19.5%)になりました。前年同期の86組合(18.7%)からも前進しています。6次回答まで引き出したのがJMIU、日本医労連での2組合、5次回答がJMIU、全印総連、民放労連、地方マスコミでの4組合、4次回答がJMIU(2)、全国一般(1)、映演労連(1)、地方マスコミでの5組合となりました。粘り強い交渉により4次回答以上の上積みを獲得した組合は決着をしていますが、3次回答まで引き出した組合でも更なる上積みを求めて交渉を継続している組合も多くあります。
 月額1万円以上の賃金引き上げを獲得した組合は出版労連の医学書院、建設関連労連の応用地質、JMIUの大東工業など20組合(前年同期23組合)となり、建設関連労連の職場で5.44%の賃金引き上げを獲得したのを筆頭に、JMIUの日本高周波、川本製作所、全国一般の全商業太陽分会、日本医労連の新潟県厚生連など、前年同期(36組合)を超える51組合が2.5%以上の賃上げ率を引き出しています。

回答引き出し組合の5割以上が妥結
 これまでに妥結した組合は、回答引き出し473組合のうち269組合(妥結率56.9%)となりました。この間、前年同期と比べると若干解決が遅れる傾向にありましたが、5月に入り先行単産での未決着組合での妥結も進み、前年同期(226組合・52.9%)を上回りました。
 検数労連の職場では、国民春闘共闘ベースの回答平均を交渉の武器にし、前年を上回る回答を引き出して春闘決着しました。

パート・アルバイトなどの賃上げ 獲得数、額・率ともに大きく前進
 パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く仲間の賃上げは、前回調査(5月14日時点:231組合)から全農協労連(3)全国一般(17)、日本医労連(4)で計24組合増え13単産255組合となり、対前年同期比(10単産220組合)では3単産35組合上回っています。
 時間額引上げの報告があった144組合の単純平均は24.9円と前回調査(26.0円)から微減していますが、前年同期(14.5円)を10円以上上回っており、依然として高水準で推移しています。
 率でも60組合の単純平均で3.24%と前回調査(3.74%)から0.5ポイント減、対前年同期比(1.14%)プラス2.1ポイントと、額と同様の傾向になっており、「すべての労働者」の賃金引き上げを求める運動の成果が表れる結果となっています。

職場から地域から賃金底上げを
 企業内最低賃金協約の締結・改定を獲得した組合は、今回新たに報告がよせられた日本医労連の分を含めて、10単産72組合となりました。時間額は50組合平均843円、日額は8組合平均7,196円(前回調査同)、月額は31組合平均で159,809円となりました。
 最賃デーも節目に、職場での企業内最賃協約締結運動の成果をもって、国の制度である法定最賃闘争を盛り上げていきましょう。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第6回回答集計(平均賃上げ方式・5月31日公表)は以下のとおりです。

集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 3,735 178.8 4,935 1.72 4,948 1.73 3,742 1.54 3,848 1.53
中小共闘 2,732 24.8 3,742 1.56 3,800 1.54 3,428 1.49 3,533 1.46
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の中小企業 第1回回答集計(5月10日現在)は以下のとおりです。

集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 172
4,141 1.64 3,855 1.52 4,005 1.63 3,763 1.48
※調査対象は、原則として従業員数500人未満、17業種741社

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