国民春闘共闘 NO.49 2008/08/11
2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第49号・夏季第4号  2008年8月11日

 

最終平均69.1万円。パートは0.765月

 業績に陰り、5年ぶりマイナス。小規模が苦戦 

夏季一時金最終集計結果の特徴について

2008年8月12日 国民春闘回答集計センター

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 1.国民春闘回答集計センターは8月8日、夏季一時金の最終・第4回集計をおこなった。登録組合の82%にあたる582組合(28単産・8地方)が回答を引出し、うち493組合(以上)が妥結した。残る組合も交渉を継続し収拾に向かいつつある。

2.回答+妥結の状況は別表のとおりで、集計結果は以下のとおりである。

 
  登録組合数 713組合      
  回答組合数 582組合 回答引出し率 81.6%  
  2次回答以上 158組合 回答上積み率 回答数の27.1%  
  前年実績以上 194組合 金額回答数の 48.5%  
  妥結組合数 493組合 妥 結 率 登録数の69.1%以上  
  [回答+妥結] 組合数・人数 回答月数 金  額 引上げ率
  単純平均 582組合 2.05カ月+α 691,310円  
  前年同期比 (07.08.10) 2.05カ月+α 688,300円 +0.44%
  前年実績比 (同一組合)   700,108円 −1.26%
  加重平均 147,523人   778,227円  
  前年同期比 (07.08.10)   808,612円 −3.76%

3.08夏季一時金闘争の経過と特徴はつぎのような諸点である。
 1) 今期の夏季一時金闘争は、これまで順調だった企業業績が原油・原材料の急騰や米国経済の停滞などで陰りを見せるなかでの取り組みとなった。各単産は、独自の要求調査などをもとに、平均2.5〜3.5カ月分や「前年実績以上」の要求をかかげ、団体交渉では、@ガソリンや食料品などの値上がりによって、賃上げ額を上回る負担が家計を圧迫していること、A毎月の赤字を補てんするために予定している重要な生活費であること、B年金・医療など社会保障の欠陥を補うために預貯金の必要性などを主張してたたかってきた。

 2) 今回の集計は、各単産の回答が出揃い、引出し率が8割を超え、単純平均が69万1310円となった。前年同期との比較で3010円増、0.44%のプラスになったものの、同一組合の前年実績比では8798円減、1.25%マイナスという厳しい結果になった。一人当りの加重平均も77万8227円で、前年同期比3万0385円減、率にして3.76%マイナスになった。このように、前年比較の主な指標が5年ぶりにマイナスになったこと、規模別集計で「100〜299人」の中小が1.14%増になっているものの、大手・中堅企業と小・零細規模はいずれもマイナスに転じているのが今季の特徴である。

 3) この間の取りくみの特徴は、各単産とも春闘未解決組合を抱えながら、5月下旬の要求提出、6月上・中旬の回答引き出し・上積みの統一行動をたたかってきた。また、8月上旬の中央最賃答申と人事院勧告にむけて、4月段階から5次にわたる「最賃・人勧デー」を官民一体でたたかってきたことである。こうしたなかで、各単産が業種別・地方別の対策をつよめ、一部ではストライキ、残業拒否、本社交渉などをたたかいながら、158組合(回答数の27%)が2次、3次と回答を上積みさせ、194組合(金額回答数の48.5%)が前年実績以上を獲得した。

 4) 産別平均の引上げ率がプラスになっているのは、対比可能な26組織中、建設関連労連の14.81%、検数労連の9.34%、化学一般労連の6.79%、全労連全国一般の5.30%、郵産労の4.59%、全倉運の1.09%などの8組織だった。一方、製造業や交通運輸業、金融・証券、マスコミ関係などを中心にマイナスが18組織も見られた。

 5) 単産平均が100万円の大台を超えているのは民放労連、出版労連と地方マスコミ(新聞)の3つだが、いずれも若干のマイナス傾向となった。但し、この加盟組合を中心に150万円以上の高額回答が17組合報告され、最高は出版労連傘下の275万余円である。最高回答次数は第5次回答で、JMIUと日本医労連に各1組合みられた。また、引上げ額の最高は建設関連労連の組合で、前年実績額に37万円以上引き上げて59万円余を獲得した。


4.パート等の獲得状況について
 パート・アルバイト等の夏季一時金回答・妥結状況については、日本医労連、生協パートをはじめ、全労連全国一般、建交労、全印総連、映演労連、出版労連、福祉保育労など9単産からのべ251組合(前年最終は243組合)の獲得状況が報告された。うち、時間給のパートは170組合平均で0.765カ月分(前年同期は0.771カ月分)になり、若干の支給減になった。日給の臨時・嘱託・非常勤は76組合平均で0.89カ月分、月給の契約・有期などでは5組合平均で1.33カ月の回答・妥結状況である。
 傾向としては、正規労働者の集計結果が8798円の減額になっているのに連動して、パート・アルバイトなどの集計結果も、支給月数が前年実績比で同月又は若干のマイナスになっている。ただし、この春闘期には支給基礎の時間額・日額が各々引き上げられており、平均支給額の増減を判定することは難しい状況である。



5.他団体の集計結果について


連 合(第7回) 7月02日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 3410組合 2.03カ月 515,088円 515,708円 −0.12%
加重平均 172.4万人 2.34カ月 702,561円 709,929円 −1.04%


日本経団連(最終) 7月22日現在 月 数 金 額 前年実績 (引上げ率)
単純平均 大手173社   787,572円 772,506円 +1.95%
加重平均     909,519円 910,286円 −0.08%




 

最賃目安は「生活保護基準」を矮小して低額答申

人勧は「官民格差が微少」。賃金改定見送り

 6.今季の夏季闘争は、一時金をはじめ、最賃、人勧の経済的要求を実現するために、4月段階から5次にわたる「最賃・人勧デー」を中心に官民一体でたたかってきた。6日には、中央最低賃金審議会が地域別最低賃金引き上げ目安について、「生活保護施策との整合性」を明記した法改正が施行されたにも拘わらず、「A・15円、B・11円、C・10円、D・7円」という低額を答申し、あわせて、低く見積もった「生活保護基準」を下回る12都道府県については乖離額を2年(〜最長5年)で解消するよう求めた。これによる全国加重平均は15円程度となる。
 一方、7日予定の人事院勧告は11日にずれ込んだ。これまで、国公労連や公務労組連絡会への回答から、官民格差は微少(136円、0.04%)で、月例給、特別給とも改定を見送る。
 こうして、8月中〜下旬には地方の最低賃金審議会にむけて、目安を乗り越える取り組みがすすみ、9月以降は地方公務員の賃金確定闘争も展開される。今季の夏季闘争を従来に増して官民一体で取り組んできた流れを大切にしながらの奮闘と成果に期待する。



(以 上)


 


 なくせ貧困、ストップ改憲! つくろう平和で公正な社会




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