2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第17号 2014年3月18日

2014年春闘・第1回進ちょく状況調査

闘いはこれから!

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は17日、加盟全単組を対象とした2014年春闘における第1回目の「春闘進ちょく状況」調査を実施し、15単産(2333組合)からの報告をまとめました。

1.要求提出状況
 3月17日現在、別表の15単産から報告が寄せられました。交渉単位では、2333組合となります。このうち、現段階で要求提出が確認できた組合は、1321組合(56.6%)です。これは昨年同期とほぼ同水準です(0.4ポイント増)。
 単産別に要求提出率をみると、合同繊維、全損保が100%で、これに全倉運(92.5%)、通信労組(88.5%)、出版労連(74.5%)、JMIU(74.4%)、映演労連(73.7%)が続いています。民放労連(69.0%)では昨年同期を11.4ポイント上回る要求提出率となっています。

2.スト権確立状況
 調査組合のうち、37.8%にあたる847組合がストライキ権を確立しています。前年同期比で1.5ポイント増加していますが、過半数には達していません。ストライキ権を100%確立しているのは、通信労組、全損保の2単産で、これに、JMIU(69.1%)、合同繊維(60.0%)が続いています。

3.回答引出し状況
 要求提出した1321組合のうち、回答を引き出したのは521組合(39.4%)です。通信労組、建設関連労連での100%に続き、出版労連(75.3%)、全印総連(67.3%)、JMIU(57.9%)の回答引出し率が比較的高くなっています。全体では、昨年同期を3.7ポイント上回っていますが、経営が「様子見」傾向との報告も寄せられており、注視していく必要があります。

4.回答の内容
 回答内容について、<定昇制度あり>の職場からみていくと、全体としては、「べアゼロ」(定昇のみ)の組合が245組合と多くなっていますが、そうした中、「定期昇給+ベア」回答を引き出した組合が、日本医労連(20組合)、JMIU(18)、民放労連(10)、化学一般労連(9)、出版労連(8)、生協労連(3)、建設関連労連、合同繊維(各1)など70組合と昨年同期の42組合から大きく増えました。
 <定昇制度なし>の職場では、「有額獲得」を引き出した組織が140組合あり、「ゼロ回答」の20組合を大きく上回っています。

5.平均賃上げ額・率と妥結状況
 回答があった521組合のうち、単純平均(一組合あたりの平均)額の掲示があったのは357組合です。平均賃上げ額は5,513円で前年同期(5,110円)を403円上回っています。平均賃上げ率は、246組合平均で2.07%と昨年同期(1.82%)を0.25ポイント上回っています。建設関連労連(平均12,563円・3.89%)が全体を引き上げています。
 産業別の状況をみると、金属や印刷関係では、「材料費の高騰もある中、消費税増税の価格転嫁の状況がどうなるかをふまえたい」と回答延期をするケースも目立つとのことです。また、流通関係では、「夏季一時金、および年度末一時金回答には、一定の前進が見られるが、賃金引き上げに関しては、他産業や同業他社と比べ非常に渋い回答内容」との報告が寄せられています。アベノミクスのインフレと消費税増税の影響で、中小企業の経営環境が厳しくなっていることが伺えます。
 しかしながら、まだ回答が出そろわない段階での集約ですが、前年同期と比較可能な単産のうち、建交労(平均2,621円)、JMIU(平均5,584円)、合同繊維(平均4,400円)、全印総連(平均5,138円)では金額で昨年同期を上回る回答を引き出しています。
 17日時点で妥結もしくは妥結方向となっているのは、要求提出組合の3.5%にあたる46組合です。昨年同期の35組合(2.5%)を11組合・1ポイント上回っています。しかし、2次回答以降に大幅上積み獲得の報告も寄せられており、粘り強い交渉で追い上げていくことが重要な局面です。

6.ストライキ実施状況
 3月17日現在、建交労、JMIU、化学一般労連、通信労組、生協労連、全印総連、民放労連、出版労連、日本医労連の210組合でストライキを実施しています。JMIUでは、産別回答指定日翌日の3月6日と全国統一行動日の13日にストライキを決行しており、昨年同期241回(9.8%)を上回る、のべ261回(11.2%)のストライキが実施されています。
 日本医労連の組合では、「ベア回答」を引き出すも、生活改善にはいたらない水準とストライキに立ち上がるなど、消費税増税も前に、誠意ある回答を求めてたたかう仲間の奮闘が伺える状況です。
 4月9日の第2次集中回答日を節目に、切実な要求実現に向け、粘り強くたたかいを進め、奮闘していきましょう。

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