2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第33号 2014年6月5日

2014年春闘・第5回進ちょく状況調査

回答引出し、回答水準 前年超
春闘終盤に入り妥結も進む

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は3日、加盟全単組を対象とした2014年春闘における第5回目の「春闘進ちょく状況」調査を実施し、22単産(3705組合)からの報告をまとめました。

1.要求提出状況
 第5回進ちょく状況調査には、別表の22単産から報告が寄せられ、交渉単位では3705組合の集計となりました。今回あらたに福祉保育労から報告が寄せられています。
 6月3日段階で要求提出が確認できた組合は、2421組合で、調査組合の65.3%となっています。要求提出率100%を達成している単産は、合同繊維、検数労連、全損保、郵政産業ユニオンの4単産で、全倉運(97.5%)、金融労連(93.8%)が9割台、通信労組(88.5%)、民放労連(88.1%)、映演労連(87.5%)、特殊法人労連(87.5%)、出版労連(82.7%)、化学一般労連(81.1%)が8割台、JMIU(76.8%)、日本医労連(72.1%)が7割台、建交労(67.3%)、全農協労連(63.4%)、全労連・全国一般(62.5%)、自交総連(61.8%)が6割台と続いています。
 第4回調査(5月19日時点)から要求提出率が上昇した単産は、建設関連労連(7.ポイント増)、自交総連(5.6ポイント増)、生協労連(3.9ポイント増)、日本医労連(2.3ポイント増)、全農協労連(2.1ポイント増)、化学一般労連(1.1ポイント増)、建交労(0.5ポイント増)となっています。
 前年同期(2013年6月5日時点:22単産・2568組合・69.7%)と比べ、要求提出組合数は147組合、要求提出率では4.4ポイント下回っています。要求提出率が前年同期を上回っている単産は、建設関連労連(26.8ポイント増)、特殊法人労連(9.7ポイント増)、出版労連(5.8ポイント増)、化学一般労連(2.2ポイント増)、民放労連(0.9ポイント増)の5単産で、要求提出率100%の4単産と映演労連の5単産が前年同期と同率となっていますが、12単産が前年同期を下回る状況となっています。

2.ストライキ権確立状況
 調査組合のうち、ストライキ権を確立したのは1275組合・44.6%となっています。前回調査から13組合・0.5ポイント上昇しましたが、前年同期(1371組合・51%)を96組合・6.4ポイント下回っており、現時点でも過半に達していません。

 しかしながら、検数労連、通信労組、全損保、映演労連、郵政産業ユニオンの5単産が全組合でストライキ権を確立し、また、建交労(36組合・6ポイント増)、建設関連労連(2組合・4.9ポイント増)、生協労連(1組合・0.4ポイント増)、民放労連(2組合・1.3ポイント増)、出版労連(3組合・5.6ポイント増)、映演労連(2組合・12.5ポイント増)、日本医労連(20組合・4.2ポイント増)では、組合数・割合ともに前年同期を上回っています。

3.回答引出し状況
 要求提出した2421組合のうち、回答を引き出したのは1650組合(回答引出し率68.2%)となりました。前回調査(1343組合・62.6%)から5.6ポイント上昇し、前年同期(1568組合・61.2%)を82組合・7ポイント上回っています。
 回答引出し率100%の単産は、前回調査同様に検数労連、通信労組、郵政産業ユニオン、特殊法人労連の4単産で、生協労連(97.7%)、民放労連(94.6%)、JMIU(94.2%)、全倉運(92.3%)、出版労連(88.9%)、化学一般労連(86.3%)、全印総連(86.2%)、建設関連労連(80%)、日本医労連(79.1%)と続いています。
 前回調査と比べ顕著に回答引出し率が伸びているのは、金融労連(20組合・33.3ポイント増)、建設関連労連(7組合・27.1ポイント増)、自交総連(48組合・23.9ポイント増)、全農協労連(33組合・20.6ポイント増)、全損保(2組合・16.7ポイント増)となっています。
 また、福祉保育労(42組合・21.9ポイント増)、JMIU(24組合・17.9ポイント増)、金融労連(10組合・17.2ポイント増)全労連・全国一般(48組合・16ポイント増)などで、前年同期を大きく上回る回答引出し状況となっています。

