全労連の皆さん、おはようございます。
ただいま、ご紹介いただきました、全商連の会長、国分です。どうぞよろしくお願いいたします。
全労連第23回定期大会、本当におめでとうございます。全労連の皆さんが、今、貧困や格差、ワーキングプアの解消をはじめ、働く者の権利と暮らしを守るこういう立場で、この間大いに奮闘されたことに敬意を表するものであります。
また、今年5月に私たちも第48回総会を開催いたしました。その折は議長である坂内さんにおいでいただいて、力強い励ましの言葉をいただきました。本当にありがとうございました。
今、日本を代表するプロレタリア作家の小林多喜二の「蟹工船」が大変な売れ行きだそうです。そしてこの80年前に起きた北海道の函館の厳しい労働条件が、当時は単なる小説として読まれたようですけれども、80年経った今、私たちが読んで「なんかおかしいぞ」、本当にこの小説が今、発揚されるということであります。
私たちも若い頃読んだ覚えがありました。しかし、「はぁ、こういう厳しい労働条件もあるのか」と、こういうことで、過ごしてきました。しかし、今読んでみますと、本当に今の労働者の過酷な労働条件にぴったり合う。そしてこの中から戦う力を「何とか言う」。こういうことでの、若い人たちの要望が大きくなって、この本が売れているんだというふうに思います。
皆さんも、きっとお読みになったと思うんですけれども、BOOK EXPRESSという本屋さんが上野の駅の中にあるんですけれども、ここで平積みでね、5列に積んだ――本店売り上げ1番とか2番とか――私は先週ちょっとのぞいてみたんですけれども、今まだ第5位ということで並んでいました。
人間扱いされているとは思えない、社会に向けて自分たちの状況を発信し、待遇の改善を求める若い人たちが今増えつつあると、この本を読むことでこの若い人たちが、いつの時代も不当な労働を強いられている。この人たちが、なんとしてもこういう時代を変えたい、こういう心構えで読まれているんだというふうに思います。
民間給与が9年連続で減少して、年収200万円以下の勤労者が一千万人を超えることになって、私たち民商・県商連が行った実態調査の中でも、「営業だけでは生活できない」、こういう人たちが6割になっています。そして、経費の支払いと借金の返済で収入は消えてしまうんだと。母親の年金で食いつないでいる。こういう状況が報告されております。
そういう中で今、私たちを取り巻く状況、原油高、資材や穀物の高騰が襲いかかっている。私たち中小業者や、漁業者、農民をかつてない窮地に追い込んでいる。こういう実態もあります。
私たちは今、「このままではやっていけない」と声を上げて窮状を打開する――こういう運動に取り組んでおります。私も昨日、広島から帰ってきました。この3日間、私たちの組織の専従事務局員1800人の交流会を開催いたしました。
この中でも若い事務局員が大変多くなっている。保育室に、西日本だけなんですけれども、保育室に30人を超える子供を連れた事務局員が参加する。こういう状況がありました。大変喜ばしいような状況であります。官庁や省庁に対する行政行動も、この6月から取り組んでまいりました。打開策の実現を求める、こういうことで公正取引委員会や中小企業庁との交渉も続けてまいりました。
今、漁業を行っている人たちが、休漁しなくちゃならんということで、大変大きな運動も展開されております。多くの国民にこの運動が支持されているのも実態であります。韓国では要求を掲げて立ち上がった「貨物連帯」が、トラック運転手含めて、「最賃制」の法制化などを勝ち取る、こういう状況も生まれております。
今、臨時国会開催を前に、自民・公明与党からも1兆円規模の補正予算を求める、こういう声も上がっております。
今ほど、額に汗して働く者の団結が、求められているときはない、というふうに思っております。
私たち全商連が、地域の中小商工業者を組織する民主商工会の連合組織として、総会方針では「最低賃金の引き上げ要求」も掲げました。
これは、民商・全商連の、国民全体の幸せにつながっていく。そして、団結こそ何ものにも勝る宝なんだ、一致する要求で国民各層と共同してたたかう、こういうことをするならば、要求は必ず実現できる。この間、「たたかえば、間違った政治、変えられる」。こういうことで、たたかいをしてきました。
大きな成果を収めてきたことに、多くの役員会員が確信をもって、今後の運動の力にしよう、こう励ましているところであります。みなさん、ご存じのように、22日に出された『2008年労働白書』は、90年代から人件費を抑制し、そして正規採用を減らし、非正規雇用を増大させた。その結果、労働者の労働意欲を低下させた。大企業の労働分配金を大きく、これも低下し、持続的経済発展のために、雇用の拡大や賃金の上昇、そして労働時間の短縮を銘記しなければならない。こういう状況も一方で出てきております。
また、経済財政白書を見ますと、小泉構造改革のもとで、自民・公明の政権が大企業優先の政治を続けて、そして「大企業が好調であれば、家庭に波及する経済波及があるんだという経済政策は間違いだった」と、こういうことを指摘しなければならない、そういう状況にまできております。
さらにけしからんことは、財政赤字を理由に消費税率の引き上げが明記されている。同時に自民党の税調や、政府の税調。抜本的税制改革の論理をつぐということで、すでに論議が始まっているようです。
福田首相の決断の時とあわせて、社会保障の財源も繰り返し出されてやっている?と思います。これ以上の負担は断じて許すわけにはいきません。
国民的大運動で、世論を形成し、大きな成果を収める。そのために、全商連は皆さんと一緒に大運動に取り組んでいくことも、表明しておきたいというふうに思います。
皆さんのこの大会が成功裏に終わることは、労働者をはじめ、国民各層の運動前進に大きく寄与することに、間違いありません。
明日に夢ひらく世の中を生きるために、私たち全商連も全労連の皆さんとともに奮闘することをお誓いして、連帯の挨拶とさせていただきます。
どうも、ありがとうございました。
|