◆ 航空スト
この共和国のバシキール航空で04年7月8日、労働協約をめぐる交渉が決裂し、同社の飛行従業員組合(PLS)がストライキを決行。首都ウファなどからの出発便の大半がストップした。このストは、ロシアで大規模な航空ストが相次いだ1995年以来の最大級のものである。
会社は最初マスコミに、欠航に伴う損害を労組側に請求する訴訟を起こすと語ったが、影響の大きさに慌て、8日夕、組合に交渉再開を申し入れた。ストは一時中止となった。会社側が労働条件の悪化につながる新たな協約案を提示したのは03年11月である。これにたいし労組側は年明けに、1)人員削減など労働条件の変更は労組との合意を必要とすること、2)物価上昇に見合う賃上げ、当面30%アップの実施―など26項目の要求を含む独自の協約案を示した。
バシキール航空には、PLS以外に、ロシア独立労組連盟(FNPR)傘下の組合もある。会社側は最初、同組合とだけの交渉で協約を締結しようとした。しかし、PLSが具体的な対案を掲げて活動を進める中で、FNPR労組を脱退しPLSに加入する労働者が相次ぎ、会社側もPLSを無視できなくなった。二つの労組は、1200人の労働者中、組合員がそれぞれ約500人で拮抗している。
PLSと会社との交渉が始まったものの、譲歩はわずかである。共和国検察庁、連邦航空運輸庁が労組の要請に応じて仲介に乗り出したが、進展が見られず、労組の無期限ストが宣言された。(坂本満枝)
|