2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第26号・回答第4号  2008年4月21日

 

加重平均6,861円、前年+80円

回答引出し、上積みさせ「4月末決着」へ

 4月中旬の回答の特徴について 

2008年4月18日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧  

 1.春闘回答集計センターは4月18日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より4月中旬段階の回答を中心とする第4回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは29単産・部会中の21単産・部会と3地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 811組合      
(2) 回答組合数 286組合 引出し率 35.3%  
  うち2次回答以上 102組合 上積み率 35.7%  
  うち前年実績以上 153組合 回答数の 53.5%  
  妥結組合数 129組合 妥結率 15.9%  
(3) 単純平均 286組合 5,949円 同率 1.96%
  前年同期 274組合 5,867円 同率 1.98%
  前年同期比   +  82円   − 0.02P
  加重平均 7.8万人 6,861円 同率 2.07%
  前年同期 7.4万人 6,781円 同率 2.04%
  前年同期比   +   80円   +0.03P

 (注)前年同期がないため、2007年3月30日と比較しています。


 4) 4月中旬の回答・闘争状況について
 4月2日の前回集計時以降、この間は全国統一行動がなかったものの、各単産の産業別統一行動が上旬から中旬に展開され、回答引出し、上積みを求めてきた。これらのたたかいを背景に、繊維産労と全証労協が初回答を引き出したのをはじめ、合同繊維、日本医労連、全印総連、出版労連と地方登録組合などが新規回答と上積み回答をあわせて引出した。総じて中小労組の新規回答には「ベアゼロ(5000円前後の定昇)」や「前年実績プラス若干のアルファ」が多く、一部には超低額が見られる。一方、この間のたたかいによって、先行組合、主力組合など102組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、153組合が前年実績以上(同額29組合含む)とし、これらを中心に129組合が妥結した。
 こうして、単純平均は5949円、1.96%、一人当たりの加重平均は6861円、2.07%となり、2週間前(4/02)に比べ単純・加重とも上昇傾向を示した。とりわけ、中堅・大手労組の奮闘によって加重平均が急上昇し、前年同期比でプラスに転じてきた。

 5)こうしたなかで、比較可能な18単産部会中、賃上げ額がプラスになっているのはJMIU、化学一般労連、同・紙パ、建交労・製造、同運輸、全労連全国一般、出版労連、地方マスコミ(新聞)などの8単産・部会である。一方、建設関連労連、全国一般・製造、生協労連、全印総連、日本医労連と地方登録組合では、前年同期比マイナスの厳しい状況が続いている。

 6)これまでの最高額は出版労連の組合が1万4692円の第1次回答を引き出してトップに立った。前年実績額との比較で最高引上げは民放労連の組合が前年比4445円プラスの8669円を獲得した。回答次数はJMIUの3支部と化学一般労連・紙パと日本医労連の組合、計5組合が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計22組合となった。



 3.パート労働者等の賃上げ結果について
          (第3回集計=4月21日付の本紙第27号をご覧ください)

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月08日現在、連合の第4回回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 2283 198.0 5,872 1.96 5,713 1.93 4,967 1.91 4,875 1.90
35歳P 85 6.6         5,992 2.20 5,653 2.12
30歳P 54 2.6         6,731 2.79 8,412 3.61

2) 3月28日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 50 - 6,322 1.91 6,208 1.85 5,538 1.79 5,222 1.70



「4・23第2次全国統一行動」で賃金要求の解決を!

 5.国民春闘共闘の第5回常任幹事会(4/11)は、3月末段階の各単産の回答・闘争状況を交流し、「08春闘前段の到達点をふまえた後段の取り組み強化について」を確認し、要求前進をめざす産別闘争の強化を意思統一した。
 とりわけ、決着をめざす4月23日の第2次集中回答日に向けた職場段階の取り組みを強めることとした。18日現在、官民18単産が4・23統一行動を取りくみ、自交総連、全印総連ではストライキが予定され、全農協労連、全労連全国一般、福祉保育労、全教などで職場集会が準備されている。

 また、同日は、第1次最賃デーと位置付けており、18日現在、20地方以上から具体化の報告が寄せられた。それによると、(1)早朝宣伝・ビラ配布、(2)県・労働局交渉、(3)経営者団体との懇談、(4)夕方の駅頭宣伝・署名活動など多彩な行動が準備されている。また、(5)最賃審議委員の不公正任命への抗議行動や、最賃生活体験運動の激励会・記者レクなどを取りくむ地方もある。中央段階では、東京春闘共闘とも共同した厚生労働省前行動、国土交通省前行動など700人規模の中央行動を取りくむ。

 現段階の進ちょく状況は登録組合をみても、回答引き出しが35%、妥結が16%の水準である。多くの中小労組を含む全単組を対象とした場合はこの水準をさらに下回る状況が推察される。春闘共闘は、未解決を残したまま「春闘の流れ解散」はしないことを伝統としてきた。ひきつづく第79回メーデーの成功、5月に本格化する建設、金融、私学などの春闘をたたかいぬくためにも、全体で「4月末決着」を迫るたたかいの強化を、改めて呼びかけるものである。

 国会では、焦点の燃料など暫定税率廃止と道路特定財源のあり方、国民的な怒りが広がっている後期高齢者医療制度などをめぐり審議が山場を迎えている。4・23統一行動当日は、11時30分から年金者組合が国会前座り込み行動、12時15分から中央社保協・国民大運動実行委・安保破棄などが定例国会行動、13時30分から中央社保協・医団連が後期高齢者医療制度の中止・撤回を求める決起集会(社会文化会館)を開催するなど、労組、民主団体の行動が集中して展開される。

(以 上)


 


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