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国旗 世界の労働者のたたかい
パキスタン
2005

パキスタン全土で労働者が抗議デー

 全パキスタン労働組合連盟=APTUFは2004年9月30日、労働者の直面している諸問題を解決しようとしない政府を非難し、民営化、労働組合の破壊、高インフレ、人減らし、失業に反対して、パキスタン全土で抗議デーを実施した。
 抗議集会が全国のすべての工業地帯で組織された。ラホールでは各工業地域ごとに示威行進が展開された。ムルタン、ファイゼラバードその他のすべての大都市でも大衆的な示威行動がおこなわれた。APTUFの活動家たちを先頭に、抗議デー行動への参加者たちは、「不公正な労働政策反対」、「人減らしをやめよ」、「われわれは平和が欲しい、仕事が欲しい」、「労働者は団結している。決して負けないぞ」などと書きこんだ横断幕やプラカードを掲げ、政府の反労働者的・反国民的政策への怒りをこめてスローガンを唱和した。
 この抗議デーにあたり、APTUFのグルザル・アハメド・チョーダリ書記長は、「労働者は政府の偏った政策によって苦しめられている」、「政府は労働者の賃上げを拒否し、労働者が賃上げを求めてたたかうのを阻止するために団体交渉権を制限している」、「政府は生活必需品の値上がりをくいとめることも、失業を規制することもできなかった」と、厳しく政府を批判した。そしてチョーダリ書記長は、労働者がいっそう団結を強めるよう訴え、工場の中に強固な団結を構築しようとよびかけた。労組幹部たちは抗議デー行動の中で、労使関係条令(IRO)をILO諸条約に合致するように改正して、労働組合の諸権利を復活させるよう強く要求した。
 9・30抗議デーでは、次のような要求項目が決議として採択された。

  • 「職務解任」に関する大統領条令などすべての反労働者立法を撤廃せよ。
  • 労使関係条令(IRO)の中の労働者の利益に反するすべての条項を廃止せよ。
  • 不熟練労働者のために月額6000ルピーの最低賃金を保障せよ。
  • すべての工業部門、民間部門、公的部門、農業その他のインフォーマル部門で労働組合の諸権利を復活させよ。
  • 下請け、日雇いなど不公正な雇用システムをやめさせよ。
  • 工業・商業企業の中での労働監督制度を復活させよ。
  • 社会保障および労働者福祉基金条令を、カーペット労働者や鉱山労働者も含めすべての工業・商業企業に適用させよ。
  • 公正価格販売店をすべての工業地域、煉瓦焼成地域、およびスラム地域に開設し、労働者に生活必需品を安価で供給できるようにせよ。(小森良夫)