2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第46号・夏季第3号  2008年7月15日

 

回答出揃い、平均70万円の攻防

パートは増額基調。0.76カ月分

 夏季一時金第3回集計  支給期むかえ山場

2008年7月15日 国民春闘回答集計センター

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 1.国民春闘回答集計センターは7月11日、各単産・地方共闘より7月上旬までに引出した夏季一時金回答報告を受けて第3回集計をおこなった。登録組合の73%にあたる523組合が回答を引出し、うち301組合が妥結。また、パート等の一時金は197組合が引出している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 713組合 登録28単産部会中 27組織に回答  
(2) 回答組合数 523組合 回答引出し率 登録数の73.4%  
  2次回答以上 130組合 上積み回答率 回答数の24.9%  
  前年実績額以上 180組合 金額回答数の 50.3%  
  妥結組合数 301組合 妥 結 率 登録数の42.2%  
(3) [回答+妥結]        
  単純平均 523組合 2.08カ月+α 700,143円  
  前年同期比 (07.07.09)   700,603円 −0.07%
  前年実績比 (同一組合)   708,315円 −1.15%
  加重平均 14.1万人   787,996円  
  前年同期比 (07.07.09)   825,060円 −4.49%

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 6月末の集中支給日を前後して、多くの労組が増額を要求しつつ交渉を重ねて回答を引き出してきた。大企業の「6期連続のプラスながら微増」のマスコミ報道のなか、前回集計時(6月16日)以降、新たに回答を引き出してきたのは検数労連で、新規回答や上積みを引き出してきたのは、全農協労連、建設関連労連、建交労・運輸、金融労連、全印総連、民放労連と日本医労連の各組合などである。こうして、登録28単産・部会すべての回答が出揃ってきた。また、支給日が6月30日や7月上・中旬に集中していることから妥結する組合も4割を超えた。

 2) これまでのところ、523組合の単純平均は2.08カ月+アルファの70万0143円で、前年同期比(07.7.09)で8172円減になっている。他の調査機関の集計が単純平均で−0.12%(連合調べ。中小を含む)〜+0.85%(日本経団連調べ。大手)と、プラス・マイナスに別れているのにたいし、春闘共闘の集計は連合と同様に、前年同期比で0.07%減、同一組合の前年実績比でも1.15%減で、中小企業の厳しさがにじみ出ている。対比可能な26組織中、引上げ率がプラスになっているのは、建設関連労連(12.05%)、化学一般労連(5.32%)、検数労連(9.34%)、郵産労(4.59%)と、全労連全国一般(4.30%)、地方登録組合(2.75%)などの計9組織で、前回(6月16日)マイナスだったJMIUはプラスに転じてきた。一方、マイナスになっているのはマスコミ関係業や金融・保険業、さらに製造業の一部、運輸・通信業の一部などの17組織である。
 こうしたなかで、第2次、3次の上積み回答を130組合(回答数の25%)が勝ちとり、業績が回復傾向にあるところを中心に180組合(金額回答数の50%)の組合が前年実績を上回っている。また、春闘につづきパートなどを含む「すべての仲間に一時金を」と、産業別統一行動を背景にした各組合の奮闘がみられる。

 3) 規模別集計では、1000人以上の大企業で0.60%増、100〜299人で1.05%増になっているのに対し、30〜99人と29人未満の中小・零細規模で前年比マイナスになるなど、ここにきて規模別格差が鮮明になってきた。なお、300〜999人の中堅企業で0.80のマイナスになっているのは、前年対比が可能な57組合中、過半数を超える33組合が減額されるなど、総じて中堅企業の業績が振るわず、抑え込まれていることによる。

 4) これまでの最高回答次数は日本医労連の組合が第5次回答を引出し、JMIUと民放労連の各2組合、出版労連と日本医労連の各1組合、計6組合が第4次回答を引き出している。最高月数は出版労連の3組合が夏季だけで5カ月分の満額。高額回答も出版労連の組合が275万円余を獲得しているのをはじめマスコミ関係を中心に150万円以上が14組合報告されている。


4.0.76カ月分に増額。パート等の夏季一時金について
 パート・アルバイト等の夏季一時金回答・妥結状況については、生協パート、日本医労連、全労連全国一般、建交労、全印総連、出版労連など9単産からのべ197組合の獲得状況が報告された。うち、時間給のパートは140組合平均で0.76カ月分(前年同期は0.75カ月分)になり、若干の支給増になっている。日給の臨時・嘱託・非常勤は53組合平均で1.11カ月分(同1.02カ月分)、月給の契約・有期などでは平均1.33カ月(同1.25カ月分)の回答・妥結状況である。
 傾向としては、各々支給額の計算が遅れているものの、正規労働者の集計結果が金額で若干のマイナスになっているのに対して、パート・アルバイトなどの集計結果は、前年比の支給月数が同月又は若干のプラスになっている。この春闘期には支給基礎の時間額・日額が各々引き上げられており、一時金支給額も増額が予測される。



5.他団体の集計結果について


連 合 7月02日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 3410組合 2.03カ月 515,088円 −0.12%
加重平均 172.4万人 2.34カ月 702,561円 −1.04%


日経連 6月25日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 大手146社   783,303円 +0.85%
加重平均     919,042円 −0.41%




 

 6.最賃・人勧と連動した今後の闘争強化について
 08夏季一時金は、期待された賃金引上げが不十分だったことに加え、ガソリンや食料品等の生活関連物価の急騰が重くのしかかっており、労働者の生活維持・改善のために支給増が切実な要求になっている。また、消費購買力を高め景気を底支えするためにも重要である。
 いま、ほとんどの単産・単組が決着期(「6月下旬」又は「7月上旬」)のたたかいを経て、73%の組合が回答を引き出し支給日を迎えた。未解決の組合の多くは支給日が7月中旬〜下旬で、もう一段の交渉強化などで上積みをめざし決着をはかろうとしている。
 また、今週の17日(木)には中央最低賃金審議会が開かれ、08年度地域別最低賃金の審議が本格化する。「生活保護施策との整合性」を謳った改正法のもとで、初めての審議に注目が集まっているなか、成長力底上げ戦略推進円卓会議の報告(高卒初任給の最下位水準=755円)をめぐって労使の攻防が予想される。これに対して、「時間額1000円以上」をめざす全労連、春闘共闘と公務労組連絡会は「7・17第4次最賃・人勧デー中央行動」を展開し、官民一体の共同行動で、要求実現をめざす大きなうねりをつくりだそうとしている。



(以 上)


 


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