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国旗 世界の労働者のたたかい
コロンビア
2003

 内戦の終結の見通しがたたないコロンビアは、労働組合活動家にとって世界でもっとも危険な国である、といわれる。ILO によると2002年には185人の労組関係者が殺害された。そのほとんどが、政府あるいは大企業・財界とむすびついた「パラミリタレス」とよばれる武装勢力と軍隊の手による。ちなみに、1810年の独立直後から続いている内戦では年に2万人が死んでいる。2002年4月には建設、セメント関係労働者の組合SUTIMACのリーダーが通勤途上に、パラミリタレスによってバスからひきずりおろされ、翌日死体で発見された。
 労働組合中央組織 CUTは4月4日の声明で、パラミリタレスの対SUTIMACへの攻撃は、組合潰しのためで、その指導者たちを物理的に抹殺しようとしていると非難した。
 公務員組合SINTRAEMCALIのルイス・エルナンデス議長は、BBC放送とのインタビューで「こうした迫害がおこなわれているのは、私たちが民営化、ネオリベラリズム、グローバル化に反対してたたかっているからです」と話している。
 国営石油企業のECOPETROLは、精油所を軍事的支配下におき、組合役員の立ち入りを禁じるなど徹底的な組合敵視、つぶしにかかっている。
 4,000万近い人口の78%が貧困ライン以下で、失業率は20%にのぼるという経済困難にくわえ、事態はさらに悪化している。
 そのひとつが、2002年 5月26日の大統領選挙で、右派のアルバロ・ウリベが当選したからだ。もと自由党のウリベは、内戦にはもっぱら力で(軍事力で)対処すべきことを主張。同時に、米国がすすめる「自由貿易」推進、経済統合を積極的に支持している。彼が他の候補をリードしたのは国内の暴力に断固とした態度で臨むと考えたからだといわれた。
 コロンビアは「コロンビア計画」と呼ばれる「麻薬撲滅作戦」の名のもとに米国から巨額の支援を受けている。米国からの軍事支援ではイスラエル、エジプトに次いで三番目に大きい。