2004年国民春闘共闘情報
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第38号・夏季第3号  2004年7月21日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

各単産が回答引出す、上積みすすむ

加重平均78万円、プラス基調堅持

 夏季一時金第3回集計  中小善戦。産業間格差くっきり

2004年7月21日 2004年国民春闘回答集計センター

 1.2004年国民春闘回答集計センターは7月20日、各単産・地方共闘より7月中旬の夏季一時金回答報告を受けて第3回集計をおこなった。各単産の回答が出揃い、登録組合の71%にあたる570組合が回答を引出し、うち349組合が妥結している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 805組合    
(2) 回答組合数 570組合 回答引出し率 70.8%
  2次回答以上 165組合 上積み回答率 回答数の28.9%
  前年実績額以上 230組合   回答数の40.4%
  妥結組合数 349組合 妥 結 率 登録数の43.4%
(3) [回答+妥結]      
  単純平均 570組合 2.09カ月+α 686,996円
  前年同期比 (03.07.14) 669,454円 +2.62%
  前年実績比 (同一組合) 679,147円 +1.16%
  加重平均 9.9万人   781,397円
  前年同期比 (03.07.14) 781,728円 −0.04%

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 7月上、中旬の特徴は、多くの単産が夏季一時金の支給日を迎えており、6月末〜7月1日、2日を中心に春闘未解決組合とともに交渉集中日、統一行動日などを設定して決着を迫るとりくみをすすめてきた。
 前回集計時(6月21日)以降、新たに回答を引出してきたのは全労連全国一般と検数労連、外銀連で、回答引出し・上積みがすすんでいるのは全農協労連、建交労・建設、自交総連(自教)、建交労・運輸、全信労、全証労協、広告労協、日本医労連の各組合などである。こうして、登録31単産・部会中30組織の回答が出揃ってきた。また、支給日に合わせて妥結する組合も急増している。

 2) 回答状況の傾向は、単純平均が前年同期比や前年実績比で1〜2%台の増額をかちとっているのに対して、一人当たりの加重平均では前年同期比でマイナス(0.04%)に転じたことである。これは中小零細と1000人以上の大手が比較的順調なのに対し100〜299人、300〜999人の中堅中小のきびしさが反映したものである。
 対比可能な27組織中、前年実績比でプラスになっているのは製造業、運輸通信業、金融保険業、地方登録組合などの19組織で、労働者の要求、労働組合の主張に真摯に対応したものである。また増額の背景には仕事量の増加、業績回復などもみられ、一部には賃上げでガマンを押し付けた分を一時金で加減したとの報告もある。一方、マイナスになっているのは建設業、卸小売業、マスコミ関係、医療福祉関係などの7組織で、業績低迷、社会保険料の高負担などによって、「ベアゼロ」「賃下げ」の春闘にひきつづき総額人件費の削減を押し付けている。50%を超える増額(全証労協)がある反面、10%以上のマイナスになっている単産も見られるなど、産業間の格差が顕著である。
 こうしたなかで個別にみると、165組合が第2次回答以上の上積みをかちとり、230組合が前年実績額を上回って奮闘している。

 3) 最高回答次数は大証労組電計分会(全証労協)の第6次回答で、クレシア労組(化学一般労連・紙パ)とサンテレビ労組(民放労連)が第5次回答。最高月数は地方マスコミ・新聞労組の5.17カ月分。高額回答については出版労連の組合が272万円余を獲得しているのをはじめマスコミ関係を中心に150万円以上が13組合報告されている。



4.他団体の集計結果について


連 合 7月14日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 377組合 1.99カ月 551,268円 +4.39%
加重平均 83.2万人 2.39カ月 717,654円 +4.44%


日経連 7月07日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 主要176社   695,950円 +3.44%
加重平均     839,868円 +3.48%




 

 5.今後の闘争強化について
 夏季一時金闘争は、「6月末」または「7月上旬」に設定した決着期のたたかいを経て回答引出しがすすみ、妥結する組合が急増している。労働者の家計にとって一時金は、生活維持・改善のために予めその収入を見込んで生活設計を立て、まとまった支出を予定している。とくに今年は、毎月の赤字補てんや住宅・教育ローンの支払などに加え、デジタル家電の購入希望が多く、猛暑のためにエアコンを購入したいなど、一時金に対する依存度が増している。ところが昨年来、社会保険料が総報酬制となったことから、合計では支給総額の12.05%が天引きされ手取額が大幅に圧縮されており、消費の拡大は必要性の高いものに限られている。また、社会保険料は使用者も同額を支払わなくてはならず、不況産業や中小企業では経営圧迫の一因として回答引出しの障害になっている。

 こうして夏季一時金闘争は全体として収拾の方向に向かいつつあるが、今年は多くの単産が春闘未解決組合を抱えており、一括した解決をめざしている。折から、地域別最低賃金の中賃答申、公務員賃金の人事院勧告が山場を迎え、最賃答申は使用者側からマイナス圧力が強く、人勧では3年連続の本俸引き下げや寒冷地手当の削減、能力・業績主義賃金の導入が取り沙汰されている。全労連・春闘共闘と公務労組連絡会は「賃下げの悪循環を断ち切ろう」と、7月26日に「第5次中央最賃デー」(目安答申日。厚労省前での要請行動)、27日には人事院前などでの要求行動と中央決起集会(日比谷野音)、さらに8月4日から3日間にわたる人事院前座り込みなどを準備しており、労働組合運動も本格的な暑い夏になろうとしている。


(以 上)




 

 

<ご案内> 夏季一時金最終集計の日程について

以下の日程を予定しています。ひきつづきご協力ください。

  8月4日(水)=報告集中/8月5日(木)=集計作業/8月6日(金)=発表

  






 
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