2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第45号 2014年8月8日

2014年度人事院勧告

地域間格差拡大、新たな賃下げ
「給与制度の総合的見直し」を勧告

給与勧告は7年ぶりのベア勧告

 人事院は7日、国会及び内閣に対し、国家公務員一般職の給与等に関して「1,090円、0.27%」の官民較差にもとづいて若年層を重点に置いて月例給を引き上げるとともに、一時金を0.15ヵ月引き上げて年間4.10ヵ月とするなどの勧告・報告を行いました。同時に、俸給水準の引き下げ、地域手当の見直し、50歳台後半職員の賃下げなどを内容とする「給与制度の総合的見直し」についても勧告を行い、15年度から3年間かけて取り組むように要請しました。
 給与勧告では、民間給与と比較して月例給で公務員給与が「平均1,090円、0.27%」下回るため較差是正を行い、現行3.95ヵ月分の一時金を民間の支給割合4.12ヵ月に見合うように引上げるとし、7年ぶりのベア勧告となりました。「世代間の給与配分の観点から若年層に重点を置きながら俸給表の水準を引上げる」とし、1級の初任給を2,000円増額し、若年層に関しては初任給と同程度の引上を行う一方で、50歳台後半層の高齢層職員の基本給は据え置きとなります。
 また、医師に対する初任給調整手当の改定、交通用具使用者に係る通勤手当の改善、寒冷地手当支給地域の改定が盛り込まれています。
 給与水準の是正と併せて勧告された「給与制度の総合的見直し」は、民間賃金の低い12県を基準に平均2%の賃金引下げ、地域手当の格差を18%から20%へと拡大させ、50歳台後半層のベテラン職員の賃金を最大4%引き下げる内容となっています。
 同日、全労連、公務労組連絡会、国公労連、自治労連、全教、日本医労連などが声明・談話を発表。7年ぶりベア勧告は、賃金改善を求める粘り強いたたかいの反映であるが、2年間の賃下げ、消費税増税、物価上昇で悪化する公務労働者の生活改善にはほど遠く、きわめて不満な勧告である。また、「給与制度の総合的見直し」は、職場に新たな差別と分断を持ちこみ、地方切り捨てで地域経済を冷え込ませ、若年層にまで将来不安を広げるものだ。何より重大なことは、今回の「見直し」が、安倍内閣が昨年11月に閣議決定し、人事院に検討を要請した「給与体系の抜本改正」に忠実に応えたことであり、「給与臨時特例法(賃下げ法)」に代わって、人事院勧告制度を使って新たな賃下げをねらった点にこそ、今年の勧告の根本的な問題があると、政府方針に全面的に迎合・荷担した人事院に対して抗議の意を示しました。

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