2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第38号 2013年6月17日

2013年春闘・制度的諸要求(中間集計(3))

雇用確保、労働条件改善でも奮闘

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)はこのほど、2013年春闘における制度的諸要求(パート等処遇改善、企業内最賃、時短、各種休暇など)の獲得状況をまとめました。6月11日現在、19単産4地方632組織(連合会・単組・支部などの交渉単位)から報告が寄せられ、1407件の条件改善を獲得しています。

時短関係
 時間短縮・休暇・残業関係での前進回答は104組織で146件となりました。所定内労働時間の短縮は前回調査(5月13日時点)と同様に日本医労連で3件。休日休暇に関する要求では、「有給での忌引き休暇3日間の新設」(青森)、自交総連では福岡の仲間が労働組合結成後はじめて迎えた今春闘で「有給休暇の改善」を勝ち取る、など66組織で84件の制度改善を実現させています。残業関係では、「10分未満について、切捨てていた時間外手当を是正」(生協労連)など11組織で12件。育児休業・休暇関係では「育児時短中の賃金は3歳まで有給保障とする」(出版労連)など19組織22件となり、出版労連(6件)、民放労連(5件)などマスコミ関係での前進が伺える状況となっています。看護・介護休業関係では「介護休暇中の休業見舞金の支給」(岡山)、「子の看護休暇の対象期間を中学校就学始期に達するまでに引上げ」(生協労連)など12組織が15件の制度改善を勝ち取っています。

パート等賃上げ・労働条件改善
 これまでに、パートやアルバイト、契約社員などの賃上げを獲得したのは、生協労連(100件)をはじめ、日本医労連(58件)、全労連・全国一般(35件)、福祉保育労(18件)、JMIU(13件)建交労(10件)など186組織267件となりました。前年同期(176組織248件)から10組織19件増えています。
 労働条件改善は、「非正規雇用労働者の持ち家住宅手当新設」(民放労連)、「パート労働者にメモリアルデー有給休暇」(化学一般労連)など147組織201件となり、前年同期(95組織125件)から52組織76件増と大きく前進しています。今春闘における各組織での「すべての労働者」の賃金引き上げ・均等待遇を求める運動の成果が表れる結果となっています。

最低賃金・年齢保障・初任給・格差是正
 企業内最低賃金協約を締結したのは、建交労で月額17万6千円、全印総連で時間額1,030円、など82組織88件となりました。「38歳・27万1650円」(JMIU)、「大型運転手月収保障上積み」(建交労)など5組織11件で年齢や職種による最低保障賃金を協定化させています。初任給増額などによる格差是正を獲得したのは、「初任給5,000円引上げ」(民放労連)や「広域合併に伴う格差の是正」(全農協労連)、「若年者の賃金是正」(大阪)など前年同期(33組織35件)を15組織19件上回る48組織54件となっています。

社会保障・母性保護・労災対策・安全衛生関係
 育児休業・休暇などを除いた母性保護関係での前進回答は「産休制度の改善」(全労連・全国一般)、「人間ドックで全ての女性を対象に『マンモグラフィー検査』『子宮がん検査』を追加」(民放労連)、など前回調査と同じく10組織・11件となっています。
 労災補償の上積み獲得は、新たに化学一般労連、福祉保育労から報告が寄せられ、14組織15件となりました。安全衛生関係では、職場内での環境改善や「年1回のストレスチェックテストの実施」(全倉運)、「腰痛検診を実施」(生協労連)、「AED設置検討」(化学一般労連)、などいのちや健康に関わる要求も前進させています。

人員増・雇用保障・雇用延長・退職金など
 人員増要求では、化学一般労連、福祉保育労から新たに報告が寄せられ、29組織35件となりました。改正労働契約法とも関わって、正社員化や無期雇用化などによる雇用確保に関する要求前進は35組織39件と大きく前進しています。そのうち正社員化を勝ち取ったのは前回調査でのJMIU(3件)、全労連・全国一般(2件)、全印総連(1件)、福祉保育労(1件)に加え、建設関連労連で「準社員を正社員に」、建交労の愛知で「臨時職員として働いていた学童保育指導員の正社員化」、福祉保育労の高知で「14人の正職員化」を勝ち取るなど計14件になりました。また、生協労連などを中心に多くの職場で有期雇用から無期雇用への転換を実現させています。
 改正高年齢者雇用安定法とも関わって、定年・雇用延長の条件改善では、前年同期(36組織37件)を大きく上回る45組織48件の条件改善を勝ち取っています。自交総連、全倉運、福祉保育労で「定年延長」を実現させ、生協労連では2組織で協議・検討段階に入っています。全農協労連、建交労、JMIU、民放労連、福祉保育労では「65歳まで再雇用」「希望者全員を再雇用する」などを実現させています。
 退職金の上積み獲得・新設は、9組織で12件獲得し、その他の要求では、「Iターン手当の月額5,000円引上げ」(全農協労連)、「無料の駐車場確保」(建交労)、「建築積算士試験の合格者について受験料の全額支給」(建設関連労連)、「組合掲示板設置」(JMIU)、「カフェテリア範囲拡大」(化学一般労連)、「高速帰路会社負担改善」(自交総連)、「寒冷地転勤手当の新設」(全倉運)、「家賃補助3,000円増額」(生協労連)、「単身赴任者に帰省のための往復交通費実額を追加支給」(全損保)、「『産業政策提言』へ賛同・協力」(全印総連)、「食事手当増額」(出版労連)、「食堂無料開放」(民放労連)、「夜勤手当増額」(日本医労連)、「自治体交渉への職員派遣」(福祉保育労)など282組織から410件の前進回答の報告が寄せられています。

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