国際自由労連(ICFTU)が毎年だしている報告書のなかで、コロンビアは労働組合運動にとって、世界で最も危険な国であると、2003年も指摘された。殺害された労働組合の活動家は200人をこえる。公務員とりわけ教員、病院労働者がテロの対象となっている。その多くは、コロンビア統一自衛軍(AUC)を中心とする、国軍とむすびついた武装勢力によるものである。
2002年に就任したアルバロ・ウリベ大統領は、表向き、ゲリラとたたかうとしつつも、かれが攻撃の対象にしたのはむしろ、労働組合運動、とりわけ公務員の労働組合活動家であった。米国の労働運動誌「レーバーノート」2003年3月号が、あるコロンビアの労働組合活動家の話を紹介したが、公務員組合のリーダーだったというこの男性は、1980年代には労働組合が増えたが、90年代になって、当時アンティオキア州の知事だったウリベ氏の、労働組合にたいする攻撃が急速につよまったという。
10月27日、元労働組合幹部ルイス・エドウワルド・ガルソンが、首都ボゴタの思潮に当選して、2004年1月1日就任した。このときウリベ政権が後押ししたロサノ候補は40%、ガルソン氏は47%の得票だった。ちなみに、ボゴタ市長は、大統領に次ぐ大きな影響力をもつ地位だといわれる。これは明らかに、ウリベ右派政権にたいする国民の支持が後退していることを示している。(岡田則男)
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