2003年国民春闘共闘情報
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第47号・回答第6号  2003年5月16日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

私学で4万9000円の賃上げ回答

金融などに回答、単純・加重とも上昇中

 5月上旬の回答の特徴について 

2003年5月15日 2003年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは5月15日、2003年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より5月上旬段階の回答を中心とする第6回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の28単産と7地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 927組合      
(2) 回答組合数 438組合 引出し率 47.3%  
  うち2次回答以上 136組合 上積み率 31.1%  
  うち前年実績以上 162組合 回答数の 37.0%  
  妥結組合数 207組合 解 決 率 22.3%  
(3) 単純平均 438組合 5,594円 同率 1.83%
  前年同期 481組合 5,809円 同率 1.90%
  前年同期比   −  215円   −0.07P
  加重平均 11.4万人 6,584円 同率 1.95%
  前年同期 14.1万人 7,269円 同率 2.01%
  前年同期比   −  685円   −0.06P


 4) 4月末〜5月上旬の動向について
 各単産は、「4月末決着」をめざす統一行動を配置してたたかってきたが、約8割の組合が解決に至らず、メーデー、GWを挟み5月闘争に継続してきた。いま、改めて集中団交や統一行動を背景に交渉を追い上げている。5月に入り、今回は全損保、銀行労連、全国私教連から初めての回答が寄せられたのをはじめ、全農協労連、建交労・建設、建設関連労連、全労連全国一般、広告労協、映演共闘、日本医労連や各地方からも新規回答が報告された。総じて新規回答の特徴は、定昇制度のあるところで「ベアゼロ」(定昇のみ)が多く、定昇制度がないところでは超低額が目立っている。また、人事院勧告に準拠してきた全国私教連東京の組合が「4年分の賃上げ」プラス2%の調整手当として4万9000円の高額回答を引出して注目されている。

 この間のたたかいによっても、回答引出しは438組合(47.3%)で、なお過半数に届かず、03春闘のきびしさを象徴している。うち136組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、前年実績以上を含め22%に相当する207組合が妥結した。
 こうしたことから、単純平均は5594円(1.83%)で、前年同期比215円(0.07P)の減ながら、前回集計時(4/28)に比べ70円(0.05P)上昇し、加重平均も同様の傾向を示している。産別として解決の方向にむかっているのは出版労連、地方マスコミ(新聞)、化学一般労連・紙パ、建交労・鉄道と検数労連の5単産・部会で、JMIU、化学一般労連、自交総連(自教)、建交労・運輸、全印総連、広告労協などでも妥結する組合が増えている。

 5)これまでの最高額は全国私教連東京の組合が「4年分の賃上げ」として4万9000円を引出してトップに立った。回答次数では小坂研究所と太陽ステンレスの両支部(JMIU)、福島民友労組(地方マスコミ)が第5次の上積み回答を引出している。「1万円以上」の回答は計26組合となった。


 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 5月08日現在、連合の第5回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 572 122.4 5,095 1.64 5,379 1.72 4,251 1.50 4,351 1.52
35歳P 36 8.2         4,859 1.76 4,777 1.74
30歳P 20 4.8         6,713 2.43 6,852 2.32

 2) 4月23日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 146 - 5,300 1.63 5,095 1.56 4,961 1.59 5,029 1.62
中小企業 66 - 3,670 1.42 3,873 1.49 3,372 1.33 3,517 1.37



5月闘争で粘りづよく賃上げを

有事法制・労働法制…悪法阻止も正念場に

 4.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘と各地春闘共闘は5月1日、第74回メーデーを成功させ、「雇用・くらし・いのちを守れ!」とアピールし、賃金闘争を粘りづよく追求しつつ、労働法制・有事法制など悪法阻止のたたかいを大きく盛り上げていくことを中心とする闘争強化を宣言した。
 この間、有事法制をめぐって与党三党と民主党の共同「修正」がすすみ、14日には衆院の特別委員会で有事三法案が可決された。厚生労働委員会(毎週水・金曜)では職安法・派遣法の審議が急ピッチですすめられ、「解雇自由」の労基法改悪も会期内成立が狙われている。同日、労働法制中央連絡会(含む国民春闘共闘)と全労連、東京地評などは共同して国会前座り込み行動を実施(1200人)し、夜の緊急集会(5000人)にも大量参加をかちとってきた。
 次の節目は、21日の「労基法・派遣法改悪阻止」での国会前座り込み行動、夜の中央決起集会(日比谷野音)と全国的な最賃デー。さらに23日の「STOP!有事法制大集会」(明治公園=陸海空港湾労組20団体呼びかけ)などの成功をかちとることである。
 5月段階の賃金闘争は、現時点で7割以上の組合が5月中旬以降にたたかいを持ち越しており、金融・保険や私学の春闘も連休明けから本格化してきた。これらの交渉は先行してきた単産以上にきびしい現実もみられるが、各々産業別統一闘争で回答引出し・上積みに奮闘している。JMIU、建交労・運輸、民放労連などは夏季一時金闘争に移行し、未解決を包んだたたかいをすすめている。

(以 上)



 

 <次回集計・調査のお願い> 

   GWと中間的総括のため変則的になります。

   1.パート賃上げ・企業内最賃&時短等制度的諸要求獲得状況調査(全単組対象)

    ・報告集中=4月28日〜30日(水)中   ・発表=連休明けの予定

   2.第6回賃上げ回答集計(登録組合) 

    ・報告集中=5月14日〜15日(木)午前中 ・発表=16日(金)の予定


 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復