2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第29号 2014年5月15日

2014春闘・第6回賃上げ集計

各職場が奮闘!前年比プラスで推移

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は14日、2014年春闘における第6回目の賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
  2014年 2013年
登録組合数 859 871
回答組合数 441(51.3%) 424(48.7%)
うち金額・率回答 324 352
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
117 72
うち上積み獲得 99(22.5%) 84(19.8%)
うち妥結組合数 189(42.9%) 194(45.8%)

<回答内容>
集計方法&対象 2014年 2013年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,824  5,410  +414 
率(%)  2.01   1.92  +0.09 
加重平均 額(円) 6,261  5,953  +308 
率(%)  2.07   2.02  +0.05 
組合員数(人) 85,159  99,205   

<前年実績との比較が可能な組合における回答状況(単純平均額での比較)>
前年比較可能な組合数 うち前年実績以上 (前年超) (同 額)
295 194(65.8%) 165 29

<前年実績との比較が可能な組合における単純平均額・率の比較>
  組合数 金額・率 前年実績 (前年比)
単純平均 額(円) 295 5,852 5,426 +426
率(%) 190 2.05 1.89 +0.16

※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
回答引出し・妥結状況

 第6回集計には、新たに金融労連から報告が寄せられ、23単産・部会(うち、通信労組は、数字でなく言葉による回答のため総括表には表記せず)での集計となりました。
 登録859組合のうち、これまでに回答を引き出したのは、第5回集計(4月23日時点)から38組合4.4ポイント増え、441組合・51.3%となりました。前年同期(2013年5月14日時点:424組合・48.7%)を17組合・2.6ポイント上回っています。
 回答を引き出した組合のうち妥結したのは、189組合で、妥結率は42.9%となっています(「定昇のみ」などの言葉による回答組合も含む)。前回調査から39組合・5.7ポイント増えています。しかし、前年同期(194組合・45.8%)と比べると5組合・2.9ポイント下回っています。
 JMIU、化学一般労連、建交労・鉄道、検数労連、郵政産業ユニオン、出版労連、地方マスコミなどでは妥結もしくは妥結傾向にありますが、5月の連休を経てもたたかいを継続する組合は相当数にのぼる状況となっています。

全体の回答内容
 有額回答を引き出した22単産・部会での単純平均(一組合あたりの平均)は、5,824円・2.01%、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、6,261円・2.07%となっています。
 前年同期と比べ、単純平均で414円・0.09ポイント、加重平均で308円・0.05ポイント上回っており、前回調査同様に、前年同期を上回る状況で推移しています。
 単純平均は、前回調査から金額で10円低下しましたが、率で0.01ポイント上昇し、加重平均は、36円・0.02ポイント上昇しています。
 回答引出し組合のうち、前年同期(84組合・19.8%)を15組合・2.7ポイント上回る99組合・22.5%が、2次回答以上の上積み回答を引き出していること合わせ、各組合の奮闘が伺える回答状況となっています。
回答の水準をみると、最高額は出版労連の組合の16,730円で、出版労連(11組合)、JMIU(7)、建設関連労連、民放労連(各3)、映演労連、日本医労連、地方マスコミ(各1)の計27組合で月額1万円以上の賃金引き上げを獲得しています。また、引上げ率の最高は出版労連の組合の6.2%で、2.0%以上の引上げ率となった組合は、119組合となっています。
 一方で、生協労連の2組合で「定昇凍結」、地方登録(4組合)、建交労・運輸(3)生協労連、全印総連(各1)の計9組合で「ゼロ回答」、JMIU、生協労連の2組合で「回答延期」の報告も寄せられており、消費税増税や燃料費・原材料の高騰が中小企業の経営に悪影響をもたらしていることを伺わせます。
 単産・部会別の集計をみると、単純平均額で前年同期と比較が可能な22単産・部会のうち、15単産・部会が対前年同期比プラス、7単産・部会がマイナスとなっています。業態別にみると、消費税増税の影響を受けたと思われる卸売・小売業が前年比マイナス傾向となっていますが、製造業、運輸・通信業をはじめ他産業ではプラス傾向となっており、平均賃上げ率2.0%を超える単産・部会も一定数に達しています。
 また、規模別でみると、「1000人以上」が単純平均6,202円・2.03%、加重平均6,790円・2.27%と全体を牽引していることと合わせ、中小規模組合での奮闘が光ります。

前年実績比較可能組合での回答状況
 前年実績との対比が可能な295組合での単純平均額は5,852 円で、前年実績比426円増となっています。このうち65.8%にあたる194組合が前年実績額以上の回答を引き出し、前年同期181組合を13組合上回っています。前年実績を超えた組合も前年同期(141組合)より24組合多い165組合となっています。
 単産・部会別にみると、単純平均額で22単産・部会のうち、前年実績比プラスが18単産、マイナスが4単産・部会となっています。
 引き上げ率で前年実績と対比が可能な190組合の結果は単純平均で2.05%となり、前年実績を0.16ポイント上回っています。率で比較可能な20単産・部会のうち、プラスは16単産・部会、マイナスは4単産・部会です。
 規模別では、前年実績と比べ、「29人以下」が890円増・+0.33ポイント、「30〜99人」が453円増・+0.27ポイント、「100〜229人」が362円増・+0.13ポイント、「300〜999人」が110円増・−0.02ポイント、「1000人以上」が226円減・+0.05ポイントと、中小規模組合が健闘しています。

パート・アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げ
 パート、アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げは、別表11単産の143組合から240件の成果獲得の報告が寄せられています。前回調査(4月23日時点:137組合・299件)から6組合・11件増え、前年同期(2013年5月14日時点:231件)を9件上回っています。
 時間額での引き上げ獲得は180件(前回調査比8件増・前年同期比3件増)、日額は15件(前回同・前年6件増)、月額は45件(前回3件増・前年同)となっています。
 時間額の引き上げ額回答の報告があった137件の単純平均額は28.2円で、前回調査比(23.1円)5.1円増と、集計を重ねるごとに上昇しています。また、前年同期(26.0円)からも2.2円増と前進しています。尚、日額では15件平均158.9円、月額では36件平均2,796円となっています。
 「すべての労働者の賃上げ」を求めるたたかいが職場段階から前進しています。

企業内最低賃金協定改定状況
 企業内最低賃金協約の締結・改定は、別表の7単産・1地方の126組合から報告が寄せられています。前回調査(4月23日時点)から2組合増え、前年同期(2013年5月14日時点:9単産・70組合)を56組合上回っています。
 月額では、改定後の金額表示のあった91組合の平均は17万9,838円、日額で38組合平均8,254円、時間額で99組合平均982円です。依然として、前年同期(月額16万1,047円・日額7,196円・時間額828円)を大幅に上回っています。
 引き上げ額・率では、月額では68組合平均3,342円、率で67組合平均2.04%、日額では37組合平均236円・3.40%、時間額は81組合平均19.7円・80組合平均2.09%の上げ幅となっています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果
●連合の第6回回答集計(平均賃上げ方式・5月9日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 3,898 243.5 6,103 2.11 5,000 1.74 4,433 1.84 3,925 1.61
中小共闘 2,786 26.5 4,422 1.84 4,118 1.60 4,074 1.77 3,640 1.57
※中小共闘は、規模300人未満

●連合・第6回回答集計(非正規雇用労働者の賃金引き上げ・5月9日公表)は以下のとおりです。
集計対象 時間額 月額
組合数 金額 組合数 金額
全組合 208 12.75 127 3,010

●日本経団連の第1回回答集計(4月16日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 41 7,697 2.39 6,051 1.88 5,930 1.98 5,194 1.74
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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