規制緩和・物価高騰による生活危機の突破めざし全労連が闘争本部を設置
8月25日、内閣府に緊急要請
今、労働者は、雇用の不安定化、賃金所得低下のもとでの税・社会保障の負担増に加えた物価高騰が追い討ちをかけ、深刻な生活苦に陥っている。全労連は8月20-21日に開催された幹事会において、大黒作治全労連議長を本部長とする「なくせ貧困・生活危機突破闘争本部」を立ち上げた。(副責任者に柴田真佐子副議長、事務局長に小田川義和事務局長)
さらに、8月25日には、内閣府に対し福田首相宛て「労働者国民の生活支援を求める緊急要求書」を提出した。(闘争本部設置にあたってのアピールはこちら)
午後1時から内閣府で行った要請には全労連小松民子副議長、渡辺正道事務局次長、井上久事務局次長が参加。小松副議長が「現在、原油高、物価高騰のなか、労働者・国民の生活は大変なことになっている。」として、労働者の安定雇用をはじめとする6項目の要求(下記)を提出し、政府の対応を求めた。
労働者・国民生活支援を求める緊急要求書
(1) 原油、原材料の高騰、景気停滞などを理由とする労働者の雇用悪化が生じないよう必要な措置を講ずること。
- 労働者派遣法の抜本改正法案を08年秋の臨時国会に提出すること。
- 労働者生活を顧みない人べらし「合理化」を行わないよう、企業に対する指導を強めること。公的職業紹介事業や職業教育・訓練を緊急に強めること。
(2) 物価高騰を抑制するため、必要な措置を講ずること。
- 政府備蓄原油の放出、石油関連製品の価格規制などを緊急に実施すること。
- 鋼材等原材料や食糧など生活必需品の価格抑制、安定策を緊急に実施すること。
- 投機マネーの規制について、国際的に協調した施策を緊急に講ずるよう最大限の努力を行うこと。
(3) 原油、原材料の高騰に苦しむ労働者等にたいする支援策を講ずること。
- いわゆる「福祉灯油」に対する国庫補助金の増額、寒冷・積雪地域における生活困窮者に対する燃料代補てんなどを行うこと。
- 福祉、医療、教育などの施設に対し、燃料代高騰に見合う財政支援を講ずること。
- 農・漁業、運輸業、クリーニング・銭湯などの事業者に対し、燃料高騰分の直接補てん策等を講ずること。また、高速道路料金の引き下げを実施すること。
(4) 中小・零細企業に対する支援策を強めること。
- 発注元による下請け単価の引き下げ、ダンピング強制の規制と監視を強化し、賃金・労働条件、雇用の悪化を防ぐこと。
- 大企業や官公署に対し、原材料高騰による単価引き上げを受け入れるよう要請すること。とりわけ官公署に対しては、「公契約」(ILO第94号条約)理念の周知・徹底をはかること。
(5) 年金・生活保護費等について、生活関連物価の高騰に見合った引き上げを緊急に実施すること。
- 社会保障費2200億円削減などの施策は行わず、年金等の「物価スライド」を緊急に行うこと。
- 後期高齢者医療制度の廃止など、低所得者に自己責任の徹底を迫る諸制度の見直し、改善を緊急に行うこと。
- 就学援助、給食費支援など、子供の教育を保障する措置を強めること。
(6) 国民生活支援の観点から、税制の見直しを緊急に行うこと。
- ガソリンなどの暫定税率を廃止すること。
- 定率減税の復活などの所得税減税、食料品等に対する消費税の「ゼロ税率」などを緊急に実施すること。
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