2004年国民春闘共闘情報
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第18号・回答第2号  2004年3月26日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

単純平均5,661円へ、加重もアップ

統一行動で前年比プラスαの流れつくる

 3月中、下旬段階の回答について 

2004年3月26日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは3月25日、2004年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産より3月中・下旬の回答を中心とする第2回目の報告を受けた。第1回集計(3月18日)以降、建設関連労連、化学一般労連、同紙パ、全労連全国一般、同製造、民放労連から初めての報告があり、JMIU、建交労運輸、同鉄道、生協労連、全印総連、出版労連、日本医労連、地方マスコミからは新規と上積み回答とが同時に報告された。

 2.これまでの回答+妥結状況は総括表のとおりで、特徴はつぎの諸点である。

 
(1) 登録組合数 904組合 33単産・部会中 15単産が引き出す   
(2) 回答組合数 214組合 引出し率 23.6%  
  うち2次回答以上 30組合 上積み率 14.0%  
  うち前年実績以上 98組合 回答数の 45.8%  
(3) 単純平均 214組合 5,661円 同率 1.87%
  前年同期 246組合 5,626円 同率 1.85%
  前年同期比   +   35円   +0.02P
  加重平均 4.6万人 5,961円 同率 1.85%
  前年同期 5.9万人 6,153円 同率 1.92%
  前年同期比   −  192円   −0.07P


98組合が前年実績プラス、30組合が上積み回答

 4) 全体の傾向について
 (1) 04春闘は、大企業がV字型の利益回復にもかかわらず「ベアゼロ」に固執し、業績向上分は若干の一時金上乗せで決着させている。こうした傾向が中堅中小にも浸透しつつあるもとで、春闘共闘各組合にも同水準の回答=定昇相当分、一部にプラスアルファの4000〜8000円台の第1次回答が出されている。とくに、中小では製造業を中心に受注増・多忙にも拘わらず取引先からのコスト削減、鋼材値上げ(前年の約2倍)により業績回復に至らないことが回答に反映している。商業・サービス分野では引き続き業績不振・赤字、社会保険料の負担増などを理由とした「ベアゼロ(定昇のみ)」が圧倒的で、一部には賃下げ回答も見られる。定昇制度のない企業では1000〜4000円台が多数を占めている。こうしたことから、賃上げ額を前年同期比で見ると産業別にプラスとマイナスの二極化の様相を呈している。

 (2) 今回は、新規の超低額回答と先行した組合の上積み回答が同時に報告され、単純平均は5661円(1.87%)、一人当たりの加重平均は5961円(1.85%)になった。1週間前の第1回集計と比較して単純平均が445円増、加重平均が727円増と、ともに増加傾向を示した。単産ごとの前年同期比では比較可能な15組織中プラスが9組織、マイナスが6組織となった。なかでもJMIU、全国一般製造、建交労鉄道、民放労連、出版労連などの5組織では金額・率ともにプラスで、金額のみプラスは建交労運輸、全労連全国一般、全印総連の3組織である。一方、化学一般、生協労連、日本医労連、地方マスコミがマイナスで苦戦しているが、前年のような「定昇凍結・賃下げ」回答は減っている。

 (3) 3・18全国統一行動をたたかった国民春闘共闘参加組合は、3月22日からの週に集中団交やスト含む統一行動などを配置し、回答引出し・上積みを求めてたたかってきた。その結果、JMIU、建交労運輸、地方マスコミなどの30組合が第2次〜第3次の上積みをかちとっており、これらの単産では単純平均が1週間前と比較して200円〜400円上昇してきた。

 (4) この間「1万円以上」の回答が14組合報告されている(登録外は除く)。これまでの最高は出版労連の組合で1万4643円である。前年実績額との比較では98組合がプラス(同額23組合含む)をかちとり、最高はJMIUの組合で前年比プラス4600円である。回答次数ではJMIUの各組合が3月11日、18日と2波の統一ストライキを背景に、第5次回答1組合、第3次回答2組合、第2次回答11組合でかちとり、全体水準の引上げに貢献している。


 3.パート等の賃上げ回答状況について

 パート等の賃上げ回答引き出しもすすんでいる。3月25日現在、生協労連、全労連全国一般、建交労、日本医労連の計41組合が時間額の引き上げ回答を引き出した。
 生協労連では、31組合がパート労働者の時給を2.60円〜8.78円(平均3.48円)引き上げているが、前年同期に比べ1.11円の減ときびしい。一方、全労連全国一般6組合が2.60円〜10円(平均6.78円)、日本医労連2組合が時給10円と20円(平均15円)、建交労2組合が時給1円と月額500円を引き出し、ひきつづき奮闘している。

 4.制度的要求の前進、「年金改悪反対」の労使合意について

 建交労では最賃・最低保障賃金の改定(21組合)、有給保障、退職金増額、労災上積みなど(85組合)で成果をあげている。
 04春闘の焦点になっている「年金改悪反対」の課題では、JMIUが統一要求書を提出し、これまでに長野・カネテック、東京・セラテック、大興電子、神奈川・松永製作など少なくない企業が賛同または協力を表明している。建交労でも、大阪運輸関連集団交渉(13社)で「年金改悪や労災保険の民営化に反対し、阻止のため共同を推進する」ことを確認、福岡運輸関連集団交渉(4社)では「年金、労災民営化、消費税、イラク自衛隊派兵、有事立法などに反対」「運動に協力する」と回答、秋田・秋田運送でも年金改悪反対と運動への協力を共同確認した。


 5.他団体の賃上げ集計結果について
1) 3月25日現在、連合中小共闘(30組織)の第1回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 前年対比
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
中小(〜299) 497 6.5 4,627 1.68 4,293 1.59 +334 +0.09

 2) 3月25日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 66 - 5,318 1.60 5,264 1.62 4,807 1.53 4,817 1.58



年金改悪阻止と結んで要求実現へ。4月闘争の強化を

 6.国民春闘共闘に結集する各単産は、「純ベア獲得」や「前年実績プラスアルファ」の流れを本流にしようと、「3・18」と3月下旬のスト含む統一行動などで奮闘してきた。しかしながら、ひきつづききびしい経営環境におかれている企業などで賃上げに対するガードは固く、個別労使では解決できない実態もあり、多くの中小労組のたたかいは4月段階へ移ろうとしている。
 この間、各単産では闘争委員会、代表者会議などをひらき、国民春闘共闘第4回常任幹事会(3/24)で確認された「04春闘の到達点と後半戦のたたかい」をうけて、改めて労働者の生活悪化と切実な要求に立ち返り、賃上げ、パート賃上げや企業内最賃、雇用確保などの実現にむけて「納得できる解決」を追求しながら粘り強くたたかう決意を固めあっている。とくに、後半春闘の焦点である「年金改悪反対」での4・15全国統一ストの成功にむけて奮闘しつつ、あわせて、産別独自の解決基準や目標を定め、いっせい団交、統一行動をかまえて賃金要求の解決を迫ろうとしているところである。

(以 上)





 
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