福岡県労連 ジェンダー平等宣言
福岡県労働組合総連合は、この間、「身分・人種・国籍などによるあらゆる差別の撤廃と、男女平等をはじめ、すべての人々の基本的人権の保障」の実現を求め運動を進めてきました。
政府と財界は、「男性稼ぎ主モデル」の日本型雇用によって、男性に長時間労働を、女性には不安定雇用を押しつけてきました。雇用機会の均等や「女性活躍」を唱えつつ、女性差別を温存し、女性労働を「家計補助的」として低賃金を押しつけ、非正規雇用を拡大するなかで労働者全体に低賃金構造をつくりだしています。男女の賃金格差、雇用格差、ケア労働者の低賃金水準などその根底に個人の尊厳を奪うジェンダー差別が存在しています。女性をはじめ、子育て、介護などケアを担う世代の要求を反映した労働組合運動の在り方を示していくことは、福岡県労連にとって喫緊の課題となっています。
個人の尊厳の点から早急に求められる選択的夫婦別姓制度に、自民党は否定的であり実質的な「家制度」が残り、現在も「家庭」への公権力の介入が強まっています。「男性ファースト」の社会で、女性も男性も、歴史的に作られてきた性別による「らしさ」が強要され、自分を大事にして自分らしく生き働く機会を奪われています。
ジェンダー平等を実現する社会は、個人の尊重、法の下の平等、両性の平等を保障する日本国憲法を活かすものです。個人の自立を支えるとともに、誰もが仕事と家族的責任の両立がはかられ、それを裏づける賃金、労働法制、社会保障制度が求められています。
ジェンダー平等が労働運動と社会のなかに根付き、性別による無意識の思い込みを無くし、差別や抑圧から解放されることを福岡県労連と福岡県労連加盟のすべての組織はめざします。
1.福岡県労連においてジェンダー平等を推進するため、福岡県労連加盟のすべての組織が学び、話し合い、行動します。
2.男女の賃金格差の是正、均等待遇、労働時間の大幅短縮など、だれもが仕事と家族的責任の両立がはかられ、人間らしく生きる権利を保障する労働条件、職場環境、制度・政策の実現をめざします。
3.あらゆる意思決定の場で男女同数の参加をめざし、多様な要求をもとにした方針が決定される組織づくりをすすめます。
4.非正規雇用で働く労働者、女性、青年の多様な要求を組織し、主体的に参加できる運動づくりをすすめます。
5.労働組合運動を含め、あらゆる場でハラスメントなど人権侵害を許さず、個人が尊重される職場、社会をめざします。
6.福岡県労連は、上記1から5について到達度や実施状況を定期的に検証し、課題をもってとりくみを強化します。
2024 年8月25日
福岡県労働組合総連合第35回定期大会採択