2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第28号 2014年5月14日

2014年春闘・制度的諸要求(中間集計(2))

非正規の仲間の要求も大きく前進

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)はこのほど、2014年春闘における制度的諸要求(各種休日休暇、労災対策、雇用保障、各種手当など)の獲得状況の第2回目となる中間集計をまとめました。5月12日現在、17単産・2地方430組織(連合会・単組・支部などの交渉単位)から報告が寄せられ、959件の条件改善を獲得しています。

【正規雇用で働く仲間の諸要求改善】
 正規雇用で働く仲間の条件改善は、16単産・2地方の350組織から632件の制度改善報告が寄せられました。今回あらたに、建設関連労連、映演労連から報告がよせられています。前回調査(4月8日時点:14単産・2地方・203組織・341件)からは、147組織291件増え、前年同期(2013年5月13日時点:357組織637件)と比べるとほぼ同水準となっています。

時短関係
 労休日休暇・残業関係・育児・介護休業など労働時間短縮に関する要求では、93組織で111件の制度改善を獲得しています。前回調査(51組織59件)から42組織52件増え、前年同期(73組織105件)を20組織6件上回っています。
 所定内労働時間短縮では、「年間休日1日増による年間労働時間の短縮」(化学一般労連)など6組織で6件の要求前進を実現しています。
 休日休暇関係では、「誕生日を特別休暇に」(自交総連)、「有給休暇の取得促進」(福祉保育労)、「深夜勤務5回目以降に半日の特別休暇付与」(日本医労連)など44組織で46件の制度改善を獲得しています。
 残業関係では、福祉保育労で「運動会など行事の事前準備の時間外手当支給」など10件の改善を実現したのをはじめ、「年間360時間を超える場合の超過勤務手当を135%に引き上げ」(郵政産業ユニオン)、「超過勤務の解消対策強化」(JMIU)など、19組織が19件の成果を獲得しています。
 育児休業・休暇関係では、「子育て中の職員の時間差退勤を認める」(建交労)、「育児時短要件の緩和」(出版労連、民放労連)など10組織で10件の改善報告が寄せられ、介護・看護休業関係では、「子の看護休暇の有給化検討」(化学一般労連)、「93日間を限度に1日1時間の介護時短を有給保障」(出版労連)など17組織が19件の要求前進を勝ち取っています。

年齢保障・初任給・格差是正
 年齢や職種による最低保障賃金の協定化や最低年収保障での要求前進は、建交労、JMIU、福祉保育労の8組織で12件となっています。
 初任給増額などによる格差是正要求を実現させたのは、25組織・27件で、「55歳から59歳までの定昇を年間毎年100円ずつ増額」(民放労連)、「若年次調整2,000円引上げ」(日本医労連)などの報告も寄せられています。

社会保障・母性保護・労災補償・安全衛生関係
 社会保障負担割合の改善は、全倉庫、全印総連での2組織2件となっています。全倉運の職場では、「消費税増税に鑑み、健康保険料額の自己負担分の3%を組合員に還元」を勝ち取っています。
 母性保護関係では、出産休暇日数の増日のほか、「出産休暇取得時の賃金保障」(建交労)、「女性職員の復職・協業などについて実施」(建設関連労連)、「かかりつけ医での婦人科検診費用補助」(民放労連)など8組織で9件の改善を実現しています。
 労災補償の上積み獲得は、前回調査から1件増え、JMIU(3件)、化学一般労連、全印総連(各1件)の5組織5件となっています。
 安全衛生関係では、JMIU(18件)、福祉保育労(12)、化学一般労連(8)、出版労連、民放労連(各3)、建交労、生協労連(各2)、全倉運、全印総連、日本医労連(各1)の43組織で51件の要求実現を果たしています。内容は、「安全パトロールの実施」、「防寒ズボン・ヘルメットの支給」などの労働災害対策やメンタルヘルスケア関係、ハラスメント対策、健康診断関係となっています。化学一般労連や全倉運の職場からは、「分煙化」に関する前進報告も寄せられています。

人員増・雇用延長・退職金
 人員増要求では、前年同期(25組織31件)を上回る35組織から37件の前進回答引出しの報告が寄せられています。定年・雇用延長関係では、JMIU、自交総連(各3件)、生協労連(2)、化学一般労連、全印総連、青森(各1)の11組織で11件の成果を獲得しています。
 退職金関係では、「退職金制度の新設」、「退職金増額」など、建交労、JMIU、化学一般労連、出版労連の5組織から5件の報告が寄せられています。

各種手当・職場環境改善など
 その他、236組織で362件の制度改善を獲得しています。そのうち、通勤手当、住宅手当、扶養手当、夜勤手当などの上積みや期末一時金の獲得など「各種手当の改善・新設」が151組織206件となっています。「自動車通勤者の通勤手当を消費税増税相当分増額」(化学一般労連、全倉運)などの報告も寄せられています。
 また、職場環境の改善は、JMIUで22件勝ち取ったのを筆頭に、44組織が57件の改善を実現しています。その内容は、「空調設備の改善」、「トイレ改善」など設備関係の改善や「制服の新調」などとなっています。
その他、「東京トラック最低賃金の法制化に賛同と協力」(建交労)、「産業政策提言への協力」(全印総連)などの報告が寄せられています。

