2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第30号・回答第4号  2009年04月27日

産業別・単産別総括表  個別回答状況一覧  パート等の賃上げ状況

 

一人当たり5,835円、1.9%に

「妥結」は14%、低額では終われない

 4月中旬〜下旬の回答の特徴について 

2009年4月27日 国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは4月24日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より「4・21〜23統一行動」など4月中旬〜下旬の回答を中心とする第4回目の報告を受けた。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 807組合 29単産・部会中 22単産と8地方に回答  
(2) 回答組合数 387組合 引出し率 48.0%  
  うち金額・率回答 285組合 ほか88組合は 「定昇のみ」などで未計算  
  うち2次回答以上 65組合 上積み率 22.8%  
  うち前年実績以上 82組合 回答数の 28.8%  
  妥結組合数 115組合 妥結率 14.3%  
(3) 単純平均 285組合 5,310円 同率 1.70%
  前年同期 286組合 5,949円 同率 1.96%
  前年同期比   − 639円   − 0.26P
  加重平均 7.1万人 5,835円 同率 1.90%
  前年同期 7.8万人 6,861円 同率 2.07%
  前年同期比   −1,026円   −0.17P


「4・28決着」で回答引出し、上積み中

 4) 4月中旬〜下旬の傾向について
 4月10日の前回集計時以降、21〜23日には各単産・地方共闘が「第2次統一行動」を取りくみ、今週もメーデーを前に4月末決着を迫る「4・28第3次統一行動」をたたかっている。こうした行動を節目に回答引出し、上積みを求め、実力行使を背景にした産業別いっせい交渉などを展開してきた。これらのたたかいによって、建交労・建設、建設関連労連と映演労連が初回答を引き出し、金融労連でも回答が出始めた。また、JMIU、生協労連、民放労連、日本医労連などが新規回答と上積み回答をあわせて引き出している。総じて中小労組の新規回答には「ベアゼロ(定昇のみ)」や超低額が多く、一部には「定昇凍結」や「回答延期」が見られる。一方、この間のたたかいによって、先行組合、主力組合など102組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、82組合が前年実績以上とし、これらを中心に115組合が妥結した。

 5) 4月末決着による回答・妥結状況がまだ反映されていないこともあり、単純平均は5310円、1.70%、一人当たりの加重平均は5835円、1.90%となり、単純平均で639円減、加重平均では1026円もの減となった。これは300人未満の中小労組が超低額に抑え込まれていることに加え、1000人以上の大手組合と300〜999人の中堅規模での伸び悩みが原因である。こうしたなかで、比較可能な22単産部会中、賃上げ額がプラスになっているのは建交労・建設、同・製造、民放労連の3単産にすぎない。一方、マイナスは全産業に及んでおり、今春闘の厳しさを象徴している。

 6) これまでの最高額は出版労連の組合が1万4507円でトップ。回答次数はJMIUの組合が第5次、JMIUと地方マスコミの各1組合が第4次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答はJMIUとマスコミ関係を中心に計17組合で変わらず。


 3.時給19円アップ。パート等の賃上げ、企業内最賃の回答・協定状況について
 同日集計のパート等の賃上げは9単産の173組合がかちとった。うち時間額アップは138組合になり、全体平均は19.0円で前年同期(175組合平均26.2円)に比べて7.2円下回っている。個別には相変わらず5円、10円、20円の報告が多いものの、全労連全国一般や全印総連、出版労連などの組合が50円、日本医労連の組合が210円、240円などの報告を寄せ、全体平均を引き上げている。なお、日額引上げは4組合の平均で74.5円、月額引き上げは31組合の平均で2073円になった。

 企業内最賃の回答・協定は7単産の121組合で、前年同期(141組合)に比べて若干減少した。月額回答75組合の水準は、建交労・18歳最賃が26組合平均で17万5300円、化学一般労連が12組合平均で15万1438円、全労連全国一般が1組合で15万2500円、全印総連が4組合平均で15万9500円、出版労連が2組合平均で17万1000円、日本医労連・誰でも最賃が8組合平均で14万9000円である。建交労・運転手最賃と日本医労連・看護師最賃を含む75組合の全体平均は17万4178円となり、951円の引き上げになった。なお、日額の回答・協定は40組合で平均7583円(55円アップ)に、時間額の回答・協定は92組合で平均955円(20.2円アップ)になっている。

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月20日現在、連合の第4回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 2139 156.1 5,112 1.73 5,687 1.93 4,140 1.58 4,579 1.79
35歳P 68 6.8         5,870 2.21 5,996 2.20
30歳P 39 2.3         6,695 2.65 6,739 2.78

2) 4月21日現在、日本経団連調べの第2回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 66 - 5,798 1.76 6,165 1.89 5,283 1.69 5,516 1.79
中小企業 110 - 3,694 1.40 4,412 1.68 3,447 1.31 4,082 1.59



5月闘争へ粘り強く。パート賃上げ・最賃要求の前進も

 5.現段階の進ちょく状況は本登録組合をみても、回答引き出しが「不誠実」を含め48%、妥結が14%の低い水準である。いままさに「4月末決着」をめざして奮闘中だが、5月にずれ込む組合が相当数予想される。第80回メーデーを成功させ、5月に本格化する建設、金融や私学などとともに、全体で「5月闘争」を展開することになる。その際、ベア追求の賃金要求とともに、パート賃上げ、企業内最賃の回答引出し、協定化をひきつづき追求することが求められている。今年度の最低賃金を大幅に引き上げていくためにも重要である。
 また、GW中に開催される5月3日の「憲法集会」(日比谷公会堂)、6日スタートの「平和行進」(夢の島公園〜)などを成功させることを含め、5月闘争の強化を呼びかけるものである。

(以 上)



 
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