2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第23号 2014年4月12日

2014春闘・第4回賃上げ集計

前年同期を上回る水準で推移

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は10日、2014年春闘における第4回目の賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
  2014年 2013年
登録組合数 859 870
回答組合数 361(42.0%) 355(40.8%)
うち金額・率回答    279    283
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
82     72
  うち上積み獲得 73(20.2%) 59(16.6%)
うち妥結組合数 89(24.7%) 111(31.3%)

<回答内容>
集計方法&対象 2014年 2013年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,843 5,474 +369
率(%) 1.97 1.92 +0.05
加重平均 額(円) 6,240 6,034 +206
率(%) 2.04 2.06 −0.02
組合員数(人) 78,086 85,081  

<前年実績との比較が可能な組合における回答状況(単純平均額での比較)>
前年比較可能な組合数 うち前年実績以上 (前年超) (同 額)
259 157(60.6%) 132 25

<前年実績との比較が可能な組合における単純平均額の比較>
組合数 金額・率 前年実績 (前年比)
単純平均 額(円) 259 5,853 5,541 +312
率(%) 172 2.02 1.90 +0.12
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
 回答引出し・妥結状況

 第4回集計には21単産・部会(うち通信労組は、現段階では「定昇」などの言葉による回答のみのため、総括表には表記せず)から報告が寄せられました。今回あらたに報告が寄せられたのは、建交労・建設、全労連・全国一般の製造と卸売・小売の3単産・部会です。
 これまでに回答を引き出したのは、登録859組合のうち361組合・42.0%となりました。4月9日に設定した第2次集中回答日も節目に、各組織で引出し数を伸ばし前回集計(3月27日時点)から68組合増えています。
 前年同期(2014年4月11日現在:355組合・40.8%)と比べ6組合・1.2ポイント上回っています。
回答を引き出した組合のうち妥結したのは、89組合(「定昇のみ」などの言葉による回答組合も含む)で、妥結率は24.7%です。前回調査から55組合・13.1ポイント増えました。前年同期(111組合・31.3%)と比べ22組合・6.6ポイント下回っており、依然として粘り強いたたかいが続いている状況が伺えます。

全体の回答内容
 有額回答を引き出した20単産・部会での単純平均(一組合あたりの平均)は、5,843円・1.97%で、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、6,240円・2.04%となっています。
 前回調査と比較すると、単純平均円121円増・プラス0.01ポイント、加重平均109円増・マイナス0.01ポイントとなっています。前年同期との比較では、単純平均で369円増・プラス0.05ポイント、加重平均で206円増・マイナス0.02ポイントとなっています。
 数次にわたる上積み回答を引き出した組合は前回調査から30組合増え、回答引出し組合の20.2%にあたる73組合となりました。JMIU、地方マスコミの2組合で5次回答を引き出したのをはじめ、JMIUの4組合が4次回答、JMIU(7組合)、化学一般労連(4)、地方マスコミ(3)、建交労・運輸、全印総連、日本医労連、地方登録(各1)の18組合で3次回答を引き出しています。上積み回答引出し組合は、前年同期(59組合・16.6%)を14組合・3.6ポイント上回っています。
 例年、春闘後半戦に入り回答内容がやや厳しくなる傾向がありますが、各組合が追い上げをはかり、プラス傾向での推移を維持しています。
 また、出版労連の組合で16,730円を引き出したのを筆頭に、月額1万円以上の賃金引き上げを獲得したのは、出版労連(10組合)、JMIU(6)、民放労連(3)、建設関連労連(2)、日本医労連、地方マスコミ(各1)の23組合となりました。前回調査からは3組合、前年同期から4組合増えています。
 率で2.0%以上の回答を引き出したのは、前回調査から13組合増え、100組合(前年同期103組合)となっています。
 単産・部会別の集計をみると、建交労・建設、建設関連労連、JMIU、全労連・全国一般の製造、検数労連、郵政産業ユニオン、民放労連、出版労連、地方マスコミが高水準となっています。
 単純平均額で前年同期と比較が可能な18単産・部会のうち、14単産・部会がプラス、4単産・部会がマイナスとなっています。
 消費税増税や診療報酬改定など厳しい条件もある中、各職場での奮闘が伺える状況となっています。尚、建設関連労連では4,074円減となっていますが、これは前年同期の集計が2組合で、かつ高額回答を引き出していたことが影響しています。
 規模別でみると、「29人以下」が、単純平均で6,035円・2.13%(前年同期比820円増・プラス0.18ポイント)、加重平均5,958円・2.06%となっているほか、小規模組合が健闘しています。「1000人以上」では、単純平均額・率ともに前年同期比マイナスが続いていますが、高水準を維持しています。

