2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第24号 2014年4月16日

2014年春闘・制度的諸要求(中間集計(1))

550件の前進回答引き出す!

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)はこのほど、2014年春闘における制度的諸要求(各種休日休暇、労災対策、雇用保障、各種手当など)の獲得状況をまとめました。4月8日現在、15単産・2地方269組織(連合会・単組・支部などの交渉単位)から報告が寄せられ、550件の条件改善を獲得しています。

【正規雇用で働く仲間の諸要求改善】
 正規雇用で働く仲間の条件改善は、14単産・2地方の203組織で、341件の改善獲得の報告が寄せられました。前年同期(2013年4月8日時点)の203組織369件とほぼ同水準となっています。

時短関係
 労働時間短縮・休暇・残業関係では、51組織が59件の要求前進を獲得しています。前年同期と比較すると11組織4件増えています。休日休暇、介護休業・休暇および看護休業・休暇、残業関係に関する項目で多くの成果を獲得しています。
 休日休暇では、JMIUで「年間休日3日増」など9組織9件獲得したのをはじめ、「半日有給休暇取得回数制限の緩和」(全倉運)、「有給での誕生日休暇」(出版労連)、「年に1回、連続して3日間の有給でのリフレッシュ休暇」(民放労連)など24組織で24件の制度改善を実現しています。
 介護・看護休業関係では、「子ども看護休暇の対象期間を小学校3年修了までに延長し、年10日のうち5日を有給とする」(全印総連)、「同一要介護者の同一事項ごとに介護休暇7日を有給保障」(出版労連)など13組織が14件の成果を勝ち取っています。
 残業関係では、「ノー残業デーを設定」(生協労連)、「不払い残業代の支払い」(福祉保育労)など9組織で9件の要求前進を実現しています。
 育児休業・休暇関係では、「育児休暇の賃金・一時金全額保障を明文化」(出版労連)など出版労連、民放労連の5組織で5件の制度改善を獲得しています。

年齢保障・初任給・格差是正
 年齢などによる賃金保障の改善は、「45歳最低賃金1,500円増」(建交労)など、建交労、JMIUの3組織で7件となっています。
 初任給増額などによる格差是正を獲得したのは、日本医労連(4件)、JMIU(3件)、全農協労連(2件)、生協労連(2件)、自交総連、出版労連(各1件)の12組織で13件となっており、全農協労連の職場では「初任給1万円引上げ実現」の報告も寄せられています。

社会保障・母性保護・労災補償・安全衛生関係
 社会保障負担割合の改善での要求前進は、全印総連での1件となっています。母性保護関係では、「出産休暇1日増」(JMIU)、「子宮がんマンモグラフィ健診を検討」(化学一般労連)、「妊娠休暇の半日取得可能」(出版労連)など4組織で5件の改善となっています。
 労災補償の上積み獲得は、JMIU(3件)、全印総連(1件)の4組織4件となっています。安全衛生関係では、「原発作業の被曝防止」、「安全パトロール実施」などJMIUで18件獲得したのをはじめ、25組織で29件の要求実現を果たしています。「職場復帰プログラムの実施」、「ハラスメント防止」、「健康破壊阻止のため物理的人員的対応」など心と体の健康に関わる要求も各職場で前進させています。

人員増・雇用延長・退職金
 人員増要求での前進はJMIU(18件)、日本医労連(2件)、福祉保育労(2件)の計22組織23件となっています。定年・雇用延長関係では、高年齢者雇用安定法が改正された昨年からは、獲得件数が減りましたが、「65歳までの定年延長検討」(生協労連)、「65歳までの継続雇用」(青森)など8組織で8件の成果を獲得しています。
 退職金関係では、「退職金制度の新設」、「退職金増額」など、建交労、JMIU、出版労連の4組織から4件の報告が寄せられています。

各種手当・職場環境改善など
 その他、128組織で188件の要求前進の報告が寄せられています。そのうち「各種手当の改善・新設」が80組織102件となっています。その内容は、通勤手当、住宅手当、扶養手当、夜勤手当などの上積みや期末一時金の獲得などで、「通勤時の有料道路料金支給」(全農協労連)、「研究発表奨励金」(日本医労連)などの報告も寄せられています。
 また、「トイレの改善」や「シャワー室設備」など職場環境の改善は、28組織が40件の改善を実現しており、「パソコンのブルーライト対策として希望者にはディスプレイに保護フィルムを設置」(出版労連)、「マッサージチェア配置」(民放労連)などの要求も実現させています。
 その他、「事前協議・同意協定の締結」、「情報開示」などの報告が寄せられています。

