2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第15号 2014年3月13日

2014春闘・第1回賃上げ集計

単純平均5,929円 1.93%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は13日、前日の集中回答を受け、第1回目の賃金改定集計を行いました。回答は前年とほぼ同水準です。ここ数年に比べ、一段高い要求を掲げて交渉に臨んだ多くの仲間にとって、厳しい出だしとなりました。

<回答状況>

2014年 2013年
登録組合数 860 820
回答組合数 174(20.2%) 174(21.2%)
うち金額・率回答 134 144
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
40 30
うち上積み獲得 11(6.3%) 4(2.3%)
うち妥結組合数 15(8.6%) 10(5.8%)

<回答内容>
集計方法&対象 2014年 2013年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,929  5,640  +289 
率(%)  1.93   1.86  +0.07 
加重平均 額(円) 5,603  5,849  −246 
率(%)  1.77   1.83  −0.06 
組合員数(人) 30,363  42,236 

<前年実績との比較が可能な組合における回答状況(単純平均額での比較)>
前年比較可能な組合数 うち前年実績以上 (前年超) (同 額)
128 69(53.9%) 58 11

<前年実績との比較が可能な組合における単純平均額の比較>
組合数 金額・率 前年実績 (前年比)
単純平均 額(円) 128 5,923 5,877 +46
率(%) 85 1.94 1.94 ±0
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
回答引出し・妥結状況
 3月12日の第一次集中回答指定日を受けた第1回集計には、14単産・部会から報告が寄せられました。登録860組合中、174組合が回答を引き出し、うち8.6%にあたる15組合が妥結しました。回答引出し率は20.2%で、前年同期(2013年3月14日現在・21.2%)を1ポイント下回っています。
 回答を引き出した組合のうち、「定期昇給のみ」など文字による回答が40組合と、前年同期から10組合増えています。
 このうち、3月5日を回答指定日に設定したJMIUや建交労の先行組合等では、すでに11組合・6.3%が2次回答を引き出しています。前年(同期4組合・2.3%)を超える上積みの広がりが期待されます。

全体の回答内容
 有額回答を引き出した12単産・部会での単純平均(一組合あたりの平均)は、5,929円・1.93%で、前年同期比で289円・0.07ポイント上回っています。一方、加重平均(組合員一人あたりの平均)でみると、5,603円・1.77%で前年同期比246円・0.06ポイントのマイナスとなっています。
 そうした中、建設関連で13,000円を超す回答を引き出したのをはじめ、出版労連(5組合)、JMIU(5)、建設関連(2)、民放労連(2)、地方マスコミ(1)、全印総連(1)の計16組合(前年同期14組合)で1万円以上の高額回答を引き出し、JMIU(9)、出版労連(4)、民放労連(2)、建設関連(2)、日本医労連(2)、地方マスコミ(1)の計20組合で2.5%以上の高率回答となっています。
 単産・部会別に見ると、有額回答報告のあった12単産・部会中、単純平均額では、全印総連で前年同期比1,538円増となったのをはじめ、7単産・部会でプラスとなりました。一方、5単産・部会は前年よりマイナスとなっています。
 規模別では、「29人以下」、「30〜99人」、「100〜299」がプラス、「300人〜999人」、「1000人以上」がマイナスとなっています。

前年実績比較可能組合での回答状況
 同一組合での対比が可能な128 組合の単純平均額の結果を前年実績と比べると、今期は5,923円、前年実績比プラス46円。ほぼ同水準です。このうち53.9%にあたる69組合が前年妥結額以上の回答を引き出しています。率では、85組合の単純平均で、昨年と同率の1.94%となっています。

 前年と同水準の回答内容は、「時間額120円以上、月額16,000円以上」の統一賃金要求目標や組合員の生活実態、4月に控えた消費税増税による物価上昇などを考慮すれば不十分な回答と言わざるを得ません。
 一部の単産からは、回答延期を申し入れる経営が昨年より増えていることも報告されており、定昇のみの回答も少なくありません。アベノミクスの恩恵を十分に受けている一部大企業で「ベースアップ」が実施される一方、地域の中小零細企業の多くは4月の消費税率引き上げや円安による物価上昇などの影響を見定めるため、回答に慎重になっている状況が伺えます。
 生活改善に資する賃金引き上げを求め、回答と上積みを勝ちとるたたかいを粘り強く継続して行く必要があります。

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