【指標】「国民を苦しめている悪政からの転換を」(581号・全労連新聞2024年12月号)
総選挙が国会の風景を変えた
総選挙の結果、衆院で自民・公明の与党が過半数割れとなってから初の臨時国会が、間もなく閉会を迎えようとしている。与党の過半数割れは、国会の風景が変わったと言われるほどの変化をもたらした。衆議院に17ある常任委員会のうち7の委員会で野党議員が委員長を務め、3つの審査会のうち憲法審査会の委員長を立憲民主党の枝野幸男氏が務めることになった。憲法審査会の委員長を野党議員が努めるのは、初めてのこと。
憲法第9条に自衛隊の明記などを主張する「改憲勢力」も、衆議院では改憲発議に必要な3分の2を下回り、マスコミも改憲論議は「冬の時代に入った」と報じた。
臨時国会では24年度の補正予算を中心に、デジタル行政推進法、地方交付税法など補正予算に関連する法案や国家公務員等の給与に関係する法案が審議されている。今までのような「数の力」による横暴な国会運営は、もう許されない。野党が求めれば、個々の課題で十分な審議を行うことが可能となった。第一に国会に求められているのは、国民の怒りに火を付け、国会の風景が変わる発端となった自民党の「裏金疑惑」の徹底解明と、金権腐敗政治を許さない「企業団体献金の禁止」の実現だ。
劣化した政治に終止符打ち
国民の力で前進を
私たち国民は、長年にわたって自公政権による財界・大企業奉仕とアメリカいいなりの悪政に、苦しめられている。アメリカと共に戦争をするために進められている「戦争国家」づくりと大軍拡、自衛隊の明記や緊急時の議員任期延長を可能とする憲法改悪、新自由主義的政策に基づく社会保障・労働法制・税制の改悪など、国民生活を破壊する悪政からの転換をはかるチャンスが訪れている。そのチャンスを生み出したのは私たち国民だ。
年明けには通常国会が開会する。野党が結束して劣化した自民党政治に終止符を打つために、私たち国民もさらに運動を進め、世論を結集させよう。