【パート・再雇用者など非正規雇用で働く仲間の諸要求改善】
 非正規雇用で働く仲間の条件改善は、11単産・1地方の115組織で、209件の改善獲得の報告が寄せられました。前年同期(2013年4月8日時点)から25組織83件増えています。

パートやアルバイトなどで働く仲間の諸要求獲得(再雇用・継続雇用除く)
時短関係
 休日休暇関係では、「臨時職員の療養有給休暇制度について、現行110日を120日に増やす」(全農協労連)、「パート・スタッフ職員の本人結婚5日・子どもの結婚2日の特別休暇を有給化」(生協労連)、「パートの忌引き休暇の範囲拡大」(自治労連)など16組織で18件の前進回答を引き出しています。
 育児休業・休暇関係では、「月給制契約社員の育児休暇を有給化」、「月給制契約社員の育児時短勤務を現行6時間勤務から、6時間、5時間、4時間勤務からの選択制に」(通信労組)、「パート・スタッフ職員の育児時短を小学2年終了時までに延長」(生協労連)の3件を獲得しています。

初任給・各種手当・社会保障・退職金
 可処分所得に関わる要求での成果獲得では、各種手当の改善が67組織112件と最も多く、前年同期の47組織58組合から大きく前進しています。各種手当の多くは、「期末一時金・奨励金の獲得」、「通勤手当の増額」などとなっています。民放労連の職場では、制作会社スタッフなど自社社員以外の外部スタッフも含めた構内で働く労働者に、激励金として現金5,000円、クオカード1万円分などの支給を実現させています。
 初任給増額などによる格差是正を獲得したのは、全農協労連、生協労連、日本医労連の3組織3件となっています。
 退職金関係では、「パート職員の退職慰労金増額」(生協労連)など、生協労連、日本医労連の4組織で5件の前進報告が寄せられています。

人員増・正規化・無期雇用化・雇用延長
 人員増要求は、福祉保育労の職場から1件の報告が寄せられ、非正規雇用労働者の正規化や無期雇用化要求では、検討表明を含めて13組織13件の前進回答を引き出しています。生協労連では、「5月の契約更新時から、現状で3年を超えるパートは希望により無期雇用化」など8件獲得。JMIU、日本医労連の職場では「正社員化」も実現させています。
 また、JMIU、生協労連では、「準社員の再雇用制度確立」、「パートの定年延長」などの制度改善を獲得しています。

均等待遇・母性保護・労災補償・安全衛生など
 賃金引き上げや初任給増額、時短関係などを除く均等待遇の実現は、「労働契約法の差別禁止規定の運用」(全農協労連)など4組織から4件の成果を獲得しています。
 母性保護関係では、生協労連から「非正規雇用労働者の生理休暇の有給化」の報告が寄せられ、安全衛生に関わる要求では、通信労組の2職場で「時給制契約社員の多目的健康診断の実施」を実現させています。
 その他、「関係会社・協力スタッフへの1週間の食堂無料開放」(民放労連)などの報告も寄せられています。

再雇用・継続雇用で働く仲間の諸要求獲得
 再雇用や継続雇用で働く仲間の諸要求実現も広がっています。休日休暇関係は、「再雇用者の有給での誕生日休暇」(出版労連)、「再雇用者の夏休み新設」(民放労連)など7組織で7件の制度改善を獲得しています。
 賃金保障関係では、「無年金者の年収300万円確保」(JMIU)など4組織で5件、均等待遇関係は、「定年以降65歳まで労働条件を継続」(自交総連)など5組織で7件となっています。JMIUの職場からは、「再雇用者の労災補償上積み」の報告も寄せられています。
 諸手当の上積み・改善は、15組織が18件の前進回答を引き出しています。多くは再雇用者・継続雇用者への「一時金支給」ですが、「再雇用者の住宅手当支給」(JMIU)、「再雇用者への介護休業見舞金の10万円増額」(民放労連)などの獲得報告も寄せられています。

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