4.回答の内容
 <定昇制度あり>の職場 <定昇制度あり>の職場(回答949組合)では、「定期昇給+ベア」回答を引き出した組合は、回答949組合の20%にあたる190組合となりました。前回調査から33組合増え、前年同期(107組合・14.4%)を83組合・5.6ポイント上回っています。
 「ベアゼロ・定昇のみ」回答は、749組合・78.9%と多数を占めていますが、前年同期(608組合・82.1%)比で141組合・3.2ポイント減少しました。
 福祉保育労の職場から「借金返済を理由とした昇給凍結」などの報告が寄せられるなど、福祉保育労(8組合)、生協労連(1組合)、特殊法人労連(1組合)の計10組合で「定昇凍結や賃金引下げ提案」が出されています。生協労連では、2組合で定昇の一部凍結の回答がされましたが、鹿児島の組合では、「定期昇給の半年間凍結」の第1次回答を団体交渉で撤回させています。

 <定昇制度なし>の職場 <定昇制度なし>の職場(回答575組合)では、「有額獲得」を引き出した組織が468組合(回答組合中81.4%)と多数を占め、前年同期(235組合・72.5%)を7.7ポイント上回っています。
 「ゼロ回答」は107組合(回答組合中18.6%)となっています。第1回調査(3月17日時点)以降、集計を重ねるごとに「ゼロ回答」の割合が微増していましたが、この間の粘り強いたたかいも反映して、前回調査(20.8%)から2.2ポイント減少しました。

5.平均賃上げ額・率と妥結状況
 回答があった1650組合のうち、単純平均(一組合あたりの平均)額が報告された871組合の平均賃上げ額は5,198円となっています。前回調査(5,257円)からは59円減となりましたが、前年同期(4,583円)を615円上回っています。
 単産別にみると、前年同期と比較可能な16単産のうち、建設関連労連(1,847円増)、映演労連(1,779円増)、検数労連(1,678円増)、合同繊維(1,157円増)、全農協労連(1,113円増)、建交労(1,091円増)、全印総連(1,063円増)など12単産が対前年比プラス、4単産がマイナスとなっています。全損保からは、すでに出されている回答では、1組合を除いて昨年実績を上回る回答を引き出しているとの報告も寄せられています。
 平均賃上げ率は、483組合の平均で2.14%と前回調査(2.12%)から0.01ポイント上昇し、前年同期(1.97%)を0.17ポイント上回っています。

 要求提出組合のうち、現時点で妥結もしくは妥結方向としている組合は923組合・38.1%で、前回調査(600組合・28.0%)から323組合・10.1ポイント増えています。前年同期(839組合・37.1%)からは1ポイント増となっています。
 検数労連、郵政産業ユニオンが全組合で春闘決着をしているのをはじめ、JMIU(97.4%)、全倉運(89.7%)、全印総連(79.3%)、化学一般労連(76.7%)、出版労連(69.1%)、合同繊維(66.7%)など各組合での決着が進んでいます。しかし、要求提出組合の半数以上は未決着であり、たたかいは継続している状況となっています。

6.ストライキ実施状況
 ストライキの実施状況は、260組合でのべ338回となり、調査組合(未集計の単産除く)の11.8%となりました。前年同期(のべ323回・11.3%)とほぼ同水準となっています。
 3月13日の全国統一行動日「くらし守れの大行動」には、全国250ヵ所以上でストライキ決起したのをはじめ、JMIUでは、東京東部地協が産別第1次統一行動日(3月6日)のリレーストライキ、3月13日には半日ストライキでの統一ストライキ集会を実施し、第3次統一行動日には統一交渉団による回答促進行動を展開し、次々と上積み回答を引き出すなど、多くの組合が複数回のストライキに立ち上がりました。
 検数労連では、3波にのぼる全国港湾・24時間ストライキで決起し、映演労連は、産別回答指定日翌日の4 月15 日に、ストライキ権を確立した全組合がストライキを実施しました。また、郵政産業ユニオンは、3月18日に全国28職場でストライキを貫徹させています。
 化学一般労連からは、ストライキ突入組合は2組合と例年並みとなったが、ストライキ通告をして団体交渉に挑む組合が増えたとの報告も寄せられています。

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