労働法制中央連絡会NEWS(2024.12.23号)
労基研 報告書案 提示
12月10日、労働基準関係法制研究会(労基研)は研究会を開き、報告書(案)を提示し議論しました。案は前回のたたき台に沿ったものとなりましたが、50頁にもなるもので、今回もデロゲーション(適用除外)という言葉はありません。しかし、「法定基準の調整・代替」という言葉で表現し、「調整・代替」を可能とする仕組みが必要で、その仕組みを機能させるために労使コミュニケーションの環境整備が重要とまとめています。
この間、私たちが労基法解体の動きとして反対してきた、デロゲーションの容易化が案には記載されている一方で、長時間労働の規制については 「上限を変更する社会的合意」は得ていないとして、過労死ラインとなる特別条項の見直しなど一切していません。このままでは、労使自治を口実に長時間労働がこれまでより容易にできる仕組みとなります。案には他にも勤務間インターバルや、4週4休を廃止し2週2休にするなど、不十分ですが労働者にとってプラスになるものや、副業・兼業の割増賃金廃止など許せないものも記載があります。
明日 (12/24)の研究会で議論が終了する可能性が高く、状況は逼迫しています。引き続き政府・労基研へ、「労働者の声を聞け」と声をあげていきましょう。
2回目の厚労省包囲行動
12月10日労基研の開催に合わせて、委員や厚労省に対し、前月提案された「たたき台」について抗議を行いました。
全労連秋山議長は、1日8時間労働のILO第1号条約に批准してないことに触れ、労働時間規制を求めることを訴えました。MIC(日本マスコミ文化情報労組会議)に加盟している新聞労連の上田書記長は、メディア業界も長時間労働で今求められるのは規制の強化や法定労働時間の短縮だと発言。全農協労連の館野書記長は、労基法は労働者であればだれでも強制的に適用されるという根本的な目的を壊すために議論されていると労基研を批判しました。全労協の渡邉議長や全労協労働法制PTメンバーの柚木氏からも労基研への怒りの発言が続きました。
そのあと、参加者約50人は厚労省に向かって労基法解体NO!とコールしました。
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全労連 労働基準法改悪を許さない
「労働基準関係法制研究会」包囲行動に参加して
三多摩地区労働組合連絡協議会
副議長 菅原 一茂
12月10日(火)厚労省前で行われた「労基研」包囲行動に初めて参加しました。またその後、研究会の傍聴もしました。これまで
も労働法制の改悪の策動は何度も行われてきました。
「裁量労働制」「解雇の金銭解決」「高度プロフェッショナル制度」など数多くあります。こうした改悪に対しては正面からその矛盾や問題点を明らかにし、署名や請願などでたたかいそのほとんどを廃案や差し戻しさせてきたと思います。しかし今回の労基法改悪の策動は労基法そのものを「根本から解体」させようとするものです。たたかう全労連の総力をあげて法制化を阻止しましょう!