国民春闘共闘 NO.42 2008/06/24
2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第42号・回答第7号・確定版  2008年6月24日

 

最終平均は6,720円、2.08%

 定昇分プラスα確保  前年と同額、率はプラス

最終集計結果の特徴について

2008年6月24日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧   妥結組合 産業別・単産別総括表 

 1.春闘回答集計センターは6月20日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)の各単産と地方より08春闘賃上げ回答状況の最終・第7回目の報告を受けた。今回は、登録している27単産部会・8地方から報告が寄せられたが、一部、報告漏れがある。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 809組合 回答組織数は27単産 ・部会と8地方  
(2) 回答組合数 502組合 引出し率 62.1%  
  うち金額・率回答 398組合 ほか104組合 は「定昇のみ」などで 未計算
  うち上積み回答 143組合 回答上積み率 28.5%  
  うち前年実績以上 221組合 有額回答数の 55.5%  
  妥結組合数 299組合 有額261+他38 解決率37.0%  
(3) 単純平均額 398組合 5,788円 同率 1.93%
  前年同期 432組合 5,673円 同率 1.90%
  前年同期比   + 115円   +0.03P
  加重平均額 9.4万人 6,720円 同率 2.08%
  前年同期 10.4万人 6,720円 同率 2.00%
  前年同期比   +−   0円   +0.08P


 4) 回答状況と産業別の特徴について
 08春闘の賃上げ回答状況は、この1カ月の間に建設関連労連、金融労連、映演労連などの組合が新たな回答を引き出してきた。多くの組合は夏季一時金の回答引き出しとともに奮闘しているが、有額回答数は398組合で、このほか「ベアゼロ」「定昇のみ」や「金額不明」など数字にならない日本語回答が104組合(前年は101組合)に見られ、計502組合の実質的な回答引出し率は62%になる。なお約4割近い組合がいまだ回答に値するものを引き出せない状況である。
 こうしたなか、最終的な特徴は、(1) 組合員ひとり当りの加重平均が6,720円、2.08%となり定期昇給分(2%弱)プラス・アルファを確保できたこと、(2) 1組合当りの単純平均でも前年同期比で115円増、引上げ率では0.03ポイントのプラスとなり、4年連続して増額をかちとることができたこと、(3) 計143組合(29%)が第2次、第3次と回答を上積みさせてきたこと、(4) 221組合(56%)が前年実績以上をかちとったことなどである。
 産業別にみると、前年実績を金額・率ともに超えているのは、比較可能な25単産部会中、建設関連労連、化学一般労連紙パ、建交労運輸、検数労連、全労連全国一般、金融労連、全証労協の7組織で、賃上げ額のみプラスになっているのは全農協労連、JMIU、合同繊維、全国一般製造と地方登録組合の5組織である。また、平均額が比較的高いのは出版労連8,534円(2.41%)、地方マスコミ7,903円(2.20%)、民放労連7,900円(2.20%)、建設関連労連7,196円(2.42%)、JMIU6,762円(2.32%)などである。

 5) 最高額・率を獲得したのは建設関連労連の組合の2万1783円、6.06%。最高回答次数は化学一般労連紙パの組合が第6次回答、JMIU4組合と日本医労連の1組合、計5組合が第5次の上積み回答を引出した。「1万円以上」の回答は計30組合(07年は35組合)になった。


 3.妥結組合の状況について
 1)妥結数は299組合(有額261+その他38)で前年に比べ5組合増えた。それでもなお全体では37%の低水準である。解決がすすんでいるのは金属情報機器、化学、繊維などの製造業と、運輸、鉄道、検数、倉庫などの交通運輸業、民放、印刷、出版、映演などのマスコミ関係業で、逆に未解決が多いのは「人勧準拠」を含め農協、建設、卸売・小売業と金融業の各単産、医療・福祉、私学関係、特殊法人の単産など。未解決組合の多くは夏季一時金とセットで解決をはかるものと思われる。また、前年同期比マイナスの額・率は、「回答」組合が「妥結」に転じるに従い順次解消される。

(2) [妥結・妥結方向]数 賃上げ額 同率 前年同期比(額) (率)
単純平均 261組合 6,015円 1.95% −188円 −0.01P
加重平均 5.7万人 7,293円 2.11% −268円 +0.05P

 4.各団体の賃上げ最終集計の結果は、以下のとおりである。
1) 連合の妥結状況(7月2日現在。第8回最終集計)

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 4939 249.4 5,523 1.88 5,419 1.87 4,212 1.68 4,155 1.66
35歳P 109 7.9         5,988 2.22 5,199 1.96
30歳P 88 4.0         6,631 2.74 5,956 2.53
08中小共闘 3533 31.7 4,229 1.72 4,154 1.68 4,019 1.65 3,931 1.61

2) 日本経団連調べの妥結状況(7月23日現在。最終集計)

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 119 - 6,271 1.95 6,202 1.90 5,617 1.84 5,533 1.78
中小企業 578 - 4,184 1.66 4,149 1.64 3,957 1.60 3,922 1.58

3) 厚生労働省調べの妥結状況(9月9日発表)

 加重平均  主要280社 6,149円 1.99%                



 5.08春闘・賃上げ闘争をふりかえって
 08春闘をふりかえってみると、第一に、大企業が6期連続の増益、5期連続の最高益を更新し、政財界のトップが主要企業に対して(個人消費拡大のために)賃金引き上げを要請したもとで、労働者の期待を裏切る「500〜1000円のベア」を押し付け、業績向上分は一時金に上乗せすることで決着したことである。第二の特徴は、こうした傾向が春闘共闘の中堅中小にも波及し、いっそうの低額回答に対して各組合が統一行動を背景に上積みをめざして粘り強くたたかってきたことである。第三は、年明け以降の景気減速もあって、卸・小売業、マスコミ関係、医療福祉や各産業の中小零細では「定昇のみ」の回答が多く、一部には2000円〜4000円程度に集中するなど産業別・規模別の格差が見られたことである。
 第四の特徴はこうしたなか、とりわけ重視してきたパート・非常勤の賃上げをはじめ、企業内最賃の改定・協定化や子育て支援、均等待遇、正社員化など、すべての労働者を視野に切実な要求の実現をめざして前年を上回る成果を収めてきた。
 国民春闘共闘は来る6月27日、第2回単産・地方代表者会議をひらき、08春闘中間総括案について討議し、改めて賃金闘争の高揚をめざす。当面、ひきつづき夏季一時金の増額、最低賃金時給1000円以上、公務員労働者の賃金底上げと改善、非正規労働者の均等待遇など夏季闘争強化のために奮闘するものである。

(以 上)


 


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