【パート・再雇用者など非正規雇用で働く仲間の諸要求改善】
 非正規雇用で働く仲間の条件改善は、12単産・1地方の170組織から327件の改善報告が寄せられました。
 前回調査(4月8日時点:11単産・1地方・115組織・209件)から55組織118件増えています。前年同期(2013年5月13日時点:167組織252件)を3組織75件上回っています。

パートやアルバイトなどで働く仲間の諸要求獲得(再雇用・継続雇用除く)
時短関係
 休日休暇関係は、「臨時職員の忌引休暇実施」(全農協労連)、「非正規雇用労働者も含め有給での誕生日休暇新設」(出版労連)、「非正規全般に夏季休暇2日付与」(自治労連)、「夏季冬季休暇を1日増やす」(福祉保育労)、「非正規職員の結婚休暇(5日間)の有給化」(青森)など、前年同期(12組織16件)上回る22組織で22件の制度改善を勝ち取っています。
 育児休業・休暇関係では、前回調査の通信労組、生協労連での3組織3件に、日本医労連での「育児休業の取得期間延長」が加わり、4組織4件となっています。

初任給・各種手当・社会保障・退職金
 可処分所得に関わる要求での成果獲得では、各種手当の改善が107組織190件、初任給増額・募集賃金引き上げが5組織5件、退職金関係が4組織5件となっています。いずれも前年同期を上回る成果を獲得しています。
 各種手当の多くは、前回調査同様に、「期末一時金・奨励金の獲得」、「通勤手当の増額」などとなっています。「パート労働者に食事手当一律2,000円支給」(JMIU)、「フルタイム臨時職員に住居手当1万円限度で支給」(日本医労連)などの報告も寄せられています。
 初任給増額・募集時給増額を獲得したのは、生協労連、日本医労連(各2件)、全農協労連(1件)の5組織5件となっています。全農協労連の職場では「契約社員の初任給月額1万円増額」を勝ち取っています。
 退職金関係では、前回調査と変わらず、生協労連、日本医労連の4組織で5件となっています。

人員増・正規化・無期雇用化・雇用延長
 非正規雇用での人員増要求前進は、前回調査同様に福祉保育労での1件となっています。
 非正規雇用労働者の正規化や無期雇用化要求では、改正労働契約法が施行された昨年と比べ、獲得件数は減りましたが、生協労連で10件の前進回答を引き出したのをはじめ、JMIU(3件)、全印総連、日本医労連、福祉保育労(各1件)の計16組織で16件の成果を獲得しています。
 また、定年延長や雇用延長関係では、「雇用契約期間を2ヵ月から6ヵ月に延長」(出版労連)、「アルバイト組合員の雇止めを撤回させ、雇用期間を1年延長させる」(民放労連)、「シニアパートの定年延長を検討」(生協労連)など5組織から6件の要求前進の報告が寄せられています。

均等待遇・母性保護・労災補償・安全衛生など
 賃金引き上げや初任給増額、時短関係などを除く均等待遇の実現は、全農協労連、JMIU、生協労連、民放労連、日本医労連、福祉保育労の6組織で6件の成果を獲得。
 母性保護関係では、「生理休暇の有給化」獲得の報告が生協労連の2組織から2件寄せられ、安全衛生に関わる要求では、前回報告があった通信労組の2件に加え、「全構内労働者に労災ヘルメット支給」(民放労連)、「健康診断日は4時間を勤務時間、3時間を年休にする」(福祉保育労)を獲得し、4組織4件となっています。
 その他、「食堂で使用するエプロン・ブラウスの支給」(生協労連)などの16組織から16件の報告も寄せられています。

再雇用・継続雇用で働く仲間の諸要求獲得
 再雇用・継続雇用で働く仲間の要求に関して、休日休暇関係では、「再雇用者の夏休み取得期間の延長」(民放労連)、「再雇用者の慶弔休暇を5日から7日に」(JMIU)、「定年後嘱託職員の有給休暇を正社員時から継続」(日本医労連)など8組織で9件の制度改善を実現しています。
 賃金保障関係では、「無年金者対策して4万5千円支給」(JMIU)など、JMIU、生協労連(各2件)、日本医労連、福祉保育労(各1件)の5組織で6件の成果を獲得しています。
 均等待遇関係は、「再雇用者の手当て等の均等待遇の実現」(JMIU)など6組織で8件となっています。労災補償上積み獲得は、前回調査同様にJMIUでの1件となっています。
 諸手当の上積み・改善は、20組織が26件の前進回答を引き出しており、その多くは再雇用者・継続雇用者への「一時金支給・激励金支給」となっています。

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