2010国民春闘共闘情報
全労連HP

第 10 号  2009年12月24日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ    パートの一時金獲得状況

 

1.98ヵ月+αの平均64万円に

 09年末一時金回答・最終集計  前年比8.7万円の大幅減

 09年末一時金回答・第4回(最終)集計結果について

1.国民春闘共闘委員会は22日、2009年・年末一時金の第4回(最終)集計をおこなった。26単産・部会から登録組合の77%にあたる542組合が回答を引き出し、うち392組合(登録組合の56%)が妥結するなど、最終的な報告が寄せられた。

2.回答+妥結状況は「総括表」のとおりで、集計結果の概要は以下のとおりである。

 
1) 登録組合数 703組合 登録28単産中 26単産・部会に回答
2) 回答組合数 542組合 回答引出し率 77.1%
  第2次回答以上 161組合 回答数の 29.7%
  前年実績額以上 88組合 金額回答数の 24.9%
  妥結組合数 392組合 妥 結 率 55.8%
3) [回答+妥結] 組合数・人数 回答月数 金  額
  単純平均 542組合 1.98カ月+α 639,887円
  前年実績 (同一組合)   727,053円
  引上げ率 (同一組合対比)   −11.99%
  加重平均 141,766人   659,609円
  前年同期(08.12.22) 148,091人   814,593円


3.各単産は、この間のたたかいによって、未解決の各組合が決着を迫る交渉を重ねて回答引出し、上積みをめざしてきた。今回は新たに特殊法人労連から回答が寄せられ、その結果、全体の回答引出し率は、前回集計時点(11月30日)の約6割から8割に迫り、妥結率も、前回の20%から56%と大幅に上昇した。

 全体の特徴としては、単純平均が1.98ヵ月プラスアルファの63万9887円で、前年比0.17ヵ月減、金額では8万7166円減(▲11.99%)と、過去最大の大幅な減額となったことである。世界的な景気後退に、構造改革がもたらした不安定雇用や失業の増大、賃金カットなどによる内需縮小が拍車をかけ、製造業を中心に、ほぼすべての産業で業況がさらに悪化していることが反映している。このことは、今年の回答引出し組合数が542組合(登録組合の77%)と、昨年の590組合(83%)から減少したこと、また妥結数も392組合(56%)と、昨年の417組合(59%)から減少していることにも表れている。

 単産別の特徴としては、前回に引き続き、日本医労連が前年比プラス6516円(1.22%)を勝ち取っている。金融労連は、11月末の時点で前年比マイナス23%と大幅減の報告であったが、この間の回答引出し・上積みのたたかいで、今回は前年比プラス1万7495円(2.78%)となった。また、通信労組が+−0、外銀連(月数)が+−0、建交労・建設がマイナス3614円、郵産労がマイナス8336円と、ほぼ前年並みを確保した。その他の産別は、製造業関係の15万2082円減(−22.4%)、建設業関係の4万4838円減(−10.2%)をはじめ、軒並み大幅な減少となっている。

 たたかいの特徴としては、秋年闘争ヤマ場の11月18日を中心に、ストを含む闘争強化を背景に第2次、第3次と回答を上積みさせた組合は161組合、回答組合数の30%(前年は29%)と、困難な状況の中でも組合員の窮状を訴えて奮闘した。一方、前年実績額以上を勝ち取った組合は88組合(金額回答数の25%)と、前年の143組合(同35%)から大幅に減少した。

 これまでの最高額は、前回集計時と同じく出版労連傘下組合の270万円余で、150万円以上の回答は出版労連、民放労連の計7組合にとどまった。回答次数の最高はJMIU組合の第6次で、以下、化学一般労連、映演共闘傘下の計2組合の第5次が続いている。
 各単産・地方では、年末年始の「生活・労働相談」「派遣村」のとりくみとあわせ、2010年春闘に向けて「新春宣伝行動」などの準備を進めているところである。




パート一時金は0.95カ月に

4. 並行して実施したパート等(時間給労働者)の一時金は、日本医労連や生協労連、全労連全国一般などの計198組合(前年と同数)が回答を引き出した。平均支給月数は0.95ヵ月と、月数では昨年の0.89ヵ月を上回った。金額では、単純平均で6万3650円と、昨年(7万9147円)より1万5497円減となっているが、集計組合の違いによるものである。対比可能な40組合についてみると、前年比プラスが9組合、同マイナスが19組合、同額が12組合であった。単産別の支給月数では、日本医労連が1.24ヵ月(前年比0.17ヵ月増)、全労連全国一般が0.83ヵ月(同0.05ヵ月増)をそれぞれ勝ち取っている。

 臨時・嘱託・非常勤などの日額労働者は、日本医労連、生協労連、全労連全国一般、建交労などの計99組合(前年は90組合)が回答を引き出した。支給月数は単純平均で1.07ヵ月と、前年(1.14ヵ月)より若干減少したが、日本医労連は前年比0.08ヵ月増の1.12ヵ月分となっている。前年に比べ、金額でなく月数回答の組合が増加したことも、パート等と同じ特徴である。
 全体として、経営状況が厳しさを増すなかで、パート等、臨時・嘱託・非常勤ともに、前年同数もしくはそれを上回る組合が年末一時金の回答を引き出したことは、労働者の切実な要求を掲げてねばり強くたたかったことを反映している。

5. 他団体の集計結果について(連合は回答+妥結、日本経団連は妥結集計)


連合(冬分最終) 12月16日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 3863組合 1.70カ月 418,516円 −15.31%
加重平均 262.3万人 2.09カ月 626,239円 −13.51%


日本経団連(大手最終) 12月18日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 主要164社   671,507円 −13.47%
加重平均     755,628円 −15.01%




来春1月8日中心に全国で「新春宣伝行動」


国民・東京両春闘共闘は主要5駅頭で


 春闘共闘は、新春8日(金)を中心に全国各地で「新春宣伝行動」を取り組む。
 中央では、国民春闘・東京春闘共同による早朝宣伝を、東京駅丸の内北口、新宿駅西口、池袋駅東口、霞ヶ関駅、虎ノ門駅周辺で実施するのをはじめ、都内各駅頭・繁華街でいっせい宣伝行動(東京春闘主催)が取り組まれる。1月12日(火)には第1回単産・地方代表者会議で「2010年春闘方針」を確定し、19日(火)には厚労省&日本経団連包囲・丸の内デモを実施し、新政権下で初めてたたかわれる2010年国民春闘のスタートを切る。





 [御礼]
 2009年・年末一時金の回答集計は、今回をもって最終です。多忙のところ、この間の定期的な調査報告にご協力いただいた各位に、厚く御礼申し上げます。



 
 変化をチャンスに、貧困・格差の解消、内需の拡大を




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