2004年国民春闘共闘情報
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第26号・回答第6号  2004年5月11日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

加重平均が6000円台に!

建設関連、紙パ、映演、一般などに回答

 4月下旬の回答の特徴について 

2004年5月11日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは5月10日、2004年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より4月下旬段階の回答を中心とする第6回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の24単産と6地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 905組合      
(2) 回答組合数 394組合 引出し率 43.5%  
  うち2次回答以上 119組合 上積み率 30.2%  
  うち前年実績額以上 199組合 回答数の 50.5%  
  妥結組合数 176組合 解 決 率 19.4%  
(3) 単純平均額 394組合 5,528円 同率 1.82%
  前年同期 376組合 5,524円 同率 1.78%
  前年同期比   +   4円   +0.04P
  加重平均額 8.5万人 6,066円 同率 1.89%
  前年同期 9.1万人 6,576円 同率 1.90%
  前年同期比   −  510円   −0.01P
     (注)前年同期比は昨年の同時期がないため、03/4/28集計と対比した。

 4) 4月末時点の動向について
 各単産は、「4月末決着」をめざす統一行動を配置してたたかってきたが、約8割の組合が解決に至らず、メーデー、GWを挟み5月にたたかいを継続している。4月26〜30日の闘争集中ゾーンを経て、今回は映演共闘から初めての回答が寄せられたのをはじめ、建設関連労連、化学一般・紙パ、全労連全国一般、広告労協、映演共闘、日本医労連や各地方からも新規回答が報告された。総じて新規回答の特徴は、定昇制度のあるところで「ベアゼロ」(定昇のみ)が多く、定昇制度がないところでは超低額が目立っている。

 この間のたたかいによって、回答引出しは394組合(43.5%)で、妥結は176組合(19.4%)に到達した。改善されたとはいえ回答引き出し率が過半数に達しないなど中小春闘のきびしさが続いている。うち119組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、過半数を超える199組合(50.5%)が前年実績以上をかちとる積極面も見られる。
 こうしたことから、単純平均は5528円(1.82%)で、前年同期比4円(0.04P)の増となったが増額幅は順次縮小している。縮小している要因は、業績回復が遅れている非製造業の低額回答が増えつつあることによる。一方、加重平均の6066円(1.89%)は前年同期比マイナスながら前回集計時(4/19)に比べ90円(0.03P)上昇してきた。
 産別として解決の方向にむかっているのは出版労連、地方マスコミ(新聞)と検数労連の3単産で、JMIU、化学一般労連、自交総連(自教)、建交労・運輸、全倉運、民放労連などでも妥結する組合が増えつつある。

 5)これまでの最高額は出版労連の組合の1万4771円(2.82%)。前年実績額との比較で、広告労協の組合の1万1500円は前年比+7464円である。回答次数では小坂研究所支部(JMIU)と三和ケミカル労組(化学一般労連)、クレシア労組(化学一般労連・紙パ)が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計26組合となった。


 3.郵産労への公社回答について
 郵産労に対し4月27日、郵政公社から「定昇を実施し、ベースアップは行わない」との第1次回答があった。あわせて新年度から高齢者の基本給を抑制し、役職調整額を改定する「給与制度改革」を行うことが改めて回答された。この改革により多くの中高年組合員が総額でマイナスになる。
 マイナス分は特例措置として「現給保障」するが、その間賃金は上がらない状態がつづくことになる(例:勤続23年・41歳、都内勤務の集配営業課員の場合=新賃金30万2200円、現行賃金31万8700円。差額1万6500円は「現給保障」されるが、賃上げ額が1万6500円に到達するまでの数年間は賃金が上がらない)。なお、「定昇分」の金額計算は5月決算後に判明する。

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 5月10日現在、連合の第5回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 前年対比
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 581 112.0 5,325 1.71 5,095 1.64        
35歳P 49 10.0         5,319 1.85 4,859 1.76
30歳P 24 6.5         5,907 2.07 6,713 2.43

 2) 4月21日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 112 - 5,246 1.59 5,236 1.62 4,735 1.52 4,393 1.55
中小企業 83 - 3,791 1.44 3,662 1.39 3,229 1.26 3,262 1.28



金融・私学など5月闘争で回答引出し中

年金改悪・有事法制…悪法阻止も正念場に

 5.今後のたたかいについて
 国民春闘共闘と各地春闘共闘は5月1日、第75回メーデーを成功させ、「年金改悪阻止」「自衛隊はイラクから撤退せよ」をアピールするとともに、賃金闘争を粘り強く追求する闘争強化を宣言した。
 この間、国民年金保険料未納の閣僚・国会議員が続出するなか、年金改悪をめぐって与党と民主党の「三党合意」がすすみ、11日午後には衆院本会議で改悪法案が可決強行され、中央社保協、全労連などの抗議行動が展開された。明12日には緊急の昼休み国会請願デモ(日比谷公園霞門〜)にも大量参加が期待される。
 5月段階の賃金闘争は、現時点で7割以上の組合が5月中旬以降にたたかいを持ち越しており、金融・保険や私学の春闘も連休明けから本格化してきた。これらの組合の交渉は先行してきた単産以上にきびしい現実もみられるが、各々産業別統一闘争で回答引出し・上積みに奮闘している。JMIU、建交労・運輸、民放労連などは夏季一時金闘争に移行し、未解決を包んだたたかいをすすめている。なお、民間調査機関による夏季一時金の回答予測は軒並みプラスで、労務行政研究所の妥結速報(既決分)は67万5423円、4.7%増で「3年ぶりのプラス」になっている。

(以 上)





 
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