前年実績比較可能組合での回答状況
 前年実績との対比が可能な259組合での単純平均額は5,853 円で、前年実績比312円増となっています。このうち60.6%にあたる157組合が前年実績額以上の回答を引き出し、前年同期143組合を14組合上回っています。前年実績超組合も前年同期(110組合)から22組合増え、132組合となっています。率で前年実績と対比が可能な172組合の結果では、単純平均で2.02%と前年実績からプラス0.12ポイントとなっています。
 単産・部会別にみると、建設関連労連が前年実績比3,416円増・プラス1.52ポイントとなったのをはじめ、全農協労連(431円増・プラス0.32ポイント)、建交労・建設(1,800円増・プラス0.42ポイント)、JMIU(710円増・プラス0.24ポイント)、建交労・製造(297円増・プラス0.11ポイント)、全国一般・製造(1,979円増・プラス0.74ポイント)、建交労・運輸(282円増・プラス0.14ポイント)、建交労・鉄道(605円増・プラス0.24ポイント)、検数労連(1,428円増・プラス0.45ポイント)、郵政産業ユニオン(962円増・プラス0.28ポイント)、全印総連(802円増・プラス0.32ポイント)、地方登録(471円増・プラス0.13ポイント)と12単産・部会が額・率ともに前年実績比プラスとなっています。全労連・全国一般の卸売・小売、地方マスコミでは額で、化学一般労連、出版労連では率で前年実績比プラスとなっています。
 規模別では「29人以下」、「30〜99人」、「100〜299人」の中小規模組合で額・率ともに前年実績比プラスで推移しています。

パート・アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げ
 パート、アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げは、別表の9単産から108組合・180件の成果獲得の報告が寄せられました。時間額での引き上げ獲得は132件、日額は12件、月額は36件となっています。
 獲得件数は、前回調査(3月27日時点)からは30組合・64件増え、前年同期(2013年4月11日時点:8単産・117件)を63件上回っており、「すべての労働者の賃上げ」を求めるたたかいの成果が伺える状況となっています。
 時間額の引き上げ額回答の報告があった106件の単純平均額は15.0円で、前回調査(11.8円)から3.2 円増、前年同期(20.1円)からは5.1円減となっています。
 日額では12件平均146.1円、月額では26件平均で2,682円の平均賃上げ額となっています。
出版労連では「時間額一律280円引上げ」、JMIUでは「再雇用者も含め正規雇用労働者と同等の賃上げ」などの結果が勝ち取られています。

企業内最低賃金協定改定状況
 企業内最低賃金協約の締結・改定は、別表の4単産99組合から獲得の報告が寄せられています。前回調査(3月27日時点:91組合)から8組合増え、前年同期(2013年4月11日現在:47組合)を52組合上回っています。
 月額では、改定後の金額表示のあった77組合の平均が18万3,523円、日額で31組合平均8,368円、時間額で80組合平均1,023 円なっています。
 引き上げ額・率では、月額で53組合の単純平均3,841円・2.35%、日額では30組合平均260円・3.78%、時間額は69組合平均25円・2.64%の上げ幅となっています。
 獲得数、改定後金額、引上げ額・率いずれも前年同期を大きく上回っており、「賃金底上げ」の取り組みが前進しています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第3回回答集計(平均賃上げ方式・4月1日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 1,962 187.7 6,495 2.20 5,284 1.80 4,954 1.99 4,325 1.69
中小共闘 1,178 12.4 4,810 1.97 4,160 1.66 4,484 1.93 3,930 1.62
※中小共闘は、規模300人未満

●連合・第3回回答集計(非正規雇用労働者の賃金引き上げ・4月1日公表)は以下のとおりです。
集計対象 時間額 月額
組合数 金額 組合数 金額
全組合 129 14.08 87 3,339

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