2006国民春闘共闘情報
全労連HP

第 18 号  2006年4月03日

 

単純平均5,736円、加重は2.0%に

各単産の回答ほぼ出揃い、14単産がプラス

 3月下旬段階の回答について 

2006年4月03日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表  個別回答一覧  非正規賃上げ総括表

 1.春闘回答集計センターは3月31日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産より3月中・下旬の回答を中心とする第3回目の報告を受けた。24単産部会から先行組合の2次〜3次回答を含む259組合の報告が寄せられた。

 2.これまでの回答+妥結状況は総括表のとおりで、特徴はつぎの諸点である。

 
(1)登録組合数876組合33単産・部会中24単産が引き出す 
(2)回答組合数259組合引出し率29.6% 
 うち2次回答以上56組合上積み率21.6% 
 うち前年実績額以上145組合回答数の56.0% 
(3)単純平均額259組合5,736円同率1.93%
 前年同期251組合5,591円同率1.84%
 前年同期比 +  145円 +0.09P
 加重平均額6.1万人6,264円同率2.00%
 前年同期6.3万人6,293円同率1.94%
 前年同期比 −   29円 +0.06P


56組合が上積み回答、145組合が前年実績プラス

 4) 全体の傾向について
 1) 第2回集計(3月23日)以降、新たに回答を引き出した全農協労連、繊維産労、検数労連、全倉運、全信労、広告労協の6単産から初めての報告があり、全国一般製造、化学一般・紙パ、建交労・運輸、生協労連、全印総連、民放労連、日本医労連からは新規と上積み回答とが同時に報告された。

 2) 今回の回答報告数は259組合(全体の29.6%)となり、前年同期を8組合上回った。1週間前の第2回集計からこの間、単純平均は5736円と若干減少したが、引き上げ率は1.93%に上昇してきた。一人当たりの加重平均は6264円に上昇し、引き上げ率も2.00%の大台に乗せた(但し、前年同期比では金額がなお29円減)。これは、中小を中心とする超低額回答、先行組合の第2次回答、大手組合の回答引き出しが同時に報告されたことによるものである。単産ごとの前年同期比では、比較可能な22単産部会中、賃上げ額のプラスが14組織あり、いまのところ、JMIUの+360円、検数労連の+381円、出版労連の+818円などが比較的好調である。なお、建設関連労連や金融単産、広告労協などに4桁の引き上げ額が見られるが、まだ1〜2組合のため今後の回答引き出しが注目される。

 3) 3・16全国統一行動をたたかった国民春闘共闘参加組合は、3月22日から月末にかけて集中団交やスト含む統一行動などを配置し、回答引出し・上積みを求めてたたかってきた。その結果、JMIU、化学一般労連、合同繊維、建交労・運輸、民放労連、出版労連、日本医労連、地方マスコミ(新聞)などの56組合が第2次〜第6次の上積みをかちとり、全体水準の引き上げに貢献している。

 4) この間「1万円以上」の回答が16組合報告されている(登録外は除く)。これまでの最高は出版労連の組合で1万5600円(4.90%)である。前年実績額との比較では145組合がプラス(同額33組合含む)をかちとり、最高は建設関連労連の組合で前年比プラス4400円の1万3000円(3.40%)。回答次数では地方マスコミの組合が第6次回答を引き出し、JMIUの4組合も第4次まで積み上げている。


パート賃上げ平均5.9円、回答引出しすすむ


 3.パート等の賃上げ、企業内最賃の回答状況について
 1) パート・アルバイト等の賃上げも回答引出しがすすんでいる。3月31日現在、生協労連をはじめ、建交労、JMIU、全労連全国一般、出版労連、日本医労連などの64組合が時間額や日額の引き上げ回答を引き出した。今のところ、パートの時間額アップは5円、10円の報告が多く、JMIUや日本医労連の技術職・専門職では40円、50円も見られる。一方、生協労連のなかには「定昇のみ」や「マイナス」というのもある。これまでの平均引き上げ額は54組合平均5.9円である。

 2) 企業内最賃の協定状況は、建交労・運輸をはじめ、JMIU、生協労連、全労連全国一般、全印総連、出版労連などが月額を中心に日額、時間額を改定し73組合が協定した。うち、金額引き上げは24組合、前年同額48組合で、減額が1組合見られる。今のところ、月額平均ではJMIU15万1574円、建交労・運輸17万3825円、全国一般15万8887円、全印総連15万8500円、出版労連16万4105円の水準になっている。このほか日本医労連で誰でも最賃と看護婦最賃がすすみつつある。

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 3月30日現在、連合の第2回回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 1693 138.4 5,664 1.88 5,187 1.74 4,703 1.79 4,372 1.74
35歳P 31 3.7         4,738 1.73 4,740 1.71
30歳P 5 0.8         7,332 1.57 4,304 1.65

2) 3月23日現在、日本経団連調べの第1回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 55 - 5,630 1.69 5,138 1.53 4,832 1.53 4,657 1.47



「生活改善」「格差是正」の4月闘争へ、執念を!

 5.国民春闘共闘に結集する各単産は、「誰でも1万円」をはじめ、パート賃上げ、企業内最賃の獲得など、すべての労働者の賃金底上げをめざし、5年ぶりの純ベア春闘に奮闘してきた。とくに、「3・16」と3月下旬のスト含む統一行動などで、回答引き出し、上積みをめざしてきた。しかしながら、これまで以上にきびしい経営環境におかれている業種や中小企業では賃上げに対するガードが固く、個別労使では解決できない実態もあり、多くの中小労組のたたかいは4月段階へ移ろうとしている。

 この間、国民春闘共闘委員会は第4回常任幹事会(3/17)をひらき、春闘後半戦にむけての4・14全国統一行動を中心とする闘争強化を意思統一してきた。全労連も第12回幹事会(3/23-24)で、「4・14」に加え、決着をはかる4・26全国統一行動の配置を決めた。また、「4・14」から「4・26」にかけて各地方における春闘宣伝の強化、とくに、パート賃上げを重視した「格差是正」「均等待遇」の宣伝行動などが重要である。新たな国民負担増のもとで、単産・地方が一体となって、生活改善できる賃上げをめざし、執念をもって回答引き出し・上積みと継続雇用などの諸要求実現にむけ、粘り強くたたかう態勢を確立しつつある。

 また、4月段階では国会における悪法審議も山場を迎える。とりわけ、医療制度改悪法案、均等法改正案、行政改革推進法案などで、これらが与党側の日程どおりに審議・成立すると、会期延長もからんで教育基本法改悪案、国民投票法案などの審議も予断を許さない状況になる。こうしたことから、当面する「4・14中央行動」(春闘決着に連動。国会前座り込み、議員要請、日比谷野音の中央決起集会、銀座パレード等)への最大結集が期待されている。

(以 上)






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