■労働者15,000人、賃上げを訴え
11月29日、約15,000人の労働者が厳しい寒さの中、全国から種とブカレスに集まり、政府と企業に賃上げや解雇反対を訴えた。暖房費やお湯代を払えないほどの低賃金である。デモ参加者の多くは軍需、自動車、郵便などの職場の労働者で、雪や氷で覆われた市内の道を、生活水準の向上とナスタセ首相の辞任を求めて練り歩いた。
11月27日には、国営軍需工場で働く労働者1、000人近くが首都ブカレストの南西約250キロのクライオバ近くの道路を封鎖し、従業員1、800人のうち半数以上の解雇を打ち出した政府に抗議した。
1988年、24年以上続いたチャウシェスク政権が倒れ、市場経済化をめざす新体制に移行したルーマニアでは、国際通貨基金(IMF)のの合意にもとづき、1)緊縮財政と通貨安定化の政策、2)国営企業の民営化やリストラなどを政策の柱として政権運営を進めた。
しかし、倒産や鉱山の閉鎖などで失業率は1998年には10.4%になった。国内総生産(GDP)成長率も1999年まで3年連続マイナス成長となった。2001年11月に4年ぶりに帰り最多イリエスク大統領は、経済再建を最優先課題としてきたが、失業率はなおも8%である。1ヵ月の平均賃上げは00ドル(約12、500円)程度である。
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