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民営化で切捨てられたサービス

「集配郵便局の再編」でサービスが後退

 郵政民営化に先駆け「効率的で収益性の高い事業運営への転換」を目的に2006年9月から進められた「集配郵便局の再編(統合・廃止)」は、全国4696の集配郵便局を今年の3月末までに配達センターなど1088局に集約しました。再編対象の地域からは、「再編見直し」を求めて240自治体が意見書を提出しました。しかし、当時の郵政公社は、(1)集配業務は集約されても郵便局は存置し、郵便局ネットワークはこれまでどおり維持する、(2)郵便・郵便貯金・簡易生命保険の外務サービスは提供する、(3)ひまわりサービス等の社会貢献施策もひきつづき実施すると説明し実施を強行しました。
 「集配再編」が強行された地域からは、(1)土曜・日曜・祝日の閉局で不便に、(2)平日も時間外窓口廃止で不便に、B不在時の対応と配達処理が不便になった、との声があがっています。また、「郵便配達が夕刊より遅くなった」「貯金・保険の集金では○日の○時にいないと、別の日では行けない」などあきらかにサービスが後退しています。郵便局会社が宣伝する「生活のすべてを支えるお店へ」の宣伝コピーが泣いています。
グラフ

寸断された郵便局ネットワーク

 郵政民営化の初日となった10月1日、全国16道県で68の簡易郵便局が一斉に閉鎖されました。日本郵政公社から業務を受託していた農協などが民営化を機に契約を破棄した結果、4229局あった簡易郵便局のうち417局が窓口機能を停止(一時閉鎖)し、郵便局ネットワークそのものが寸断されました。あわせて、郵便局以外の国・公立病院や市・村役場と出張所、デパート、コンビニ、駅や大学構内などに設置されている現金自動預払機(ATM)も、「年間利用件数3万5000件以上」の基準を設け、その条件を満たさないATMの撤去をすすめ、この2年間で撤去対象719台のうち678台を一方的に廃止しました。
 民営化による利用者負担増やサービス後退の弊害は、これだけではありません。これまでは、1枚10円だった定額小為替の発行手数料が10倍の100円に値上げされ、送金手数料も新たな消費税や印紙税の発生により大幅に引き上げられました。
簡易郵便局の一時閉鎖が急増

利用者に知らせずサービス切り捨て

 全国には、約19万本の郵便ポストがあります。民営化準備を進めた郵政公社は、「早朝にポストから郵便物をあつめる回数」の見直しをすすめ、一日3回以上の取集が実施されてきた約7万本を対象に、利用者への周知も合意もないなか午前の回収を1回にしたためサービスが後退しました。
 郵便局会社は、「来なければならない場所から来たくなる場所にしたいと思う」との宣伝コピーで便利になるかのように描いています。しかし、利用者からは「郵便局の窓口で待つ時間が長くなった」「手数料の引き上げで負担が増えた」「新しい通帳への切り替えで証明書を求められた」などわずらわしさと負担が増えたと「サービスの後退」を批判しています。
郵便局は生活に不可欠のライフライン