全労連労働契約法制闘争本部は10月25日、全労連会館ホールにおいて、「労働契約法制」学習決起集会を開き、170人が参加した。生熊茂実闘争本部長(全労連副議長・JMIU委員長)が主催者あいさつ。弁護士の志村新氏が「厚労省の『労働契約法』づくりと労働時間規制外しのうごきにどう立ち向かうか」と題し講演した。 「猛毒」の中身は 志村氏は、労使委員会について「労働者の交渉力を高めるものというが、使用者側も入った委員会であって、労働者を代表する機関などではなく、しかも労働者代表委員の民主的な選任について何ら担保もない。配転・出向・解雇など、労働者に不利益な労働条件を一方的に決められてしまう危険性がある。裁判で争っても、労使委員会の決定が判断基準になってしまい、今まで勝ち取ってきた裁判での判例を生かせなくなる」と指摘。「雇用継続型契約変更制度」について「就業規則を変更しないで、労働者に労働条件の切り下げを呑むか、それに従わなければ解雇だと迫るもの。労働条件の変更に異議をとどめ、就労しつつ変更の効力を争うことを可能としたというが、裁判に訴えることは勇気が必要で、労働者にとっての負担が大きい」と指摘した。解雇の「金銭解決制度」については「違法な首切りも金次第とするもの。差別的解雇や正当な権利行使を理由とする解雇の場合を除外するというが、現在でも、不当労働行為などを明確に認定して勝利することなどは稀で、有効な歯止めにならない」と述べた。 「有期雇用契約」については、「『試行雇用契約』ができれば上限を勝手に決めて、長期間にわたって試すことができ、気に入らなければ採用しなくてもよい。しかも契約途中での退職の自由を奪うもの」、労働時間規制を外す「ホワイトカラーエグゼンプション」については「日本経団連が強く求めているもの。労使委員会の決議により対象者を無限定に拡大する狙いもある」など、労働契約法制の「猛毒」の中身が明らかにされた。 最後に志村氏は「これらの改悪を阻止するためには、すべての基礎にある憲法、その改悪阻止のたたかいと結びつけ、たかっていくことが重要だ」と締めくくった。 会場から、JMIU日本IBM支部が、「労使委員会に立候補しても結局、会社の息のかかった人が代表となるのが現実。しかし、少数でも組合が交渉し、裁量労働の適用除外を拡大させた」、出版労連の明治書院からは解雇を撤回させ職場復帰したたたかいについて、「職場はもういやだという労働者だって、現職復帰は目標。そこを勝ち取った後、戻るかどうかは労働者が決めることだ」と発言。パート臨時労組連絡会から有期雇用契約について、「いつ解雇されるかと不安をもって働いている非正規労働者のための法措置を」、医労連からは「ある病院での正規からパートへの変更解約告知とのたたかいについて」の報告がされた。 労働実態知らせよう―「黒書運動」を提起 井筒百子闘争本部事務局長が行動提起。労働実態を審議会委員に知らせるための「私と家族の働き方黒書」運動、単産・地方組織での闘争本部体制の確立、学習の強化、審議会傍聴・開催日行動などに取り組むことを提起し、拍手で確認された。 |