友人のみなさん、
ブッシュ政権のイラク侵攻の動きに抵抗するアメリカ合衆国の民主的平和的な国民を代表してあいさつをおくり感謝の意を表明します。あなた方の集会と抗議行動、そしてこの週末、世界360の都市でおこなわれる行動は、危険が強まっている現在の情勢のもとで、軍事一本槍に対する平和への人類の最善の希望と抵抗を表すものです。世界が、戦争NO!と叫んでいます。何十万の人びとがニューヨークやサンフランシスコ、その他の都市に集まり行進しようとしているいま、みなさんの行動は、私たちと連帯しておこなわれています。
アメリカの平和運動は、ベトナム戦争以来、どの時期にもまして重要であり、どの時期より深く根ざしたものになっています。「平和と正義のための連合」は、多くの宗教団体、労働団体を含め、100を超える民主的な全国組織、地域組織を結集しています。全国で75を超える自治体がアメリカのイラク侵攻に反対する決議を採択しています。12月10日の人権記念日には140以上の地域で平和運動、平和活動家がブッシュ政権の戦争に反対する行動をおこないました。マーチン・ルーサー・キング牧師の誕生日、1月半ばには私たちの呼びかけに応え何十万の人々が首都やその他の都市で平和のデモ行進をおこないました。15日と16日におこなわれたこれらの抗議行動はアメリカの歴史の中でも最大級のものでした。
犠牲にさらされているものは余りに重大です。何百万人もの無辜のイラク市民、核兵器使用の危険、国際法の尊厳、国連秩序、世界の多くの民族の事件、米国内でなお残されている民主的権利、医療・住宅・教育から失業保険にいたる基本的な社会保障など、すべてが危機にさらされています。
イラク政府が米国にも他の国にもなんの差し迫った脅威も与えていないにもかかわらず、しかも血塗られた破滅的な戦争への全地球的な反対の声の盛り上がりに直面してもなおブッシュ政権はイラク攻撃を決断しているようです。ブッシュ政権はサダム・フセインの人権弾圧を懸念しているわけではありません。サダムの暴虐の時代、アメリカは彼を支持しつづけたのですから。モハマド・エルバラダイが報告したようにイラクにまともな核開発計画などないことは、ブッシュもラムズフェルドもパウエルも知っていることです。彼らは、もしイラクが化学兵器あるいは生物兵器を保持していたとしても、それは国連の査察官が1990年代に見つけ出し、破壊したものの一部に過ぎないことが分かっています。そしてCIAがくりかえし報告してきたようにイラク政府とアルカイダの間にはなんら明確な結びつきは見られないのです。
イラクにたいする戦争脅迫の標的はイラクに関わることではありません。あの911テロ以前の2001年の春、チェイニー副大統領が言ったように、アメリカが支配的な軍事・経済・政治大国でありつづけるために「21世紀のためのお膳立て」を押し付けているのです。この100年でもっとも軍事強権的な現在の米国政府は、アメリカの特権的な石油支配の再強化を狙い、中東と世界での覇権強化、同盟諸国の調教、さらにはイラクとその国民を見せしめにすることで、かつて広島、長崎への原爆投下でおこなったように世界に「衝撃と畏れ」をあたえ、脅しつけようとしているのです。
私たちは日本国民のみなさんに、ブッシュ政権のこの戦争、およびその他のいっさいの戦争を阻止するため全力を尽くしてくれるよう呼びかけます。私たちは、みなさんに、日本政府が平和憲法をまもり、ワシントンの戦争屋たちに軍事的にも外交的にも、経済的にも政治的にも絶対に支援を与えないよう全力を尽くしてください。戦争屋は、包囲し、孤立させ、打ち負かさなければならないのです。
ブッシュ政権の地球的な軍事的遠征はイラクで終わることはないでしょう。公然、非公然とをとわず、かれらは朝鮮、イラン、中国などをリストの上位に挙げ、60カ国も80カ国もの国に対して戦争を仕掛けることを計画しています。かつての日本軍国主義がそうであったように、それは大破局に直面するでしょう。やめさせなければならないのです。
あなた方の声と私たちの声を一つにして、国際平和運動の力を結集すれば、なお、戦争は阻止できるし、平和で安全な21世紀を創りだすことはできるのです。ともに全世界から戦争、ノーと叫びましょう。
平和と正義のための全米連合
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